気まぐれCINEMAレビュー BackNumber
1999〜2005年
【ハ行】
過去の「気まぐれCINEMAレビュー」をまとめました。満足度は★で、がっかり度は×で評価しました。
五十音順にタイトルが並んでいます。
データベースとしてご活用下さい。
【過去の年間BEST3】 BackNumber CINE LATINO (2007年〜 中南米映画 日本未公開版 2007年〜 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 1999〜2005年 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【パ】【バ】【ヒ】【ピ】【ビ】【フ】【プ【ブ】【ヘ】【ペ】【ベ】【ホ】【ポ】【ボ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 |
ハイスクール白書 優等生ギャルに気をつけろ!ELECTION ★
アレクサンダー・ペイン監督、マシュー・ブロデリック、リース・ウィザースプーン、クリス・クライン、ジェシカ・キャンベル出演☆高校教師のジムは、生徒会長選に高慢な優等生トレーシーしか候補がいないと知り、対抗馬として、アメフト部のポールを祭り上げる。人気者のポールの出現に焦ったトレーシーは、誰もいない学校で、彼の選挙ポスターをビリビリに破いて捨てるという事件を起こすが、ポールの妹が自分がやったと嘘をつく。
上昇志向の高慢女、頭空っぽだけどお人よしのスポーツマン、世間を斜めから見ている皮肉屋のレズ女、という三者三様の高校生が選挙に立つ、という設定がユニーク。
さらに、教師は同僚の妻に誘惑されて不倫中、と大人社会にありがちな裏話をさりげなくはさんでいるのもリアル。
さすがペイン監督。人物描写が細かいし、皮肉もたっぷりきいている。
教師は結局、不倫がばれ、選挙での不正も知れて、学校を首になる。数年後、博物館で働く元教師は、エリートとなったトレーシーが政府機関から出てくる姿を道の向こうから見かける、というエンディングは秀逸。「世の中って悲しいけどそういうもんだよね」と思わせるホロ苦い映画だった。
邦題最低。映画の内容をぶち壊してます。2006.1.2 参考CINEMA:「サイドウェイ」「アバウト・シュミット」
ハード・エイト
ポール・トーマス・アンダーソン監督、ジョン・C・ライリー、グゥイネス・パルトロウ、サミュエル・L・ジャクソン出演☆ある名ギャンブラーが金をなくした男にラスベガスでの勝ち方を教えていくんだけど、じわじわ話がすすんでいって、ラスト、実はその男が自分が殺した男の息子だったとわかってしまう。マグノリアの原点というのはわかった。けど、正直ちょっと退屈だった。2001.1.2
参考CINEMA:「マグノリア」「パンチドランク・ラブ」
ハート・オブ・ウーマン
ナンシー・マイヤーズ 監督、メル・ギブソン、ヘレン・ハント、マリサ・トメイ出演☆メル様ファンにはたまらないコミカル演技。ここまでおどけちゃってる役は始めてかも。でも、何やってもさまになるんだよねー。話はコテコテのコメディなんだけど、それをメル様がやるから、新鮮。ロマンスなんてどーでもいい感じ。(ヘレン・ハントって若いくせに老け役ばっかり。苦手な女優の一人だ)やっぱり、メル様相手じゃあ、一人の女じゃ役不足ってことよ。ただ、せっかくだから、芸達者のマリサ・トメイとの絡みはもうちょっとあればよかったのになあ。「女心なんてわかんないだろうなあ」っていう男男したメル様が女の心の声を聞いてしまうという、ギャップが楽しかった。2001.8.27
ハートブレイカー
デヴィッド・マーキン監督、シガニー・ウィーバー、ジェニファー・ラヴ・ヒューイット、レイ・リオッタ、ジーン・ハックマン出演☆母と娘がコンビで男をだます結婚詐欺の話。まんまと男から金をせしめたあと、老人に狙いをつけるんだけど、それが、ちょっとあっさりおわって、娘の恋の話になっちゃったのが残念。徹底的に、騙してほしかったな。 2001.1.2 in Hawaii
ハスラー THE HUSTLER
ロバート・ロッセン監督、ポール・ニューマン、ジャッキー・グリーソン、パイパー・ローリー出演☆ビョンホンのドラマ「オールイン」見てたら賭け事映画を見たくなったので、長いこと見逃していた「ハスラー」に手を伸ばしてみた。ビリヤードの天才エディの栄光と挫折と復活の物語。ポール・ニューマンをはじめ、永遠のライバル、ミネソタ・ファッツや金の亡者のマネージャーなど、脇役がみんな魅力的。男たちの本気の戦いを描いたドラマは永遠の憧れです。2005.6.25
裸足の1500マイル RABBIT-PROOF FENCE
フィリップ・ノイス監督,ドリス・ピルキングトン原作,クリストファー・ドイル撮影、ピーター・ガブリエル音楽、エヴァーリン・サンピ、ローラ・モナガン、ケネス・ブラナー出演
☆母に会うために1500マイルもの道のりを、90日間歩き続けたアボリジニの少女たちを描いた実話を映画化。
オーストラリアでは、30〜70年代まで、白人とアボリジニのハーフを隔離して、強制的に白人教育を行う、という差別的な法律があった事実を知らなかった。
広い荒野を裸足で歩きつづける少女の姿をドキュメンタリータッチで描いていて、へんにドラマチックにしていないところが好感が持てた。PGの音楽とドイルの映像が荒野とマッチしていた。2004.2.8 参考CINEMA:「ボーン・コレクター」「愛の落日 クワイエット・アメリカン」
8月のクリスマス
ホ・ジノ監督、ハン・ソッキュ、シム・ウナ出演☆韓国で話題になったというちょっと悲しいラブストリー。死を前にした主人公が、ビデオを見方がわからない父に何度も使い方を教えたり、写真館の機械の使い方を紙に書いたりしている姿がなんとも言えず悲しかった。婦人警官との恋は男にとっては最後の恋。でも、女の子は最初の恋という感じで、その噛み合わなさがよかった。2000.9.30
カーティス・ハンソン監督、エミネム、キム・ベイシンガー出演☆トレーラーで暮らす貧民白人青年が、挫折を繰り返しながら、黒人優位のラップ・バトルに挑む。
ラップ・バトルってはじめて見たけど、興奮した。罵倒や苛立ちをはき捨ててるだけじゃなくて、見事な詩になっていたのにびっくり。エミネムは現代の吟遊詩人だ。
「L.A.」では美女を演じてたキム・ベイシンガーだけど、汚れ役もしっかりはまってた。2004.1.8参考CINIMA: 「L.A.コンフィデンシャル」 「ワンダー・ボーイ」
8人の女たち
フランソワ・オゾン監督、ダニエル・ダリュー、カトリーヌ・ドヌーヴ、イザベル・ユペール、エマニュエル・ベアール、ファニー・アルダン、ヴィルジニー・ルドワイヤン、リュディヴィーヌ・サニエ、フィルミーヌ・リシャール出演☆1950年代の冬。フランスの大邸宅で、主が殺された。家にいたのは8人の女だけ。犯人探しをはじめるうちに、それぞれの事情が明らかにされていく。
8人の女たちがみんな豪華。女優陣のヘタクソな歌や踊りを拝めただけで得した気分になった。
とくに圧巻はイザベル・ユペール。いつも渋い役ばかりなのに、演技もコミカルだし、歌も踊りもケッサク。
シリアスからコメディまでこなせる女優だったのねー。おまけとして、ドヌーブとアルダンの濃厚なキスシーンも見応えあり。
ちなみにストーリーはありきたりでした。2003.10.11
8mm
ジョエル・シューマカー監督、ニコラス・ケイジ、フォアキン・フェニックス、キャスリン・キーナー出演☆スナッフフィルムらしきものに写った少女の消息を追う私立探偵の話。B級映画を凝った映像でごまかしてるような映画だった。2001.4.29
参考CINEMA:「ベロニカ・ゲリン」「フォーン・ブース」「フローレス」
初恋のきた道
チャン・イーモウ監督、チャン・ツイィー出演☆中国の田舎。学校に赴任してきた教師に一目ぼれした少女のいちずな恋を中国の大地をバックに描いた作品。なんだかアイドルのプロモーション・ビデオみたいだった。初恋はなつかしいんだけど、全然入り込めなかった。この手の映画は男性ファン多いみたいだけど、女にはこういう一途さってうざいんだよね。ファンの殿方ごめんなさい。2001.9.29
参考CINEMA:「ヒーロー」「ラバーズ」「至福のとき」
鳩の翼 Wings of the Dove
ヘンリー・ジェイムス原作、イアン・ソフトリー監督、ヘレナ・ボナム・カーター主演☆1910年頃のヨーロッパ。複雑な家庭の事情で伯母に育てられたヒロインが、恋人のジャーナリストに不治の病に侵された女性を誘惑させ、財産を得ようと画策するが、恋人と彼女との間に愛情が芽生えてしまう、悲しい恋の話。上品なファムファタールもの。
ヘレナのあの目は男を翻弄する悪女役がホント似合っている。死を目前にした、純情な女性に恋人を近づけさせたのは財産目当てもあっただろうけど、彼女へのレズ的愛情も含まれていたのでは、と考えるのは私だけだろうか。または、敵をつくることで自分をより興奮させたい、という屈折した愛情表現か。
いずれにしても、彼女の愛情表現はいろいろな面をもっていると思う。自分が仕掛けた罠で死人に恋人を奪われた女の気持ちが痛く感じた。1999.10.4 参考CINEMA:「光の旅人」
花咲ける騎士道 FANFAN LA TULIPE ★
ジェラール・クラヴジック監督、ヴァンサン・ペレーズ、ぺネロペ・クルス、ディディエ・ブルドン、エレーヌ・ドゥ・フジュロール出演☆18世紀。革命前のフランスで、剣の達人にしてプレイボーイのファンファンが、大活躍する活劇。ジェラール・フィリップ主演のヒット作のリメイク。
すごくシンプルな作りなんだけど、笑いや風刺、ラブストーリーがきちんと入っていて、安心して見られた。フランスのコメディらしくシニカルな台詞も随所に見られ、ハリウッド映画とはまた違った面白さがあった。2005.7.23
ハピネス ★
トッド・ソロンズ監督、ジェーン・アダムス、ララ・フリン・ボイル、シンシア・スティーヴンソン出演☆男運のない三女、幸せな家庭を持っているのに少年をレイプしてる精神科医、いたずら電話でしか欲を満たせないデブなどなど。みーんな変。だけど、まじめに生きてるんだよねえ。不器用な生き方は他人事じゃないよ。みーんな悩んでるってことをおかしくちょっと悲しく描いてた。2001.3.3
参考CINEMA: 「ウェルカム・ドールハウス」、「ストーリーテリング」「終わらない物語 アビバの場合」
ハムレット
マイケル・アルメイダ監督、イーサン・ホーク、カイル・マクラクラン、サム・シェパード、ビル・マーレイ出演☆シェークスピアのハムレット現代版。古風な台詞と現代的な映像のギャップが楽しめた。役者も豪華でそれぞれぴったりの役柄だった。2003.9.23
ハリー・ポッターと賢者の石
クリス・コロンバス監督、ラドクリフ出演☆魔法使いの学校でいろんな困難に立ち向かうハリーの冒険ファンタジー。大人気だったけど、なんかゲームみたいで楽しめなかった。本のほうが楽しめるかも。映画は1度で十分かな。いろんな怪物や魔法がでてくるのは楽しいんだけど、どうも私は毒がないとだめなんだよねえ。2002.9.30
ハリケーン ★
ノーマン・ジェイソン監督、デンゼル・ワシントン出演☆ 子供のころから黒人差別を受け、逮捕歴2回のハリケーン。ボクシングで名をはせた後、殺人事件の容疑者として逮捕され、終身刑を言いわたされる。黒人差別によって社会から虐められた男は心を閉ざすが、カナダの白人3人のもとにいる黒人少年との交流によって、再び社会へ立ち向かおうとする。ラスト30分はわかっていた展開にもかかわらず感動した。やっぱりデンゼルは投獄された男が一番似合あう。
実話といのが恐ろしい。しかも、現代のニュージャージー州で。アメリカっていう国は、恐ろしい国なのかも。カナダには、アメリアで虐げられて逃げた人がけっこういるのかもしれない。ハリケーンもトロントに住んでるらしいし。始めは時代がいろいろ飛びすぎて見にくかった。2000.12.28
ハンニバル
リドリー・スコット監督、アンソニー・ホプキンス、ジュリアン・ムーア、レイ・リオッタ出演☆期待してなかったけど、予想通り。原作も「羊〜」に劣るから無理もないけど、話の中心が、レクター博士の不気味さよりも、事件そのものになってから、あんまり怖くなかった。イタリアの殺人はもうちょっと美しく描いてほしかったかな。ただ、ブタに食われるシーンと脳みそ食べるシーンはわかっちゃいたが目を覆ってしまった。ラストが原作と違って、クラリスが解放されて、博士が飛行機で逃げるとこで終わり。ラストシーンは原作のなかで一番印象的な場面が使われていたので、ちょっとうれしかった。 2001.1.2 参考CINEMA:「レッド・ドラゴン」 「キングダム・オブ・ヘブン」 「グラディエイター」「ブラック・ホーク・ダウン」
ハイロー・カントリー
レビューはCINEMAの監督たち(スティーブン・フリアーズ監督)へ
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はつ恋
篠原哲雄監督、田中麗奈、原田美枝子、真田広之、平田満ほか出演☆評判よかったから見てみたけど、まあ、いい映画だね。っていう程度。昔、私が書いた脚本と話が少し似てたので、比較しながら見た。ラストはだいたい読めるんだけど、わかってても感動できた。死ぬ前に思い出す人って誰だろう?結局、家族なんだろうけど、一瞬でも過去の恋を思い出すっていうのは嘘じゃない感情のような気がする。もし私なら、やっぱり昔の想い人に会ってみたくなる気がするけど、まず会ってくれないだろうなあ。なんて、ちょっと感傷的になりました。2001.2.17 参考CINEMA:「昭和歌謡大全集」
ハッシュ ★
橋口亮輔監督、田辺誠一、高橋和也、片岡礼子、光石研、秋野暢子、富士真奈美 出演☆ゲイのカップルと知り合った一人の女が子供を作るのに協力してくれ、と言い出したことがきっかけで始まる奇妙な友情。
「きらきらひかる」とかこの手の三角関係はよくあるパターンなんだけど、やっぱり究極の人間関係なのかも、とあらためて思った。
田辺誠一にまとわりつくストーカー女が一見、まともに見えて一番狂ってるってところが面白い。
ゲイのカップルは一番まともな人間なの。
個人的には「人生つまんない」と投げやりになってる女がラストチャンスに子供を授かりたい、と思う気持ちがよくわかる。
一方、「子供はモノじゃない」と切れてしまう生活に疲れた秋野暢子の台詞もすごくリアル。まっとうなだけに反論の余地なし。
それでも、結局、まっとうに生きてたようにみえた兄家族があっという間に崩壊して、まっとうでなかった3人が再び奇妙な関係を取り戻すっていうエンディングが気に入った。「こんなに簡単ではない」ってことはわかるんだけど「希望を持ったっていいじゃない」
というメッセージが伝わってきて、気持ちが楽になった。
さすが橋口監督。それぞれの人間の気持ちがよく描けていて引き込まれた。2003.2.
パッチギ!★★
井筒和幸監督、塩谷瞬、高岡蒼佑、沢尻エリカ、楊原京子、尾上寛之、真木よう子、小出恵介、オダギリジョー出演☆1968年の京都。ケンカに明け暮れる朝鮮学校の不良どもと、その妹に恋をした寺の息子の友情を描いた青春映画。これぞ井筒監督の真骨頂!ばかみたいに殴り合うケンカのシーンは圧巻でした。
器用に生きてる最近の若者は、当時の若者が、バカがつくほどケンカや恋に一生懸命になってる姿をみて、どう感じるのだろう。映画館は、当時若者だった全共闘世代が多かったけど、この映画はやっぱり若者に見てもらいたい。
朝鮮分断の悲しみを歌った名曲「イムジン河」の存在を知らなかったので、あらためて朝鮮の苦い歴史を思い知らされた。
サッカーWカップ予選の北朝鮮戦と時を同じくして公開されたあたりは、さすが宣伝上手の井筒監督。「泣かせまっせ!」っていう意図がみえみえの青春映画ではあるんだけど、たまには素直に泣いてみるのもいいもんです。
予断ですが、主人公に歌を教える酒屋の兄ちゃんは、アルフィーの坂崎がモデルらしい。いつものことだけどわれらがジョーが好演してました。2005.2.11 参考CINEMA:「ゲロッパ」「のど自慢」
パッション The passion of the christ ★★★
メル・ギブソン監督、ジム・カヴィーセル、モニカ・ベルッチ、マヤ・モルゲンステルン出演☆辛すぎて涙が出た。でも、監督のメッセージは痛いほど伝わってきた。
反ユダヤ的とか非難されているが、私はキリスト教信者ではないし、背景がわからない分、客観的に見て、反ユダヤ的とはこれっぽっちも思わなかった。
聖書に忠実に描いていたようだし。当時はみんなユダヤ人だったんだから、反ユダヤもなにもないと思うんだけど。
拷問のシーンは「もうやめて!」と、目をそむけたくなったけど、現実に世の中は、大勢でよってたかっって誰かを非難したり、いじめたり、虐待したりしてるってことを思い出しながら見ていた。人ってほんと、おろかで弱いものなんだろう。あんなにひどいことして笑ってられる人間って悪魔みたいだけど、キリストがいったように「みんな知らないだけ」なのかもしれない。
などなど、いろいろ考えさせられる映画だった。
私は、言葉で説教されるのは大嫌いだけど、映像で説教されると受け入れやすい、ってことがよくわかった。
私のメル様は、やっぱり永遠に不滅です!長いことファンやっててよかったあ。映画監督として評価に値する映画だと思う。2004.5.16 参考CINEMA:「ワンス・アンド・フォーエバー」「ハート・オブ・ウーマン」
パトリオット
ローランド・エメリッヒ監督、メル・ギブソン出演☆国粋主義映画の術中にはまりそうになったのはひとえにメルが格好良すぎたから。国のために闘う姿は似合わないけど、家族のために闘う孤高の男はメルの十八番ですから、そこをうまーく国粋主義にしたてあげて、監督を恨む。映画の内容は相変わらず胸くそ悪くなるものでしたが、メルはほんとうにステキでした。2000.10.1
パープル・バタフライ 紫胡蝶 Purple Butterfly
ロウ・イエ監督、チャン・ツィイー、フオン・ユアンチョン、リィウ・イェ、仲村トオル出演☆学生時代、満州で恋仲になった中国人女性と日本人男性が、数年後、上海で再会する。抗日運動家となった女は、運動家を取り締まる立場にある元恋人に近づく。一方、発砲事件の巻き添えで恋人を殺された男は、自暴自棄になり、中国、日本の両運動家に利用されてしまう。
20年代の上海はよく映画の舞台になるが、この映画でも怪しげなムードがよく出ていた。 ただ、別れのシーンで絶叫するシーンはちょっと演出しすぎ。あと、回想シーンのカットバックが多すぎて、ちょっとわかりづらい構成だった。
ラストは私が望んでいた展開でほっとした。運動家の二人より、恋人を殺された一般人の男に感情移入できた。戦争というのは、いつでも結局、一般人が一番貧乏くじを引くことになるんだよね。反戦を声高に主張した説教くさい映画ではないんだけど、ラスト・シーンには監督の主張がこめられていると感じた。2005.4.5
第29回香港国際映画祭にて
パーフェクト・サークル
アデミル・ケノヴィッチ監督、ムスタファ・ナダレヴィッチ、アルミル・ボドゴリッツァ出演☆戦時下のサラエボで暮らす詩人と、転がり込んできた2人の子供の悲しい物語。戦争の悲惨さをストレートに描いているのに好感がもてた。
戦争映画の定番みたいな話なんだけど、これが、過去ではなくつい最近の話というのが信じられない。隣りのドイツは、戦争なんて忘れてしまっている国なのに。国境を超えると平和がある、という状況は想像できない。1999.12.30
パイレーツ・オブ・カリビアン
ゴア・ヴァービンスキー監督、ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイ、ジェフリー・ラッシュ出演☆間抜けな海賊、ジョニー・デップの演技がサイコー!
不死身の海賊船「ブラック・パール」の連中は、月明かりの下だとゾンビの姿に戻ってしまうんだけど、ゾンビと人間の姿が入れ替わる特撮が見事だった。楽しめたからよかったです。2003.10.9
パニック・ルーム ×
デビッド・フィンチャー監督、ジョディ・フォスター、フォレスト・ウィテカー☆母子二人暮しの新居に突然、強盗が押し入り、必死で強盗と立ち向かう強い母は、ジョディ・フォスターが演技しなくてもいいぐらいはまりまくってた。でも、強盗がいい人だったりして、あんまり恐怖心が伝わってこないんだよねえ。
暗い映画館で見たらまた違うんだろうけど。やっぱりデビッド・フィンチャーの映画ってあんまり好きじゃないな。2003.2.8 参考CINEMA:「ゲーム」
Fow Pyng HU監督(オランダの中国人監督)、 かたやまけい、Eveline WU、Jo KOO出演☆タイの島で偶然同じ浜辺に居合わせた若い女3人のドラマをオムニバス形式で描いた作品。
日本人のミキは東京で知り合った恋人を追いかけてオランダに行くが、結局思いは通じない。オランダ(ドイツかも)に住む中国人のペイペイは父親と二人で店をやっていたが、父親が店をたたむと言い出して戸惑う。ホンコンに住むシングルマザーは、3歳の息子が心臓手術をしないと生きられない、と医者からいわれ動揺する。
それぞれ、話も国籍もまったく違うのだが、美容院が共通の場所になっているのがしゃれていた。シングルマザーの話だけ、ちょっとシリアス過ぎたのが気になったけど、飽きずに楽しめた。
日本人女性を演じていたカタヤマケイという女優ははじめてみたけど、海外に住む素人なのかな。パフィーの由美に似ていて、自然な感じがなかなかよかった。2004.10.11 第9回釜山国際映画祭にて釜山日記はこちら
パンチドランク・ラブ PUNCH-DRUNK LOVE
ポール・トーマス・アンダーソン監督、アダム・サンドラー、エミリー・ワトソン、フィリップ・シーモア・ホフマン出演☆トイレの吸盤棒の販売員バリーは、飛行機のマイレージがついてくるプリンを大量に買い込み、世界旅行を夢見ている。そんなバリーが、口うるさい姉の同僚と恋に落ちた。はじめての恋に有頂天になるバリーだが、気晴らしに利用したテレホン・クラブから恐喝されてしまう。
粘着質で、突然、トイレで暴れ出すような奇人変人男が、不器用に恋を実らせていく姿が微笑ましかった。アダム・サンドラーは苦手だったけど、ナーバスな変人男にぴったりだった。2004.4.18
参考CINEMA: 「マグノリア」「ハード・エイト」
バージン・スーサイズ
ソフィア・コッポラ監督、キャスリン・ターナー、ジェームズ・ウッズ出演☆70年代に実際にあった5人姉妹の自殺事件をポップな感覚で描いている。姉妹がみんなキレイ。厳しい母親にとじこめられた絶望感から、抗議の自殺をするんだけど、それが、説教臭くなくて、ほんとのところは、何が原因の自殺なのか分からず仕舞い。ソフィアの才能を絶賛する声には?だけど、スタイリッシュで今風。もう1作ぐらい見てみたい。音楽はgood! 2001.2.9 参考CINEMA:「ロスト・イン・トランスレーション」
バーバー
ジョエル&イーサン・コーエン監督、ビリー・ボブ・ソーントン、フランシス・マクダーモンド出演☆70年代のサクラメント。髪結いの亭主になった男が、妻の浮気を知り、ちょっとした仕返しを思い付く。それがきっかけで、人が次々に死んでゆき、男にも最後に悲劇が訪れる。淡々とすすむ画面とビリーの渋い顔&語りは心地よい眠りを誘った。相変わらずのデブと痩せの物語。まぬけと誤解によって、人が不幸になっていくのは秀逸。ただ、今回は、コミカルな部分がほとんどなくて、ちょっと残念。シリアスすぎたなあ。2002.4.28 参考CINEMA:「オー、ブラザー」「レディ・キラーズ」「ディボース・ショウ」
バック・ビート BACKBEAT
イアン・ソフトリー監督、スティーヴン・ドーフ、イアン・ハート、ゲイリー・ベイクウェル、クリス・オニール出演☆美術学校でジョンと出会ったスチュワートは、ジョンのバンドに参加し、ハンブルク・ツアーに出かけます。しかし絵を描きたいという思いに突き動かされたスチュワートは、人気が出てきたビートルズを去り、芸術家の道を歩み始めます。
ジョンとスチュの熱き友情、最愛の恋人との出会い、スチュワートの早すぎる死までがビートのきいた音楽をバックにテンポよく描かれています。主演のスティーブン・ドーフは繊細で情熱的なスチュワートを好演。REMやソニック・ユースらのメンバーが熱いビートルズ・ナンバーを聞かせてくれます。
今は亡きジョンとスチュワートの青春の日々に一気にタイムスリップできる隠れた秀作です。 参考CINEMA:「光の旅人」「鳩の翼」
バッファロー'66
ビンセント・ギャロ監督・主演、クリスティナ・リッチ、アンジェリカ・ヒューストン、ロザンナ・アークエット出演☆ すごい盛況。今の若い子に受けてるのはなぜ?クリスティーナ・リッチが人気なの?のりはインディーズ。
ちょっとさえないナイーブな男が、若い女の子に好かれて、ちょっとだけ自信を取り戻す。何がいいって映像が洒落てる。わざとぼかしてみせたり、4人がけの食卓を3人ずつ写したり、16ミリのノリっていうのかな。でも、ほんとギャロって危ない役がぴったり。脇役が豪華なのは、俳優監督の役得ってところでしょうか。今後に期待大。でも、若者にあんなに人気なのはなぞ。ジャームッシュとかに近い人気なのかもね。1999.7.30
バレエ・カンパニー THE COMPANY
ロバート・アルトマン監督、ネーヴ・キャンベル、マルコム・マクダウェル、ジェー ムズ・フランコ出演☆バレエ団の内幕ストーリーと華麗な舞を絡めたドキュメンタリータッチの群像劇。ネイブ・キャンベルってアイドルのイメージがあったけど、見事に脱却していた。元バレリーナだったとは知らなかった。マルコム・マクダウェルはエキセントリックな演出家役がぴったり。2005.4.24
参考CINEMA:「ドクターTと女たち」「ゴスフォード・パーク」「ロング・グッドバイ」「ターナー・オン・ターナー」
バンガー・シスターズ THE BANGER SISTERS
ボブ・ドルマン監督、ゴールディ・ホーン、スーザン・サランドン、ジェフリー・ラッシュ、エリカ・クリステンセン、エヴァ・アムッリ出演☆70年代、ロックミュージシャンのグルーピーとして一世を風靡したスゼットとヴィニーが数十年ぶりに再会する。スゼットは過去の栄光にしがみつき、一方ヴィニーは過去を封印して超保守的でリッチな生活を送っていた。
ストーリーはいたって単純で特別な仕掛けもなし。でも、安心して見られる「旧交温め」コメディだった。
G・ホーンとS・サランドンが初共演っていうのは意外。次女役エヴァ・アムッリは実の娘らしいけど、デメキン目がそっくり!
ジム・モリソンのグルーピーだったという設定は、やっぱり、G・ホーンの娘(ケイト・ハドソン)が出演した名作「あの頃ペニーレインと」を意識したのでしょうか(映画の出来は「ペニーレイン〜」が数段上だけど)。2005.4.24 参考CINEMA:あの頃ペニーレインと
バンジージャンプする BUNGEE JUMPING OF THEIR OWN
キム・デスン監督、イ・ビョンホン、イ・ウンジュ、ヨ・ヒョンス出演☆大学生インウは、雨の日に出会った彫刻科の女性に一目ぼれ。不器用に彼女に近づくが、彼女も運命的なものを感じていて、恋人同士になる。
それから20年後。高校の国語教師となったインウは、教え子の男子学生に亡くなった彼女をダブらせてしまう。
男子学生に恋をしてしまい、周囲から変態呼ばわりされるビョンホンの痛々しい姿に、またまた惚れなおした! いたぶられる役がほんとさまになってます。
輪廻転生ものは数多くあるけど、相手が同性の教え子っていうのが斬新。意外なエンディングも気に入った。
見る人によっては気色悪い映画かも知れないけど、偏った恋愛にこそ真実の愛が隠れている気がする。イ・ウンジュが自殺したせいもあるが、輪廻転生、信じたくなりました。イ・ウンジュの恋人は、小指を立ててお茶をのむ人を見ると、ドキッとするのではないでしょうか。2005.12.4
バンデッツ
バリー・レヴィンソン監督、ブルース・ウィリス、ビリー・ボブ・ソーントン、ケイト・ブランシェット出演☆ナツカシイにおいがぷんぷんする銀行強盗ストーリー。「俺達に明日はない」「明日に向かって撃て」への思いが一杯詰まっていて、見ていてうれしくなった。目新しさはないけど、見ていて安心できるし、何より、役者の演技のうまさを堪能できた。ブルースを食ったビリーとケイトの演技力にカンパイ!2002.1.25
バッド・エデュケーション LA MALA EDUCACION
ペドロ・アルモドバル監督 レビューはCINEMAの監督たち(P・アルモドバル)へ
ヴァイブレータ VIBRATOR
廣木隆一監督、赤坂真理原作、荒井晴彦脚色、寺島しのぶ、大森南朋ほか出演☆過食と嘔吐を繰りかえす女がコンビニで出会った男のトラックに同乗する。さびしい女が男と出会って話し、セックスし、別れる。ただそれだけの映画なんだけど、ぬくもりに飢えた女の孤独感がジワジワ伝わってきた。寺島しのぶの体当たり演技に脱帽。大森南朋って、見かけは普通のサラリーマンみたいなんだけど、手がごつくてかっこよかった。2004.10.8
ヴァーサス
北村龍平監督☆この世とあの世の間にある森の中で、ゾンビ対人間が戦うファイティング映画。たぶん、低予算で作ったんだろうけど、なかなか見応えがあった。
ただ、この手のアクションシーンは見てると飽きる。2003.6.8 参考CINEMA:「あずみ」
バトル・ロワイヤル
深作欣二監督、藤原竜也、前田舞、山本太郎、柴咲 コウ、北野武出演☆深作監督の追悼をこめて遺作を鑑賞。
舞台は近未来の日本。荒れる青少年に恐れをなした大人たちが、中学生に無人島での殺人ゲームをさせるバトルロワイヤル法という法律を決めてしまう。
その対象となった中学生が、拉致され、醜い殺人ゲームが始まる。
生徒たちがさまざまな方法で無惨に醜く死んでいくのに、はじめは戸惑いを覚えたが、だんだんその迫力とスピード感に圧倒され、興奮してしまった。これが、監督の狙いなんだろうな。
で、その興奮のあとには、空しさだけが残るんだよねー。
前のゲームで、生き残った山本太郎がヒーローなんだけど、やっぱり太郎は深作監督が見込んだだけあって最高!
が、藤原竜也と前田舞の寄り添って生きる二人の姿はアニメチックで受け付けなかった。
その点、女殺人鬼と化した柴咲コウは格好よかったあ。
武扮する教師が最後、娘からの電話に「大人を苛めるには覚悟がいるんだよ」と言い捨てるシーンが印象的だった。
これが、大人から子供たちへのメッセージなんだろうけど、たぶん大人にならないとわからないかもなあ、と思った。2003.2.1
HERO 英雄 ★★
チャン・イーモウ監督クリストファ・ドイル撮影、ジェット・リー、トニー・レオン、マギー・チャン、チャン・ツィーイー出演☆秦の皇帝暗殺を企てる刺客たちの人間ドラマを美しく描いた作品。
黒沢監督の「羅城門」のようなストーリー構成で、ジェット・リー扮する刺客がどうやって他の刺客たちを負かしたかを語っていく。
男女の愛憎を絡めたドラマには赤、女の美しさを描いたドラマには青、というように色をつかってそれぞれのドラマを演出した、美しいスクリーンに見入ってしまった。
とくに、紅葉した葉が舞い散る中、マギー・チャンとチャンツィーイーが戦うシーンは圧巻。
イーモウ監督は、コン・リーと別れてから、アイドルのプロモーション・ビデオみたいな映画ばかりだったので、あまり期待してなかったのだが、この映画は気に入った。
マギー・チャンはいくつになっても美しい。
チャン・ツィーイーって誰かに似てる、と思ったら「大地の子」に出てた永井真理子にそっくり!2003.8.28 参考CINEMA:「初恋のきた道」「グリーン・デスティニー」「ラバーズ」「至福のとき」
光の旅人 K−PAX
イアン・ソフトリー監督、ケヴィン・スペイシー、ジェフ・ブリッジス出演☆遠い星から来たという男が精神病院に収容された。担当した精神科医はその男に取り付かれ、彼の過去を追い始める。妄想患者と医者の関係を描いた名作といえば、ジョニー・デップ&マーロン・ブランドの「ドンファン」があるが、この映画も、宇宙人がこんな男だったらいいのに、と思わせるハート・ウォーミングないい話だった。2003.12.22
参考CINEMA:「鳩の翼」「バックビート」
ヒマラヤ杉に降る雪
スコット・ヒックス監督、イーサン・ホーク、工藤夕貴、鈴木杏、マックス・フォン・シドー出演☆太平洋戦争前後。ワシントン州の島に住む日系人と白人の青年の悲しい恋物語をひたすらくらーくえがいている。画面もくらくてよくわからなくて、話も過去にもどったり現代になったりとっちらかってて、わかりにくい映画だった。でも、工藤夕貴はなかなかの演技で、ぜんぜん違和感なかった。相変わらず、日本人の描き方が日本的ではなく中国的なのは辟易しましたが。イーサン・ホークって暗い青年役ばっかりだよね。たまにはコメディでもやったらいいのに。弁護士役のマックス・フォン・シドーは名演技でした。2000.11.24
ヒューゴ・プール
ロバート・ダウニー監督、アリッサ・ミラノ、ロバート・ダウニー・ジュニア、パトリック・テンプシー、マルコム・マクダウェル、ショーン・ペン出演☆カリフォルニアのプール清掃の女の子と、その家族、プール掃除先で出会うおかしな人たちとの交流を描いた作品。リンチ映画の雰囲気があって、楽しめた。みんなどこかへんで、両親もぶっとんでる。でも、一生懸命生きてるから、憎めない。アリッサ・ミラノがキュートだった。ロバート・ダウニー監督の作品を始めて見たけど、興味持った。2000.10.14
ヒューマン・ネイチャア
ミシェル・ゴンドリー監督、ティム・ロビンス、パトリシア・アークェット、リス・エバンス出演☆体毛の異常に濃い女と、自分は猿だと思い込んだ父親に育てられた野生エイプのパフ。そして、親にマナーを厳しくしつけられたことがトラウマになっている心理学者の3人を中心に、人間の本能をユーモアたっぷりに描いた作品。圧巻は、裸の猿人になっりきった男女の追いかけっこと、パフのセックス本能。人間はほーんと愚かな動物なのかも。2002.2.18 参考CINEMA:「エターナル・サンシャイン」
ピアニスト
ミヒャエル・ハネケ監督、イザベル・ユペール、ブノワ・マジメル、アニー・ジラルド出演☆異常な干渉魔の母親に育てられたピアノ教師の歪んだ性倒錯。そんな彼女に、若くてきれいな男が近づく。始めは拒否し、わざと無理難題をいっていた女だったが、いざ男が離れていきそうになると、なりふり構わず男にぶつかり、自分さえ傷つけようとする。毅然としていながら、欲望を押さえ切れない年増女の気持ちは、少なからず理解できる。あの母親の異常な干渉、それに対して、表面では反抗しながらも、母親から自立できないでいる女の葛藤が、スクリーンから痛いほど伝わってきた。それだけに、どんどんエスカレートしていく女の押さえ切れない性衝動は、怖いものがあった。2002.2.19
ピンポン
曽利文彦監督、宮藤官九郎脚本、松本大洋原作、窪塚洋介、ARATA、サム・リー、中村獅童、夏木マリ出演☆熱血漢の窪塚と冷静で白けたアラタが主役のスポ根ドラマ。「ばたあし金魚」に通じるものがあった。窪塚が主役みたいに扱われてたけど、物静かだけど卓球が強いアラタが主役だった。2003.9.15
ビーチ
ダニー・ボイル監督、レオナルド・ディカプリオ出演☆タイに旅行に出かけた青年が、楽園と呼ばれる島をみつけ、そこで暮らす世捨て人たちと共同生活をしていくうちに、人間の恐ろしさを目の当たりにする。ディカプリオ出演ということで、賛否両論だったけど、私は好きだ。70年代のヒッピーコミューンみたいなもので、祭りのあとのような刹那的な青春映画だった。
2001.7.13 参考CINEMA:「普通じゃない」
ヴィーナス・ビューティ
トニー・マーシャル監督、ナタリー・バイ、サミュエル・ル・ビアン、マティルド・セニエ、オドレイ・トトゥ出演☆フランス映画。けっこう話題になってたけど、意外に普通の映画。40歳で独身のエステではたらく女性の恋。なかなかいい男にめぐりあえなくて、行き当たりばったりでセックスしてる寂しい女に若い男が「一目ぼれ」。でも、いままでさんざんな目にあってきた女はなかなか男を信じられない。
同僚の恋も過剰に心配したりするが、迷いながらも男の気持ちを受け入れてハッピーエンド。舞台がエステというのがおもしろい。金持ちババアから、日焼けオタク、女狙いの男、などなど。いろんな女を凝縮してるのがよかった。2001.4.29
ビートニク
チャック・ワークマン監督、ジャック・ケルアック、アレン・ギンズバーグ、ウィリアム・バロウズ、ジョニー・デップ、デニス・ホッパー出演☆ビート世代といわれる芸術文学を作り出した3人の芸術家、ギンズバーグ、バロウズ、ケルアックを語るドキュメンタリー。
ドラッグ文学とも言われる3人の芸術世界を、デニス・リアリー、ジョニー・デップやデニス・ホッパーらが紹介していく。なんかよくわかんないけど中毒のように知らないうちに引き込まれる世界。理屈じゃなくて感性がすべての世界は私の苦手な分野なのだが、やっぱり彼らはなんかよくわかんないけどすごい。薬のようにジワジワきいてくるのです。2003.2.9
ビッグ・フィッシュ BIG FISH
ティム・バートン監督,ユアン・マクレガー,アルバート・フィニー,ビリー・クラダップ(「あの頃ペニーレインと」のロックミュージシャン役),ジェシカ・ラング,
ヘレナ・ボナム=カーター,スティーヴ・ブシェミ,ダニー・デヴィート出演☆父の死を前にした息子が、父から聞いた数々の信じられない出来事(ホラ話?)の真実の物語を探ろうとする。
父の話は誰が聞いても「おとぎ話」なんだけど、「うそでもホントでも、どうだっていいじゃない。彼の人生が幸せだったならば」と、最後には思ってしまうストーリー展開のうまさにアッパレ。ティム・バートン・マジックにしっかりかかってしまった。
脇役も芸達者ぞろい。なかでもジェシカ・ラング最高!年取ってもいい女で惚れ惚れした。あんな年のとり方したいものです。2005.2.6 参考CINEMA:「猿の惑星」「チャーリーとチョコレート工場」
ビッグ・リバー Big River
船橋敦監督、オダギリジョー,Kavi Raz, Chloe Snyder出演☆アメリカ西部をヒッチハイクする日本人の若者が、パキスタンからきた男の車に乗り合わせたことから、男の妻探しにつきあうことになる。
自分も一緒に旅している気分になれるロード・ムービーは、なるべく大画面で見るようにしているのだが、この映画も広い大地と空の映像がとても雄大で、旅人の気分を味わえた。
ストーリーは「幸福の黄色いハンカチ」と「パリ・テキサス」をミックスした感じで、正直、オリジナリティは感じられなかった。あと、ラストシーン、監督は一番気にいっていると言っていたが、私は、ジョーには一人で旅を続けてほしかったなあ。2005.10.10
第10回釜山国際映画祭にて
ビューティフル・ピープル
ジャスミン・ディズダー監督、ダニー・ナスバウム、エディン・ジャンジャーノヴィテ出演☆ロンドンに集まってきたバルカン半島の人々の悲哀を面白おかしく綴ったオムニバス。旧ユーゴのバスケット選手、隣に住んでいて戦争でいがみ合うようになったセルビア親爺とクロアチア親爺、敵にレイプされて身ごもってしまった若い女性などに、ロンドンで戦争など興味なく暮らしていた人々が知り合っていく。いろんな出逢いのパターンがあるんだけど、一番笑えるのが、薬中毒のサッカー好き青年。らりって、空港の荷物のなかで寝てしまったら、それは救援物資の中で、荷物と一緒に戦場に送り込まれてしまうっていう設定が圧巻。ただ、青年があっさりいい子になってしまったのが、ちょっと残念。もう一ひねりあるのが私好みなんだけどなあ。2002.6.23
ビューティフル・マインド
ロン・ハワード監督、ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー主演☆賛否両論ある映画だったので、どうかなあ、とは思ったけど、意外と感動した。天才数学者の手助けをしてくれた同部屋の親友の真実を知ったときはショックだった。見えないはずのものが見えるのは“精神病”と簡単に片づけてしまっていいのかなあ、という気もしたが、雑誌の切り抜きで埋め尽くされた仕事部屋を見たときはぞっとした。ラッセル・クロウの一人舞台、という映画。表情が暗い俳優なので、精神を病んだ役は適役なんだけど、あんまり天才数学者には見えなかった。ジェニファー・コネリーは子役時代の美しさ(「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」は最高!)が復活していた。参考CINEMA:「エドTV」「シンデレラマン」
ビヨンド・サイレンス
カロリーヌ・リンク監督、ハウイー・シーゴ、エマニュエル・ラボリ出演☆ドイツ映画。ろうあの両親の元でそだった娘がおばの影響でクラリネットに魅せられ、親が聞くことのできない音楽を志す。ろうあの人々を美化してないのが好感がもてた。ろうあの兄を持った妹の屈折した感情、よくわかるよ。音楽がテーマの映画はやっぱり好き。1999.10.21
フィツカラルド FITZCARRALDO ★★
ヴェルナー・ヘルツォーク監督、クラウス・キンスキー、クラウディア・カルディナーレ出演☆アマゾン川の奥地にオペラハウスを建てたいという夢をもつフィツカラルドが、先住民の支配するアマゾン上流へ挑む。
巨大なアマゾン川と蒸気船。流れる音楽はオペラ。それだけの映像なのだが見入ってしまった。
圧巻は船を山越えさせるシーン。フィツカラルドの熱い思いと先住民の知恵とパワーがひとつになって、ありえないことをやってのけてしまう奇跡に感動した。
フィツカラルドは監督そのものなんだろう。撮影は過酷ですさまじかったんだろうなあ。あらためて、ヘルツォーク監督は只者じゃない、と感心させられた。
「地獄の黙示録」と比較しても甲乙つけがたい傑作だ。大スクリーンでもう一回見てみたい。2005.5.29 参考CINEMA:「ノスフェラトゥ」「神に選ばれし無敵の男」「ワイルドブルー・ヨンダー」
ファースト・ドーター First Doughter
フォレスト・ウィテカー監督、ケイティ・ホームズ、マーク・ブルカス、マイケル・キートン出演☆大統領の娘がボディーガードと恋に落ちる青春ラブストーリー。むずがゆくなるような話だったけど、主演の二人が初々しくて、なかなかよかったです。お嬢様女優ケイティはトム・クルーズとのベタベタシーンで私生活ばかり有名になってます(下げマン女優?!)。それよりも、私は相手役のマーク君が気にいった!(ベン・アフに似てる)。監督F・ウィテカーってこんなかわいい映画作るのねー、ちょっとイメージ違うんですが…。アメリカではヒットしたらしいけど日本で公開するかは不明。2005.1.5
ファット・ライズ・ビニース
ロバート・ゼメキス監督、ハリソン・フォード、ミシェル・ファイファー出演☆暇な妻が家に幽霊がでると騒ぎ出したことで、知られざる夫の過去が浮き彫りになる。恐いっていってたけどそれほどでもなかった。ただ、やっぱりハリソン・フォードが犯人っていうのはびっくり。しかも、知能犯でもなんでもないただのずるい男っていうのがねえ。どうなんだろ。やっぱりスターはつまらん役をやるべきじゃないと思った 2001.5.3
フィフティ・フォー 54
マーク・クリストファー監督、ライアン・フィリップ、サルマ・ハエック、ネイヴ・キャンベル、マイク・マイヤーズ出演☆1970年代後半から'80年代にかけてニューヨークに実在した、ディスコ〈スタジオ54〉が舞台の青春ドラマ。
ニュージャージーに住むシェーンは話題のディスコ〈スタジオ54〉に憧れていた。同郷の女優が54にいる写真を見つけたシェーンは意を決しニューヨークに向かう。
「サタデーナイト・フィーバー」っぽい青春ドラマで楽しく見れた。若いうちは誰もがビッグになりたい、と願うんだけど、ビッグになるために捨てなければならないものもたくさんあるんだよねえ。そう、しみじみ思わせる映画だった。
マイク・マイヤーズはディスコの金満経営者にぴったりだった。
サルマ・ハエックがウィノナ・ライダーにそっくりだった。2003.12.18
フェイス・オフ
ジョン・ウー監督、ニコラス・ケイジ、J・トラボルタ出演☆刑事と悪党の顔が入れ替わる話。濃い二人の顔が入れ替わるので、あまり違和感がなかったけど、悪党の時と刑事の時の表情の違いをニコラスがうまく演じてたと思う。ただ、アクションシーンが多すぎ。あきちゃった。つい、早送りしてしまいました。1999.11.2
フォーン・ブース PHONE BOOTH
ジョエル・シューマカー監督、コリン・ファレル, キーファー・サザーランド出演☆超ナンパのPRマンが、好きな女への連絡に使っている公衆電話の電話を受けたことで命を狙われる。公衆電話に縛られてしまう、という設定がユニーク。今はみんな携帯使っているのに、そこをあえて公衆電話を舞台にした、というのが斬新でよかった。
ただ、話の展開はとてもありきたり。パート2ありますよって、感じのエンディングもテレビドラマなみの簡単さ。もうちょっと犯人との攻防でハラハラしたかった。2004.8.7 参考CINEMA:「8mm」「ベロニカ・ゲリン」「フローレス」
フローレス
ジョエル・シューマカー監督、ロバート・デニーロ出演☆脳卒中で倒れたもと警備員と、同じアパートに住むオカマの交流を描いたちょっと暗めのの人間ドラマ。オカマ映画好きとしては、けっこう評価が高い。やっぱり、オカマ役の役者のうまさが大切。あとは相手役だよねー。その点この映画は申し分なし。デニーロは、何か難しい役じゃないと、生き生きしない。今回は、脳卒中に挑戦!こういうジメっとした、オカマ映画もいいよね。
2001.8.13 参考CINEMA:「8mm」「ベロニカ・ゲリン」「フォーン・ブース」
フォルテ
ピーター・チェルソム監督、ウォーレン・ビーティー、ダイアン・キートン、ナスターシャ・キンスキー、ゴールディ・ホーン、アンディ・マクダウェル、(ダーマ)出演☆2年前、アメリカでCMガンガン流れてた作品。楽しみに待ってたのに、日本ではいつのまにビデオになったの?というぐらい話題にならず。往年のスターが勢揃いのライト・コメディ。
肩の力のぬけたウォーレンが女たちに翻弄される姿はなかなかかわいかった。やっぱり、ウォーレンは一生プレイボーイ役を貫いてほしいね。ウディ・アレン映画みたいな展開なのがある意味面白い。2003.4.4
普通じゃない
ダニー・ボイル監督、ユアン・マクレガー、キャメロン・ディアス、ホリー・ハンター、イアン・ホルム出演☆清掃夫と金持ち娘が恋に落ちることを命じられた二人の天使が、二人をくっつけようと奮闘する。ストーリーはありがち。けど、主役の二人がフレッシュでキュート。ちょっと代わったキュートなコメディだった。ホリー・ハンターの七変化ぶりがめだった。1999.7.29 参考CINEMA:「ビーチ」
フリーダ
ジュリー・テイモア監督、サルマ・ハエック、アルフレッド・モリナ,ジェフリー・ラッシュ,アシュレイ・ジャッド,アントニオ・バンデラス, エドワード・ノートン出演☆メキシコの女流画家、フリーダ・カーロの波乱の生涯を映画化。
画家としての人生よりも、身障者となったいきさつや、壁画家ディエゴ・リベラの妻としての生き様を中心に描いた正攻法の伝記作品だった。ところどころアニメーションなどを交えてはいたが、正直浮いていた。
ロシアの革命家トロツキーが亡命していたことなど、メキシコの現代史のことをほとんど知らなかったので、興味深くみれた。
フリーダ・カーロという人物は映画化されるに値するすばらしい画家だとは思う。
もっと彼女の内面や、アーチストとしてのサイドから深く描けば、傑作になっていたのかも。残念である。
正直言って、監督の力量のなさを感じた。(アルモドバルとは雲泥の差!)2003.9.27 参考CINEMA:「タイタス」
フロム・ヘル From Hell
アルバート・ヒューズ、アレン・ヒューズ監督、ジョニー・デップ、ヘザー・グラハム、イアン・ホルム出演☆1888年。ロンドンで起こった残忍な娼婦連続殺人事件「切り裂きジャック」を映画化。怪しげな町の雰囲気がよく作られていた。けど、殺人事件に関しては、前評判ほど怖くなかった。2002.6.30
フル・フロンタル FULL FRONTAL
スティーヴン・ソダーバーグ監督、デヴィッド・ドゥカヴニー、ジュリア・ロバーツ出演☆映画プロデューサー、ガスのパーティーに招かれる者や招かれない者たち、それぞれの一日を切り取った群像劇。誰か一人でも引き付けられるキャラがあったらよかったのだが…。ソダーバーグ監督の出世作「セックスと嘘とビデオテープ」に似た雰囲気の作品ではあるんだけど、正直退屈だった。2004.10.15 参考CINEMA:「トラフィック」
「エリン・ブロコビッチ」 「オーシャンズ11,12」「イギリスから来た男」
ファイナル・ファンタジー
坂口博信監督☆ゲームの映画化、ということで、とにかくCG映像が新鮮だった。こういった映画はみたことないので、人間みたいなハゲの博士のリアルさにはびっくり。ストーリーは、うーん……でしたが、私は、こういった映画は見慣れていないため、評価できないな。坂口監督は先輩&姉の同級生ということで、かなり、点数は甘いが、エールを送る意味で良しとしよう。2002.5.3
プレッジ
ショーン・ペン監督、ジャック・ニコルソン、ベニチオ・デル・トロ出演☆定年を迎えた刑事の最後の仕事はブロンドヘアの少女の惨殺事件。
すぐに容疑者が捕まるが、その男は知的障害のあるインディアンで、刑務所内で自殺をしてしまう。
事件は解決したようにみえたが、元刑事は真犯人は別にいると読み、事件のあった場所に移り住んで、一人捜査を続ける。
そこで、過去の事件で犠牲になった少女と同じような特徴をもつ少女とその母親に近づき、彼女をおとりに、真犯人を探そうとする。
仕事のことしか頭にない男が、定年後、未解決事件に取り付かれて、常軌を逸脱した捜査をしてしまう。
その元刑事の静かな狂気が恐ろしかった。
真犯人が気になって、ヒントを見つけるために2度見たんだけど…。
ショーン・ペンとニコルソンが組むと、かならずこういう粘着質の人間が主役になる。
ペン自身、かなりしつこい性格なんだろう。
ベニチオは言われないと気付かないけど、知的障害のインデイアンにみごとになりきってた。でも、すぐ死んでしまったので、もう少し、演技が見たかった。2003.5.10
プルーフ・オブ・ライフ
テイラー・ハックフォード監督、ラッセル・クロウ、メグ・ライアン出演☆南米ではたらくアメリカ人がら致され、身代金を要求される。妻は、交渉人と呼ばれる男に夫救出の助けを以来。男と妻は引かれ遭うが…。あまりにもわかりきった展開なんだけど、救出シーンはやっぱりハラハラした。これもラッセル・クロウの魅力によるものだろう。メグはやっぱりシリアスものは合わない気がした。怖さが出ないんだよね。あの顔はコメディ向き。それにしても夫役の役者の名前が覚えられないんだよねえ。しょっちゅう見かける脇役に要注目!2001.9.1 参考CINEMA:「レイ」
プロポーズ
ゲイリー・シニョール監督、クリス・オドネル、レニー・ゼルウィガー出演☆彼女に馬鹿なプロポーズをして怒らせてしまった男が、遺産を受け取る条件のために花嫁捜しに奔走するコメディ。単純でわかりやすくてテレビの2時間コメディみたい。彼女との関係がほとんど描かれていないので、花嫁捜しする間に出てきたさまざまな女達のほうが個性的でいい女にみえてしまった。もうちょっと彼女に魅力を持たせてもいいんじゃないかな。
2001.1.2
ブッチャー・ボーイ THE BUTCHER BOY
ニール・ジョーダン監督、イーモン・オーウェンズ、スティーヴン・レイ、フィオナ・ショウ出演
レビューはCINEMAの監督たち(N・ジョーダン)へ
ブラザーフッド BROTHERHOOD
カン・ジェギュ監督、チャン・ドンゴン、ウォンビン、イ・ウンジュ出演☆1950年。靴磨きで家計を支える兄が、強制的に徴兵されたひ弱な弟のために軍に入り、弟を除隊させるために、鬼となって勲章を得ようとする。
兄弟愛の強さにはじめは辟易したけど、ラストではしっかり感動させられた。
韓国ものってドラマでもそうなんだが、初めは「濃い人間関係」についていけないんだけど、見てるうちにその世界に引きずりこまれる。日本人に欠けてる“情熱”の虜になってしまうのだ。
兄が鬼軍曹となり、どんどん偉くなっていくところまでは、国威発揚映画かあ?って嫌な気分になったけど、ラストでは、そう思ってしまったことを反省した。
軍隊の訓練も受けてないひ弱な弟が、かっこよく敵を倒すシーンは、ウォンビンファンへのサービス?って感じだったけど、ドンゴンがかっこよかったので良しとしよう。
エンターテイメント映画ではあるんだけど、「同じ民族が憎みあうことの愚かさ」をしっかりと伝えていたところが好感を持てた。参考CINEMA:「JSA」「チング」
豚が井戸に落ちた日 THE DAY A PIG FELL INTO THE WELL
ホン・サンス監督、キム・ウイソン、イ・ウンギョン、チョ・ウンスク、パク・ジンソン、ソン・ガンホ出演☆美人妻と若い女を二股している売れない作家の悲劇を淡々と描いた作品。登場人物がみんなどこか疲れていて、けだるい雰囲気が漂っていた。変わった映画ではあるんだが、つい引き込まれてしまった。2004.9.23参考CINEMA:「女は男の未来だ」「テイル・オブ・シネマ」「浜辺の女」
ブラディ・サンデー BLOODY SUNDAY
ポール・グリーングラス監督、ジェームズ・ネスビット出演☆1972年1月30日、北アイルランドのデリーという町で、イギリス軍がカトリック系住民に発砲して多くの犠牲者を出した事件を、ドキュメンタリー・タッチで描いた作品。
ドラマチックな演出のかけらもないドキュメント風映像は深夜のテレビ画面では少々しんどかった。純粋なドキュメンタリーのほうが見やすかったかも。この手のドキュメンタリーは映画館で見たほうが臨場感があって感情移入しやすい。
日本公開できなかったのは当然といえるけど、どこかの硬派な映画祭とかで上映する価値はある。エンドロールで流れるU2の名曲「サンデー・ブラディ・サンデー」を聞くまで、ひたすら我慢の鑑賞でした。2005.12.27
参考CINEMA:「ユナイテッド93」
ブラック・ホーク・ダウン
リドリー・スコット監督、サム・シェパード、トム・サイズモア出演☆これは「生死をかけた同志愛を描いた名作だ」と、どっかのアホ評論家がほめてたが、見ていてむかつく映画だった。男の友情を描くなら、ソマリアの人々を虫けらのように描く必要はないはずだ。まるでゲームのように戦う姿を、若い人はどう見たんだろう。
捕虜になった軍人に、ソマリア人の幹部が「将軍を殺したらこの戦いが終わると思ったら大間違いだ」と言うシーンだけが印象に残った。まさに今のイラクの姿を暗示している台詞だった。2004.2.24 参考CINEMA:「レッド・ドラゴン」
「キングダム・オブ・ヘブン」 「グラディエイター」「ハンニバル」「マッチスティック・メン」「グラディエイター」
ブラッド・ワーク
クリント・イーストウッド監督・出演、ジェフ・ダニエルズ、アンジェリカ・ヒューストン出演☆心臓移植によって生き延びたFBI捜査官が、自分がもらった心臓の持ち主を殺した犯人を捜す。謎解きは見ごたえがあって面白かったんだけど、役者から真犯人が予想できてしまったのが残念。テレビの2時間サスペンスみたいな作品だった。
2003.12.6 参考CINEMA:「スペース・カウボーイ」「ミリオンダラー・ベイビー」「ミスティック・リバー」
「目撃」 「硫黄島からの手紙」「父親たちの星条旗」
プランケッド&マクレーン
ジェイク・スコット監督、ロバート・カーライル、ジョニー・リー・ミラー、リブ・タイラー出演☆16世紀に紳士強盗と呼ばれた2人組の話。「明日に向かって撃て」を意識した映画なんだろうけど、画面が暗すぎて何だか良く分からなかった。映画館で見たかったかも。 2001.1.2
ブリジット・ジョーンズの日記
シャロン・マグアイア監督、レニー・セルヴィガー、ヒュー・グラント,コリン・ファース出演☆三十代女性の赤裸々な日常をコミカルに描いていたけど、テンポ良くて面白かったのは最初の15分だけだった。デブでブスで酒飲みヘビースモーカーのレニーを見て、世の30代独身女は自分の姿を垣間見たんだろうなあ。けど、しっかりもててるし、最後はハッピーエンドなんだもん。なあんだ。これなら「アリー」のほうが等身大だよなあ。というのが率直な感想。2002.5.24
ブルワーズ
ウォーレン・ビューティー監督・脚本・主演☆上院議員選挙に出馬した男が疲れからか、やけをおこしてか、自分を殺してくれと、殺し屋に以来。が、どうせ死ぬのだからと、胸のうちをぶちまけるうちに、生きる喜びを得、殺しの以来を辞めようとするが……。全編が政治家批判。
小気味よいラップで、ビティーが政治家を批判するんだけど、それが、熱演。見ていて疲れた。ビーティーは、才能あるし、好きな俳優だけど、ほんと、ビーティの一人舞台。ラスト、撃たれるのは予想してたし、黒人の女とのラブロマンスも、ビーティーらしい。様様。ただ、ただ、圧倒されました。2000.2.27
ブレア・ウィッチ・プロジェクト
ダニエル・マイリック監督、ヘザー・ドナヒュー、マイケル・C・ウィリアムズ出演☆あくまでもドキュメント・タッチ。謎の森で魔女の正体を撮影しようと3人の若者が侵入する。始めは遊び気分で強気だったのに、毎夜聞こえる声になやまされはじめ、発狂寸前に。そして、なぞの廃虚に忍び込んだ後、悲鳴のあとで、姿を消す…。全米で大ヒットしたらしいけど、作りはあくまでインディーズ。日本なら、これぐらい作ってる作家がいるかも。期待したほどではなかった。2000.10.1
ブロークダン・パレス ×
ジョナサン・カプラン監督、クレア・デインズ出演☆ タイに旅行に行った若い女の子2人が、旅先で親切にしてくれた男にはめられて、薬の運び屋のおとりとして逮捕されてしまう。刑期は死刑か33年。弱い女の子と強い女の子の精神的レズ映画。ラスト、強い女の子のほうが、弱い彼女のために罪をかぶるシーンは、びっくり。そこで始めて、これはレズ映画だとわかった。伏線も何もないんだの。これまた、最低映画。続けてへんな映画みてしまって、映画嫌いになりそう…。 友人のために罪をかぶってゆるされるキャラは「風の輝く朝に」のユンファだけです。2000.10.14
ブロークン・ハイウェイ
ジェームズ・ラピン監督、スティーブン・ドーフ、スーザン・サランドン出演☆ 銀行で強盗の人質になった中年女と気の優しい強盗犯の逃亡をコミカルに描いた作品。
コメディなのかドラマなのかがハンパだったけど、2人のうまい役者に助けられてた。
スーザンは何やってもうまい。ばかな女も強い女もどちらもさまになるのが、彼女のすごさですね。
ドーフ、やっぱりいい役者。今後も追い掛けていきたいです。2000.2.12
ブロウ
テッド・デミ監督、ニック・カサベテス脚本、ジョニー・デップ、レイ・リオッタ、ペネロペ・クルス出演☆60年代の麻薬ディーラー王の成功と転落。前半は乗りが良くて、いっちゃってるジョニーはよかったけど、転落のドラマはあまりにも普通でちょっともの足りなかった。脚本はカサベテスの息子(親と違って正統派だ)なので、やっぱり家族愛のドラマもしっかり入ってた。監督はこの作品のあと急死。若いのに惜しい。2001.9.20参考CINEMA:「アメリカン・ニューシネマ」
ブラザーズ・グリム THE BROTHERS GRIMM ★
テリー・ギリアム監督 レビューはCINEMAの監督たち(T・ギリアム)へ
ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ ★★★ 2002 MY BEST1 CINEMA
ジョン・キャメロン・ミッチェル監督・出演 マイケル・ピット、ミリアム・ショア、スティーヴン・トラスク出演☆東ベルリン生まれのドラッグ・クイーンが場末のバーで歌いまくるミュージカル仕立ての傑作。ヘドウィグが魅力的。若きスターに裏切られた悲しき運命をメソメソなくのではなく、男らしく歌にこめてしまう姿がたくましくもあり、また、涙もさそい、笑いもさそい……。うまくこの映画の良さを伝えられないのが悲しいんだけど、歌詞がとても個性的。笑い、涙、怒りがペーストされた詩にどんどん引き込まれてしまった。この映画、ビデオでなくスクリーンでみてほんとによかった。2002.7.26
ヘブン
トム・ティクヴァ監督、クシシュトフ・キエシロフスキー脚本、ケイト・ブランシェット出演☆イタリアに住むイギリス人教師が、亡き夫にドラッグを売っていた黒幕を殺そうと爆弾をしかける。ところが、その爆弾によって、罪のない人が死に、女教師はテロリストとみなされてしまう。彼女の教え子の兄である憲兵は、その教師に恋をし、逃亡の手助けをする。
若くて純粋な青年と、気高い罪人の愛の逃避行は、確かに美しいのだが、その純粋な世界にどうしても入り込めなかった。青年の父や友人たちはみんないい人なのに、それに対して二人はなんて身勝手なんだ…と思ってしまった。たぶん、分かる人にはわかる映画なんでしょう。
ヘンリー・フール
ハル・ハートリー監督、トーマス・ジェイ・ライアン出演☆しがない工員の家へ、作家だというヘンリーが間借りする。ヘンリーに詩を書け、とすすめられた男は卑猥な詩を書き、マスコミの的に。が、それが逆に話題をよび、評価される。一方、ヘンリーの身元が明らかに。小説家というのは嘘、工員の姉と母親にも手をだし、金をそこらじゅうから借りてる前科者だった。けど、はたして芸術は何が真なんだろう?と思わせる。ヘンリーのような人って世の中にいっぱいいるんだろうなあ。評価された者とそうでない者の境界は紙一重なんだろうなあ。そんなことを考えさせられた映画だった。2001.4.20
北京ヴァイオリン
チェン・カイコー監督・出演、タン・ユン、リウ・ペイチー出演☆田舎もんの父親が天才バイオリニストの息子にいい教師をつけさせるため、慣れない都会で奮闘する親子愛ドラマ。お父ちゃんがダサい帽子かぶって頑張る姿は、笑い涙を誘った。大御所チェン・カイコーにしては、めずらしいコミカルな人間ドラマだった。監督本人が、天才息子を独占しようとする音楽教師を演じていた。息子役の天才バイオリニストが、とりつかれたようにバイオリンを弾くシーンは見ごたえがあった。2004.5.4
参考CINEMA:「「プロミス」
ペッピーノの百歩 I CENTO PASSI
マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督、ルイジ・ロ・カーショ,ルイジ・マリア・ブッルアーノ,ルチア・サルド出演☆シチリアのチニシという町で、マフィアの親戚に囲まれて育ったペッピーノは、子供の頃、共産党員である画家の演説を聞き彼の元を訪れる。数年後、青年となったペッピーノは、新聞やラジオを使ってマフィアを激しく糾弾する反体制派の急先鋒となっていく。
マフィアが支配する特殊な場所で生まれ育った青年が、体制に屈することなく正義を貫き、壮絶な死を迎えるまでが、真摯かつストレートに描かれていた。実話らしいが、彼の殺され方も真実なのだろうか?だとしたらおそろしい世界だ。
「ゴッドファーザー」の三男マイケルと同世代の話なので、ダブらせながら見ていた。正義よりもファミリーの絆をとれば、彼はマイケルのように鬼となって生き続けたかもしれない。どちらがいいのかは、誰にもわからないけど。
「輝ける青春」よりも、さらに政治色の濃い真面目な映画。襟を正して見てたので少々疲れてしまった。2005.1.7 参考CINEMA:「輝ける青春」
ペパーミントキャンディ PEPPERMINT CANDY
イ・チャンドン監督、ソル・ギョング、キム・ヨジン、ムン・ソリ、パク・セボム、ソ・ジョン出演☆自暴自棄になった男が、死の間際で過去を振り返る。回想が、現代から近い順に戻っていくのが斬新だった。ひどい人間だった、と本人が思っているわりには、けっこう普通の人生。そんなに悪人じゃないのに罪の意識を持ちすぎてしまった悲しい男の末路。わかるようで、わからないようで…。ソル・ギョングは男前じゃないけど味があるいい役者だ。2005.5.7
ヴェラ・ドレイク VERA DRAKE
マイク・リー監督、イメルダ・スタウントン、フィル・デイヴィス、ピーター・ワイト出演☆50年代のイギリス。中絶が非合法だった時代に、望まない妊娠をした女性のために堕胎を手助けした中年女性の日常をリアルに描いた秀作。
平凡で温かい家庭生活を送る主婦。家政婦としてみんなに愛される女性。そんな彼女が「人助け」と信じて堕胎の手助けを繰り返す。後ろめたさが微塵も感じられない彼女の姿が異様に思えたが、あれこそが“リアル”なんだろう。何かが起こって始めて自分の罪に気づく。心の奥では犯罪と知っていても、「誰かのためになっている」という善意がそれを隠してしまう。
警察がやってきたときの主婦の凍りついた顔。あの表情に思わず涙してしまった。各映画祭の演技賞総なめもナットクの迫真の演技だった。日本でリメイクするなら市原悦子で決まり。ただしドラマだと大げさになりそうなので舞台が見たい。2005.11.6
参考CINEMA:「人生は時々晴れ」
ヴェロニカ・ゲリン VERONICA GUERIN
ジョエル・シューマカー監督、ケイト・ブランシェット、ジェラルド・マクソーリー、シアラン・ハインズ、ブレンダ・フリッカー出演☆1996年、ダブリンで実際におきた女性記者殺害事件を映画化。マフィアの脅しに屈せず取材を続ける女性記者を、ケイトが凛々しく演じていた。アイリッシュ・マフィア「ジェネラル」の映画を以前見ていたので、「正義の側から描くとこうなるのねえ」などと、冷静に見比べてしまった。映画の出来はいたって無難で面白くないんだけど、あんまり期待してなかったし、「実話」なのでよしとしよう。2005.6.12 参考CINEMA:「8mm」「フォーン・ブース」「フローレス」
ベッカムに恋して BEND IT LIKE BECKHAM
グリンダ・チャーダ(インド系女性)監督パーミンダ・ナーグラ、キーラ・ナイトレイ、ジョナサン・リス=メイヤーズ出演☆「ベッカムみたいになりたい」と夢見るサッカーが上手なインド系の女の子が、家族に反対されながらも、女子サッカーにのめり込むサクセス・ストーリー。イギリスってこういう青春ものがとっても上手。「リトル・ダンサー」の女の子版という感じ。インド系の家族(多分上流階級の金持ち。車はベンツだったし)が、現代とはずれた古風な価値観に縛られてるところが興味深かった。この手のコメディは本人たちの魅力はもちろん、脇のキャラが大切なのだが、ボーイッシュな女の子のママが、娘がレズだと勘違いしてアタフタする姿が笑えた。2004.4.11
ベニスで恋して
シルヴィオ・ソルディーニ監督、リーチャ・マリェッタ、ブルーノ・ガンツ、ジュゼッペ・バッティストン、マリーナ・マッシェローニ出演☆イタリア映画祭のパンフにイタリアで大ヒットした映画、とあったので借りてみた。
同じ監督でも「風の痛み」とはずいぶん違ってあったかいヒューマン・ドラマだった。
ドジな専業主婦が団体バス旅行中、サービスエリアに取り残され、ヒッチハイクで家に帰るはめに。
途中、訪れたことのないベニスに寄ることを思いつき、そこで第2の人生を謳歌する。
冴えない主婦だった中年女が花屋で仕事を見つけ、恋をしてどんどんキレイになっていく。
封建的な夫に縛られていた主婦のキャラがまるで、日本の主婦のよう。
イタリアは日本に似てると言われるが、この映画が大ヒットしたということは、やっぱり日本と価値観が似ているのかもしれない。
「私は何の価値もない」と思い込んでいたのは自分だけ。やれば何でもできるし、人を助けることも、愛することもできるのだ、などと、観客に夢と希望を与えてくれるやさしい映画だった。2003.5.11
参考CINEMA:「風の痛み」
ヴェニスの商人 THE MERCHANT OF VENICE
マイケル・ラドフォード監督、アル・パチーノ、ジェレミー・アイアンズ、ジョセフ・ファインズ、リン・コリンズ、ズレイカ・ロビンソン、クリス・マーシャル、チャーリー・コックス出演☆あまりに有名な「ベニスの商人」。でも、その背景まで詳しく知らなかったのでシェイクスピアのお勉強のために見てみた。16世紀には、ユダヤ人は差別され赤い帽子をかぶらないと外出できなかった、というナレーションを聞いて、ナチス時代のホシマークとダブらせてしまった。
ほんとはシャイロック、やな奴なんだけど、差別という背景と、アル・パチーノの演技がホントすっばらしくて、ついシャイロックに肩入れ。機知に富んだ妻とその夫たちの戯れのシーンは胸クソ悪くなりました。
アントーニオとバッサーニオの関係は、あれはただの友達じゃないでしょーが、って匂わせときながら、ナゾのままっていうのが消化不良。せっかくジェレミー・アイアンズを使ったんだかから、もっと二人の関係をエロチックに描いてほしかったなあ。残念。
「強欲な人の末路は惨めな人生」なんではあるけれど、強欲にならざるを得なかった当時の社会にこそ問題あり。という解釈が好みかな。
衣装&セット等、中世の感じがよく出ていて、なかなかの出来でした。2005.12.11
ベティ・サイズモア
ニール・ラビュート監督、レニー・セルビガー、モーガン・フリーマン、クリス・ロック出演☆田舎町のウエイトレスは、昼メロの大ファン。ある日、夫が殺され、そのショックから、現実とドラマの境がつかなくなり、ドラマの主人公を自分の初恋の人と勘違いしてしまう。憎めないストーカー女ベティをレニーが好演。コメディ女優としてしっかり地位を確立しただけあって、ぴったりのはまり役だった。ベティを追い掛けるうちに、ベティの写真に恋してしまう初老の殺し屋をモーガン・フリーマンが演じているが、こちらは普段みられないかわいい役でびっくり。息子役のクリス・ロックの馬鹿演技もなかなか好感が持てた。すごく楽しめたわけではないけど、かわいい映画だった。
ベルベッド・ゴールドマイン
トッド・ヘインズ監督、ジョナサン・リース・マイヤーズ、ユアン・マクレガー出演☆70年代にロック界を席巻したグラムロック。その世界でスターになった男の成功と挫折の物語を斬新な構成とビジュアルで見せた異色映画。70年に射殺事件を捏造し、総すかんを食って消えてしまったスターの消息を、そのスターのファンだった男が訪ねるという展開なんだけど、それがすごーくわかりにくいの。で、もう話を追うより、ミュージックビデオを見るみたいにしたらけっこう入れた。この手の映画はやっぱり暗闇で見ないと伝わらないと実感した。1999.9.6 「エデンより彼方に」
ホネツギマン THE NAKED MAN
J・トッド・アンダーソン監督・脚本、イーサン・コーエン共同脚本、マイケル・ラパポート、マイケル・ジェッター出演☆ コスプレ・レスラーとしてリングで戦うのが生きがいの生真面目な整体師が、家族を殺されたショックから街を暴れまわるB級コメディ。敵対するのがドラッグストアのチェーン店、という設定がユニーク。気持ちの悪い全身タイツで暴れまわる善人顔のホネツギマンと、エルビス・コスプレの悪人のリング上での対決があれば盛り上がったのになあ。残念。2005.7.31
ポーラX ××
レオス・カラックス監督、ギョーム・ドパルデュー、カトリーヌ・ドヌーブ出演☆有名な外交官の息子で新進作家が、自分の家族の知られざる過去を知り、破滅していく。ほとんど、真っ暗なシーンばかりで、目が疲れた。&台詞もほとんどなし。こんな苦痛は始めてだよ。芸術だかなんだか知らないけど、自己満足映画には我慢できない。2000.10.10
ポネット
ジャック・ドワイヨン監督、ヴィクトワール・ティヴィソル、マリー・トランティニャン出演☆交通事故で母を亡くした幼い女の子が母に会うために、奮闘する。ちょっと悲しいけどかわいいお話。
「禁じられた遊び」に始まり「マルセルの夏」などフランス映画の子供たちはほんと、かわいい。1999.7.21
ポロック POLLOCK
エド・ハリス監督・出演、マーシャ・ゲイ・ハーデン、エイミー・マディガン(エドの実妻。グッゲンハイム婦人役)出演☆40年代にNYの現代美術界で活躍した天才画家ジャクソン・ポロックの生涯を描いた作品。
エドは好きな俳優なんだけど、あんまりアーチスト役はあってない気がした。妻を演じたハーデンは七変化女優の鏡!作品によって印象が全く違う。「ミスティック・リバー」では間逆の役だったけど、こちらの気丈な妻もぴったりはまっていた。2004.5.20
参考CINEMA:「スターリングラード」
ぼくんち ★★
阪本順治監督、西原理恵子原作、観月ありさ、矢本悠馬、田中優貴、真木蔵人、鳳蘭ほか出演☆貧乏島で貧乏に暮らす兄弟のもとに若い姉が帰ってきた。兄の一太は、チンピラの使いっぱしりになり自立を目指し、次男の二太は、姉や近所の変人たちから、いろいろなことを学んでいく。
二太と友達のさおりちゃんが最高にかわいい!辛らつな台詞も面白くて、笑いっぱなしだった。
近所に住む大人たちもみんな“いっちゃってる”人ばかり。何が起こっても動じないたくましさは、クストリッツア映画に出てくるキャラを彷彿とさせた。なかでも、猫婆の葬式に数え切れないほどの子供が集まったシーンは最高!やっぱり阪本映画ファンはやめられないわ。2004.7.4 参考CINEMA:「顔」「KT」「この世の外へ」
ボーイズ・ドント・クライ
キンバリー・ピアース監督、ヒラリー・スワンク、クロエ・セヴィニー出演☆ある保守的な田舎町。男として生きるブランドンだったが、ある女と恋に落ちたことから、自分が女とばれてしまい、レイプされ、殺されてしまう。実話ということ。見ててつらかったけど、たしかに、ヒラリーは迫真の演技。TVドラマ「ビバヒル」の時(スティーブの子持ちの彼女役で1シーズンのみ出演)とは別人のようだった。
2001.2.4
ボーン・アイデンティティ ×
ダグ・リーマン監督、マット・デイモン,フランカ・ポテンテ,クリス・クーパー出演☆記憶をなくした殺し屋が、次々と襲いかかる敵に果敢に立ち向かう。
アクションもスト−リーも、相手役の女優も、すべてが中途半端な感じ。マット・デイモンは嫌いじゃないが、もうちょっと作品選んだほうがいいのでは?
とってもボーリングなムービーでした。2004.1.25
ボーン・コレクター
フィリップ・ノイス監督、デンゼル・ワシントン、アンジェリーナ・ジョリー出演☆ 肩から上と2本の指しかうごかない元刑事&犯罪小説家が、若い女刑事とコンビで怪奇事件を解決する。これは、小説がベストセラーということだけど、きっと小説の方がおもしろんだろうな。犯人を匂わせる映像が何回かあるんだけど、それがやり過ぎ。
いかにも犯人、みたいな写し方してる上司なんて、おとりだっていうのみえみえだし。犯人なんて出さなきゃいいのに。へんな見せかたするから、恐怖が半減してるよ。トリックもとくに新しさは感じなかった。私は、「羊たちの沈黙」や「シークレット・サービス」「スピード」のように、犯人の不気味さを全面に出すミステリーが好きだな、と思った。ラスト、ピーターの「ドント・ギブ・アップ」が妙に泣けてきたのは映画とはまったく関係のない感激でした。2000.5.1
参考CINEMA:「裸足の1500マイル」「愛の落日」
ボウリング・フォー・コロンバイン
マイケル・ムーア監督・出演☆アカデミーのドキュメンタリー賞を受賞し、スピーチで堂々と反戦&ブッシュ批判をして拍手喝さい&ブーイングの嵐となった話題作。コロンバイン高校で起こった少年たちの乱射事件について取材し、なぜアメリカでは銃犯罪がこんなにも多いのか、ということを独自の視点で検証していく。
乱射事件が起こると、直後にライフル協会会長のチャールトン・ヘストンがその都市で会合を開くのはなぜ??と、しつこく追っかける姿がおかしかった。
見ているうちにチャールトン・ヘストンとムーアの間に友情みたいなものを感じてしまったのは私だけだろうか?
「ベン・ハー」役者のよれよれの後ろ姿に哀愁を感じ、彼は実はライフル協会の会長なんてほんとはやりたくない、担がれただけなのでは??と勘ぐったりしてしまった。
そうでなきゃ、取材に応じることも、みんなから非難されるとわかっているような会合も開かないのでは?
いずれにしても、銃社会をよしとする民はどっか狂っちゃっているんだろう。
防衛しないとやられる、という発想が世界共通になっているけど、ほんとにそうかな?
イラク戦争始まったときは「日本も軍隊持たないといつまでもアメリカのいいなりだ!」と過激に思ったりしたけど、考え改めた。
やっぱり、ガンジーのように「非暴力抵抗」を貫くべきなのでは?
などなど、いろいろ思うことはあるが、日々、忘れてしまうんだろうなあ。
だから、せめてムーアの映画を見たあとぐらいは政治的発言しようと思います。2003.5.3 参考CINEMA:「華氏911」
僕のスウィング SWING
トニー・ガトリフ監督、オスカー・コップ、ルー・レッシュ出演☆ロマ(ジプシー)の少女スイングとフランス人少年マックスのひと夏の交流を描いたヒューマンドラマ。ガトリフ監督が拘りつづけるジプシー音楽と踊りがたっぷり盛り込まれていて、音楽映画として楽しめた。少年少女の淡い恋物語は永遠のワンパターンではあるけど、何度見ても気持ちがとっても暖かくなります。2006.1.15
参考CINEMA:「愛より強い旅」「ラッチョ・ドローム」
僕たちのアナ・バナナ
エドワード・ノートン監督、ベン・スティーラー、エドワード・ノートン、ダーマ役の女優、アン・バンクロフト、ミロシュ・フォアマン出演☆NY。ユダヤ教のラビとカソリックの神父が大の親友という設定がおもしろい。ダーマのほかの演技も始めてみたけど、オーバーアクションはダーマだった。どうってことないラブ・コメなんだけど、役者と台詞がおもしろくて、久しぶりに楽しい気分にさせられた。
2001.1.2 参考CINEMA:「25時」「レッド・ドラゴン」