気まぐれCINEMAレビュー BackNumber
1999〜2005年
【サ行】
過去の「気まぐれCINEMAレビュー」をまとめました。満足度は★で、がっかり度は×で評価しました。
五十音順にタイトルが並んでいます。
データベースとしてご活用下さい。
【過去の年間BEST3】 BackNumber CINE LATINO (2007年〜 中南米映画 日本未公開版 2007年〜 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 1999〜2005年 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ジ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 |
サイドウェイ SIDEWAYS ★★
アレクサンダー・ペイン監督、ポール・ジアマッティ、トーマス・ヘイデン・チャーチ、ヴァージニア・マドセン、サンドラ・オー出演☆ワイン通の英語教師は、二流俳優の友人を誘ってワインセラーを巡る旅に出かける。女と寝ることだけしか興味のない俳優と、離婚の痛手から立ち直れないグズ男の凸凹コンビが絶妙。まったく正反対の性格なんだけどお互いかけがえのない友人なんだよねー。
オタッキーで臆病で、自分を解放できないグズ男のグズグズ感に感情移入してしまった。
元妻から「妊娠してるの」と告白された後、10年後に飲もうと約束していたプレミア・ワインをファーストフード店で隠れるようにして飲むグズ男。。。愚かで惨めだけど、気持ちが痛いほど伝わってきて泣けた。アメリカ映画って、エンターテイメント性の強いハリウッド映画ばかり注目されがちだけど、こういう小品もきちんと評価しているんだよね。
余談だけど、ジアマッティ、役にはまりすぎ。ずる賢い役とかも、たまには見てみたいもんだ。2005.7.23 参考CINEMA:「アバウト・シュミット」「ハイスクール白書」
(2004年 アメリカ/ハンガリー 130分)
ボジョレー・ヌーヴォー解禁となった秋にふさわしい映画を1本ご紹介します。
ワイン通の英語教師マイルスは、友人のジャックを誘ってカリフォルニアのワイナリーを巡る旅に出かける。二流俳優のジャックは結婚前のバチェラー・パーティ気分で女性の尻を追いかけることにしか興味がない。一方、マイルスは離婚の痛手から立ち直れず、旅先で出会った女性に対しても臆病になってしまう。
まったく性格の違う中年男が、喧嘩しながら旅を続ける姿が微笑ましく描かれています。ワインにはやたらと詳しいけど自分に自信が持てない女々しいマイルス。彼の姿に自分を投影して、背中を押してあげたくなる人も多いでしょう。派手な演出はありませんが、熟成されたワインのようにジワジワと心にしみてくる極上の逸品です。(A新聞 [週末のこの1本] 2005.11.19 掲載コラム)
殺人の追憶 MEMORIES OF MURDER ★★★
ポン・ジュノ監督、ソン・ガンホ、キム・サンギョン、パク・ヘイル、パク・ヒョンギュ出演☆80年代後半から6年間に10人の犠牲者を出しながら迷宮入りしてしまった連続猟奇殺人事件を基にしたサスペンス。前半は、地元の刑事2人組の凸凹コンビぶりに笑わせてもらい、後半は、がらっと変わって、容疑者との真剣勝負に焦点が当てられている。
コミカルな部分とサスペンスが喧嘩しあわずに、うまくミックスされていて、2時間飽きずにたっぷり楽しめた。
ソン・ガンホ、顔でかいけど、さすがの演技にアッパレ。実話なだけに、涼しげな顔した容疑者へ、憎しみすら抱いてしまった。ほんとにこういう奴が今でもノウノウと生きてるんだ、と思うだけで恐ろしくなった。奇をてらったところはないけど、見ごたえのある正統派サスペンスだった。2004.12.13 参考CINEMA:「ほえる犬はかまない」「グエムル」
最後の狼 The Wolf Returns
ク・ジャホン監督、ヤン・ドングン、ファン・ジョンミン出演☆都会でのきつい捜査に疲れきった刑事がムイ村というド田舎に赴任。村の派出所は、仕事がほとんどなく、元刑事は昼寝三昧の毎日。ところが、その派出所が閉鎖になると知った男は、大きな事件を画策する。
チンピラ顔の元刑事と素朴な巡査の凸凹コンビが、おきまりなキャラなんだけど可笑しかった。ネイティブの観客とも笑う場面がほぼ同じで、やっぱり同じアジア人だ、と親しみを感じた。アクションも笑いもB級ノリのコメディなんだけど、こういう軽い作品もたまにはいいね。2004.10.12 第9回釜山国際映画祭にて
サイダーハウス・ルール ★
ラッセ・ハルストム監督、ジョン・アービング脚色、トビー・マガアイア、マイケル・ケイン出演☆ 10年ごしの恋人にあった気分です。すごーく期待してしまったので、あれ?という感じはあったけど、原作とくらべなければとってもすてきな映画でした。堕胎、近親相姦、薬中毒、など出てくる事件はかなりハードだけど、子役使いの天才監督がとるとこんなにもハート・ウオーミングなヒューマンドラマになるんですね。まあ、原作はもっとコメディ色強いし、かなりあくも強いんだけど、それは置いといてありがとう、と言いたいです。
ただ一つ、ブスで淫乱な女の子にもうちょっと光を当ててほしかったかな。原作ではかなり強烈なキャラだったのでそれが、ちょっと残念だったかな。もう一度、原作、読んでみようかな。2000.7.13 参考CINEMA:「ショコラ」
サイン ××
ナイト・シャマラン監督、メル・ギブソン、ホアキン・フェニックス出演☆突然トウモロコシ畑を襲ったミステリーサークル。なぞの怪物と闘う家族の結束を描いたミステリー。メル様映画は見逃せない!、と思ったんだけど、怪物が弱くて貧弱。妻の死以来、牧師を辞め、神を信じられなくなった男が、最後の怪物との対決で、神の力を感じる、という人間の再起する姿を見せたかったのはわかるんだけど、トリックも何それ?という程度でひねりがないし、何よりもあの宇宙人はミステリーサークルを何のために作ってたのかもさっぱりわからず終い。目的わからず、あっさり消滅しちゃうのががっかりだった。期待はずれのため息が映画館中に漏れていた。2002.9.30 参考CINEMA:「シックス・センス」
サーズ・ウォー SARS War
タゥィワット・ワンタ監督、テップ・フォーナム出演☆人をゾンビにする新種のサーズ・ウィルスを間抜けなヒーローが退治するドタバタB級コメディ。くっだらない映画なんだけど笑えた。「ゼブラーマン」みたいな映画。香港の若者たちは、年中、ゲラゲラと笑っていた。香港の人って、基本的にB級のりのコメデイ映画が好きみたい。2005.4.5 第29回香港国際映画祭にて
スパイク・リー監督、ジョン・レグイザモ、ミラ・ソルビーノ出演☆1977年、ディスコブームでわくニューヨーク。ラテン系の夫婦の回りで連続殺人事件が勃発。犯人は「サムの息子」と名乗って無差別にカップルを惨殺していく。実際の事件らしいけど、友人を犯人扱いするばか者たちの、おろかな生活が、生き生きと描かれてた。説教臭くないスパイク・リーは久しぶり。衝撃はないけど、こういう日常を描くの上手いよ、やっぱり。 2001.1.13 参考CINEMA:「25時」「インサイド・マン」 サントラはこちら
猿の惑星
フランクリン・J・シャフナー監督、チャールトン・ヘストン出演☆急に思い出して見たくなったので借りたけど、ほぼ記憶通り。やっぱり、ラストを知ってると感動は半分だった。ところどころ矛盾とかがあって気になったけど、猿と人間が逆転してるという発想がすべてなのでそれは認めましょう。当時は衝撃だったよなあ。2001.3.18
猿の惑星(Planet of Apes)
ティム・バートン監督、マイケル・ウォールバーグ、ヘレナ・ボナム・カーター、ティム・ロス出演☆見事な特殊メーク。猿にも種類がいろいろで、一人一人表情が違うの。ヘレナとティムは気の毒なぐらい面影がなにも残っていないのがすごい。&出だしの宇宙映像が格好よかった。さすが!ティム・バートン。娯楽モノとしては、はずしてない楽しさがあった。それだけの作品だけどね。
2001.8.15 参考CINEMA:「ビッグ・フィッシュ」「チャーリーとチョコレート工場」
サンシャイン・ステイト SUNSHINE STATE
ジョン・セイルズ監督、アンジェラ・バセット、イーディ・ファルコ、ティモシー・ハットン、メアリー・スティーンバージェン出演☆フロリダにある田舎町の再開発を巡る騒動を描いた群像ドラマ。故郷に夫戻ってきたTVタレントは過去の清算をし、父の後を継ぎモーテルを経営する娘は、自由に生きたいという思いに揺れる。
住民のさまざまな事情はそれぞれ興味深かった。セイルズ監督お得意の群像ドラマなのだが、登場人物が多すぎるのと話があちこちに飛びすぎて、ちょっとついていけなかった。
2006.1.6 参考CINEMA:「カーサ・エスペランサ」「LIMBO最果ての地」
サン・ピエールの未亡人
パトリス・ルコント監督、ジュリエット・ビノシュ、エミール・クストリッツア、ダニエル・オートゥユ出演☆19世紀。パリから遠くはなれたサン・ピエール島で、一人の男が殺される。殺人犯はパリから届くギロチンを待って処刑されることになるが、役人の妻で奔放な女が囚人を庭師として雇うことになる。囚人は、町の人のために尽くすうちに町のヒーローになっていき、処刑に非難の目が浴びせられる。妻を思う役人は、自ら上司に背き、反乱罪として処刑され、結局、囚人も処刑されてしまう。という、ちょっと悲しいけどいいお話。クストリッツアの演技は始めてみたけど、さすが、存在感あり。奔放な妻を持った夫の態度に惚れた。これぞ男だ。2001.1.2
北野武監督・脚本・主演、浅野忠信、夏川結衣、大楠道代、橘大五郎、ガダルカナル・タカ、岸部一徳、石倉三郎、柄本明ほか出演☆盲目の按摩・座頭市が悪人相手にカッコよく立ち回るエンターテイメント。楽しかった!かっこよかった!パート2やってほしい。2004.6.16 参考CINEMA:「菊次郎の夏」「TAKESHI'S」
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シンプル・プラン ★★★2000 My Best1 CINEMA
サム・ライミ監督、ビル・バクストン、ビリー・ボブ・ソーントン、ブリジット・フォンダ出演☆雪深いアメリカのの田舎町。裕福とはいえない3人の男が、大金をみつけたことで、人生を狂わせていく。徐々に、金への欲望が増す人間の嫌な部分をジワジワみせつけられた。
生活保護を受けているだめな兄が、父親の夢を継ぎたい、金が入れば女にもてるかも、そして、もう嘘を付くのは嫌だといって弟に殺してくれと頼む。その心の変化が痛く感じた。なんてことはない話なんだけど、見ごたえがあった。2000.2.27
参考CINEMA:「スパイダーマン」
春夏秋冬そして春 SPRING, SUMMER, FALL, WINTER... AND SPRING ★★
キム・ギドク監督・出演、オ・ヨンス、キム・ジョンホ、ソ・ジェギョン、キム・ヨンミン出演
レビューはCINEMAの監督たち(K・ギドク)へ
シークレット ウインドウ SECRET WINDOW
デヴィッド・コープ監督、スティーヴン・キング原作、ジョニー・デップ、ジョン・タートゥーロ、マリア・ベロ、ティモシー・ハットン出演☆湖畔の別荘で執筆中の作家が、小説を盗作したという男に付きまとわれる。「ミザリー」と「シャイニング」をくっつけたようなありがちなミステリーで、映画の出来も2作にはるかに及ばず。ジョニーの狂った演技、もうちょっと見たかったなあ。音楽もありきたりで、つまらなかった。2005.8.27
シーズン・チケット
マーク・ハーマン監督、クリス・ベアッティ、ロイ・ハッド、グレッグ・マクレーン出演☆イギリスの田舎町。最低の父親を持つ少年と、両親のいないデブの少年が、大好きなサッカーのシーズンチケットを手に入れるために奔走する。少年たちの回りには、だめな大人のお手本だらけ。学校に行っては教師に怒鳴られ、友達に無視され、家に帰れば父親が金のムシンにやってくる。かなり辛い状況なんだが、そんな回りに負けないで、チケットのために悪さをするそのいちずさが胸をうった。バツとして課せられたボランティア先で、サッカーの試合を見られる特等席をゲットするというラストに、心から「よかったねえ」と、言いたくなった。2002.2.25 参考CINEMA:「リトル・ボイス」
幸せになるためのイタリア語講座 ITALIAN FOR BEGINNERS
ロネ・シェルフィグ監督、アンダース・W・ベアテルセン、ピーター・ガンツェラー出演☆ちょっと不幸な人たちが少しだけ幸せになるデンマークのヒューマン・ストーリー。
病気の親を抱えた独身女の孤独感、仕事がうまくいかない男の苛立ち、などなど、国が違えど庶民が抱えている問題は同じなんだよねえ。女性監督らしく、細かいしぐさにも気を配った良質の群像映画だった。2005.2.5
シカゴ CHICAGO
ロブ・マーシャル監督、レニー・ゼルウィガー、クィーン・ラティーファ、キャサリン・ゼタ・ジョーンズ、ジョン・C・ライリー、リチャード・ギア出演☆2003年のアカデミー受賞作品ということで、ちょっとは期待して見に行ったんだけど、やっぱり受け付けなかった。
大団円の悪女2人の歌&ダンスは楽しめたけど、途中飽きてしまって、早く終わってくれないかなあ、と思いながら見てた。
ミュージカルは生の舞台じゃないとやっぱりつまらない。「ヒューヒュー」言いながら拍手喝さいするのがミュージカルの醍醐味!
そうは言っても、昨年の「ムーランルージュ」とか、「オー、ブラザー」とか毛色の違ったミュージカル仕立ての映画は楽しめたので、「シカゴ」もひょっとしたら受け付けるかなあ、と思ったんだけど…。工夫は感じられたけど、やっぱり舞台用の作品だと思った。
アカデミー賞がますます信じられなくなった。
ただ一つ、ゼタ・ジョーンズのスタイルと踊り&歌にはびっくりだった。彼女は、シャンプーのCMに出てたし、セレブの旦那に引っ張られただけのダイコン役者だと思ってたもので。人を見かけて判断しちゃいけないと反省した。2003.4.22
参考CINEMA:「SAYURI」
シティ・オブ・ゴッド City of God ★
フェルナンド・メイレレス監督、パウロ・リンス原作、アレシャンドレ・ロドリゲス出演☆1970年代。リオの貧民街「神の街」を舞台に若者たちの抗争を容赦なく描いた問題作。人を殺すことが日常になってしまった若者、大切な人を殺され復讐のためにギャングとなっていく若者など、見ていてやりきれなくなった。「神の街」というのは「神からの救いのない街」という皮肉をこめた名前なのだろう。ラスト、リトル・ゼが子供たちに無残に殺されるシーンは涙も出ないぐらいの絶望を感じた。戦争の話題が耐えなかった2003年のラストを飾るにふさわしい作品だった。2003.12.31 参考CINEMA:「モロ・ノ・ブラジル」「ナイロビの蜂」
60セカンズ
ドミニク・セナ監督、ニコラス・ケイジ、アンジェリーナ・ジョリー、ロバート・デユバル出演☆LAの自動車泥棒の話。つまんなかった。車が好きな人はたのしいのかもしれないけどね。アンジェリーナ・ジョリーもドュバルも、もったいないぐらいつまんない役だった。2001.5.3
シックス・センス
M・ナイト・シャマラン監督、ブルース・ウィリス,ハーレイ・ジョエル・オスメント,トニ・コレット出演☆ある一人の著名な精神科医が元患者に撃たれる。男は、1年後、ある少年の治療に出かける。少年はいつもなにかに脅えている。ある日、少年は自分には幽霊が見えると言い出す。壊れ掛けそうな少年をどうやって救ったか、わすれたけど、実はその医師が幽霊だったというエンディングはなーるほどー、うまい!と感心した。この映画はすべてこのからくりにつきる。あとは、意外とシンプルだった。2000.11.19
参考CINEMA:「サイン」
シャーク・テイル SHARK TALE
ビボ・バージェロン監督、ウィル・スミス、ロバート・デ・ニーロ、レネー・ゼルウィガー、ジャック・ブラック、アンジェリーナ・ジョリー、マーティン・スコセッシ声の出演☆しょぼい小魚がひょんなことから凶暴なギャング鮫の長男を退治してしまったことから、ヒーローに祭り上げられるコメディ・アニメ。
魚たちの顔と俳優陣がそっくりで楽しめた。ストーリーはお決まりだけど、スピード感があって音楽もGOOD。ただ、日本の子供たちには受けるかなあ。大人のほうが楽しめるかも。2005.1.1
シャレード THE TRUTH ABOUT CHARLIE
ジョナサン・デミ監督、マーク・ウォールバーグ、タンディ・ニュートン、ティム・ロビンス出演☆O・ヘプバーン主演映画のリメイク。豪華キャスト&有名監督の作品なのになぜか日本未公開。ヘプバーン版と比較したら比べ物にならない出来ではあるが、日本未公開はちょっと解せない。ちっともインテリに見えないマイキーが実は…、っていうのが意外性があってよかった。切手を巡ってパリの街を追いかけっこするシーンは楽しめた。せっかく悪役にティムを起用したんだから、もっと不気味さを演出してもよかった気がする。デミ監督にしては、面白みのないサスペンスだった。注)クレジットタイトルが終わるまで席を立たないで下さい。2005.11.20
シャーロット・グレイ
ジリアン・アームストロング監督、ケイト・ブランシェット、ビリー・クラダップ出演☆いたって普通のイギリス人女性が、ひょんなことからナチス占領下のフランスにスパイとして潜入し、過酷な現実を目の当たりにする。
ケイトはだんだん逞しくなっていく女性の役にぴったり。ユダヤの子供が捕まって連れて行かれるシーンはお決まりなんだけど、やっぱり泣けました。 2003.11.29
シュリ
カン・ジェギュ監督、ハン・ソッキュ、キム・ユンジン、チェ・ミンシク、ソン・ガンホ出演☆結婚前の恋人が、実は北朝鮮の秘密工作員の女と韓国の秘密警察官だった…。話はすごーくシンプル。でも、ピストルの撃ち合いは迫力あるし、北朝鮮と韓国の関係がリアルで、十分楽しめた。わかっちゃいるけど、ちょっと感動したよ、ラストは。ただ、主役の二人に今一つ魅力を感じないんだよねー。ともこの言ったようにハリウッド映画と比べてはいけないね。お国柄、リアリティがあるのがポイントです。2000.10.27 参考CINEMA:「ブラザーフッド」
シュレック
アンドリュー・アダムソン監督、マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィ、キャメロン・ディアス声の出演☆おとぎばなしをぱろったコメディアニメ。子供たちに大人気のロバは、大人がみてもナイスなキャラ。美女が偽りの姿で、本来の姿は醜い怪物だった、というラストは読めたけど、私好みのエンディングなので許そう。なんといっても、ロバにつきるね。2002.7.5
小説家を見つけたら ××
ガス・バンサント監督、ショーン・コネリー出演☆ブロンクスに住む黒人少年と謎の老作家の友情物語。貧しい暮らしの黒人少年には小説の才能があり、それを謎の作家が鍛えていく。話は、感動的でいいんだけど、「グッド・ウィル・ハンティング」と似過ぎ。バンサント監督、スランプ?同じネタで2本撮っちゃあいけないよ。ちょっとこれはいただけない駄作でした。2001.7.13
参考CINEMA:「エレファント」「グッドウィル・ハンティング」「ジェリー」
少林サッカー
チャウ・シンチー監督・出演☆笑えた。コッテコテのカンフー・コメディ。チャウ・シンチーって地味で感じのいいお兄ちゃんみたいなのでコメディ向きじゃないのでは?主演よりか、監督に徹したほうがいいんじゃないの?
仲間のサッカー部員たちのキャラのほうがケッサクだったし、顔も個性的。それと、コメディの割に、マドンナ(カレン・モク?)との2ショットシーンがやたらと多かったのが気になった。やっぱり監督兼ねてるからなのだろうね。2003.9.20
参考CINEMA:「カンフー・ハッスル」
ショコラ
ラッセ・ハルストム監督、ジュリエット・ビノシュ、ジョニー・デップ、レナ・オリン出演☆チョコレートを作る女が保守的な町にやってきたことで、平和にみえた町の生活が変わっていくメルヘンタッチのいいお話。町のひとたちがみんなキュート。だんなにいじめられてる女をレナ。オリンが熱演していて、さすが監督の妻。ただジョニーの役が今一つだったかなあ。 2001.5.1 参考CINEMA:「サイダーハウス・ルール」
処刑人
トロイ・ダフィー監督、ウィレム・デフォー、ショーン・パトリック・フラナリー出演☆悪人を退治する3人のチンピラの姿を軽妙に描いた作品。おばかなイタリアン・チンピラは死んでしまったけど、代わりに恐るべき伝説の殺し屋が一味に加わって、正義のために悪人を殺す、という結末がアニメっぽくて笑えた。この映画が若いゲーム世代に受けたのはわかる気がした。私は「タクシードライバー」世代なので、ついていけなかったが。 2001.12.30
ショッピング
ポール・アンダーソン監督、ジュード・ロウ出演☆イギリスの不良たちの無軌道な生きざま。ジュード・ロウがまだ若くて、美しさも粗野な感じで、初々しかった。監督は「マグノリア」のポール・トーマス・アンダーソン監督とは別人のようだ。どうりで作品の感じがまったく違うはずだ。2001.1.20
シルミド SILMIDO
カン・ウソク監督、アン・ソンギ、ソル・ギョング、ホ・ジュノ、チョン・ジェヨン出演☆1968年。北朝鮮による韓国大統領府襲撃未遂事件の報復として、韓国政府は死刑囚をシルミドに集め、金日成暗殺特殊部隊を結成する。隊員たちは過酷な訓練を乗り越え、ついに暗殺実行の日を迎えるが、突然、政府から作戦中止命令が下されてしまう。
荒くれ者が厳しい訓練を乗り越えるまでは、どこにでもある戦争映画で、正直飽きてしまったが、部隊の全員抹殺が命じられてからは、実話だけに緊迫感があった。
「オールイン」でビョンホンの相棒役をやっていたホ・ジュノが熱血兵士役を好演していた。2005.4.23 参考CINEMA:「ガン&トークス」
白いカラス THE HUMAN STAIN
ロバート・ベントン監督、 フィリップ・ロス原作、アンソニー・ホプキンス、ニコール・キッドマン、エド・ハリス、ゲイリー・シニーズ出演☆名門大学の学部長が黒人への人種差別発言をしたことで辞職に追い込まれる。妻も亡くし失意の教授は、生きる希望をなくした若い掃除婦と出会い、惹かれあうようになる。
心に傷を負った二人が、お互いの傷をなめあうように心を通わせていく過程が丁寧に描かれていた。二コールは珍しく汚れ役なんだけど、見事に演じていた。元夫役のエド・ハリスも別人のように化けてた。
自分の素性を隠し続ける道を選んだ教授の痛みがジワジワ心に染みてきて辛かった。芸達者を揃えただけあってクオリティは高い。
ただ一つ、安易な邦題「白いカラス」は、タイトルからすぐに「人種」のこととわかってしまうので、いただけない。もうちょっと工夫してほしかった。2005.3.21
白い花びら
アキ・カウリスマキ監督、カティ・オウティネン出演☆モノクロ・無声映画で話もとても古典的。でも、不幸そうな顔した女優カティ・オウティネン(常連「マッチ工場の女」「浮き雲」)の魅力についつい引き込まれてしまう。これぞカウリスマキ・マジック?不思議だなあ。2003.2.8
参考CINEMA:「過去のない男」
シン・レッド・ライン
テレンス・マリック監督、ショーン・ペン、ニック・ノルティ、ジョン・キューザック出演☆こんな戦争映画は始めて。詩的な台詞がいっぱい。で、ひたすら戦争の無意味さを訴えてる反戦映画だった。スターがたくさん出てるんだけど、みんな脇役で区別つかない。それがまた、監督と役者のこだわりって感じで、恐縮してしまった。映画館で見たかったな。エンターテイメントを否定した、という意味で画期的な映画だと思った。なので、これはアカデミー賞はとれませんね。1999.10.17 参考CINEMA:「地獄の逃避行」「ニュー・ワールド」
真珠の耳飾りの少女 GIRL WITH A PEARL EARRING
ピーター・ウェーバー監督、スカーレット・ヨハンソン、コリン・ファース、トム・ウィルキンソン、キリアン・マーフィ出演☆17世紀の名画「真珠の耳飾りの少女」誕生までの秘話を映画化。天才画家フェルメールと、モデルとなった若いメイドの感情の動きが、丁寧に描かれていた。言葉や身体での愛情表現はなくても、二人の見詰め合うシーンでは、心臓の高鳴りが伝わってくるような感覚を覚えた。上品な恋愛映画だ。
主演のヨハンソンの表情が絵画とまったく同じだったのに驚いた。美人ではないけど、あのなんともいえない危なっかしい表情が、男たちの恋心をくすぐるんだろうなあ。あらためて“絵になる”女優だ。
ただ、個人的には、メイドに嫉妬する妻に感情移入してしまった。同じ家の中で、メイドと夫が部屋にこもって…、なんて発狂したくなるだろうなあ。不幸な女に同情してしまうのは、もてない女の悲しいサガか…。2005.3.8
神話 Myth
スタンリー・トン監督、ジャッキー・チェン、キム・ヒソン、レオン・カーフェイ、チェ・ミンス出演☆ジャッキー扮する考古学者が、古代の戦士となって美しい姫を助ける夢を毎晩のように見ているうちに、過去へタイムスリップしてしまう歴史アクション映画。
久々にジャッキーの映画を鑑賞。アクション・シーンが期待していたより少なかったが、まあ、もうお年ですから仕方ないか。
でも、ベトベトくっつくベルト・コンベアの上で、敵と見方が入り乱れて戦うシーンは爆笑でした。あのシーンみられただけでも満足。
&最初の3分だけ出てきたチェ・ミンス、さすがに存在感あり。色男役が多かったレオン・カーフェイがすっかりおじさんになっていたのにもびっくり。2005.10.7
第10回釜山国際映画祭にて
下妻物語 ★
中島哲也監督、深田恭子、土屋アンナ、宮迫博之、篠原涼子、阿部サダヲ、岡田義徳、樹木希林ほか出演☆茨城の田舎町「下妻」に住むロリータ大好き少女と、ヒト昔古いヤンキー娘の友情をコミカルに描いたポップ・ムービー。テンポのよさとコミカルな台詞に爆笑しっぱなし。誰に聞いても買い物は「ジャスコ」っていうのが超リアル!土屋アンナのヤンキー演技もよかったし、ぶりっこ深キョンが最後に啖呵きるシーンも圧巻だった。2005.9.18
昭和歌謡大全集
篠原哲雄監督、村上龍原作、松田龍平、池内博之、安藤政信、樋口可南子、岸本加世子、森尾由美、鈴木砂羽、内田春菊出演☆普通の青年が、ちょっとイラついたという理由だけで人を刺し殺す。被害者女性のバツイチ仲間は復讐を企て、それをきっかけに青年たちと中年女の復讐合戦が始まる。
現実に、イラついた青年の通り魔殺人は増えてるし、テーマ的にはかなりシビアなんだけど、殺し合いにはまっていく姿がコミカルに描かれていて単純に楽しめた。復讐合戦と昭和歌謡っていう組み合わせも不思議な感じで気に入った。
舞台は調布。ずいぶん都会にはなったけど、見覚えのある建物や町並みが出てきて、なつかしかった。2005.7.24
ジーパーズ・クリーパーズ ×
ヴィクター・サルヴァ監督、F・F・コッポラ製作総指揮監督、ジーナ・フィリップス、ジャスティン・ロング出演☆二人の兄弟が田舎に帰る途中で、悪魔のような男に付けねらわれるロード・ホラー・ムービー。悪魔が人間じゃなくて本当の悪魔で、弟が最後、犠牲になるんだけど、それがなあんか、ただの恐怖映画にしてしまってつまらなかった。「激突」を期待していただけに残念。2002.7.10
ジェラシー
ニコラス・ローグ監督、テレサ・ラッセル、アート・ガーファンクル、ハーベイ・カイテル出演☆ファムファタール役がぴったりのテレサ・ラッセルの適役。女の奔放さにひかれ、おぼれてしまう精神科医が次第に女を敬遠するようになる。そして、自殺未遂をおこした彼女の部屋へいき、気を失った女を強姦する。事件と、二人の過去をオーバーラップっせながらすすむ映像構成がおもしかった。70年代のかっこよさがいっぱい。音楽、とくにオープニングのトム・ウェイツの曲が最高。2000.2.5
JSA JOINT SECURITY AREA ★
パク・チャヌク監督、ソン・ガンホ、イ・ビョンホン、イ・ヨンエ、キム・テウ出演☆38度線の共同警備区域(JSA)で起こった射殺事件を中立監督委員会の女性が調査するうちに、北と南の兵士の熱い友情が浮かび上がってくる。
同じ民族が国の都合で分断されてしまっている朝鮮半島ならではのヒューマンストーリー。毎日、38度線をはさんでにらみ合っているうちに、お互いに親しみを感じるようになるのはあり得ることなのかもしれない。辛い結末には、統一への思いがこめられている気がして胸が熱くなった。イ・ビョンホン熱は当分、覚めそうにありません。2004.7.31 参考CINEMA:「オールド・ボーイ」「親切なクムジャさん」「復讐者に憐れみを」
17歳の処方箋 IGBY GOES DOWN
バー・スティアーズ監督、キーラン・カルキン、クレア・デインズ、ジェフ・ゴールドブラム、ジャレッド・ハリス、ライアン・フィリップ、ビル・プルマン、スーザン・サランドン出演☆過干渉の母親と精神を病んだ父を持つ繊細な少年イグビーが、大人社会へ反抗しながら、成長していく青春ストーリー。
豪華キャスト陣にひかれてみてみたが、主演のカルキン君は存在感があってよかった。
しかし、マコーレによく似てるよなあ。子供時代を演じた子もそっくり。いったい何人のそっくり弟がいるのでしょうか。。。2005.8.20
16歳の合衆国 THE UNITED STATES OF LELAND
マシュー・ライアン・ホーグ監督、ライアン・ゴズリング、ドン・チードル、クリス・クライン、レナ・オリン、ケヴィン・スペイシー出演☆知的障害者の子供を殺した16歳の少年の心を探ろうとする教師と、周りの人々の苦悩を描いた問題作。
おとなしくて優秀な少年、エリートの親、顔見知りの知的障害児を惨殺。すべてがあの「酒鬼薔薇事件」と共通していたので、興味深く見れた。繊細すぎて、人の悲しみを人一倍感じ取ってしまったための犯行、という予想をしながらも、本当のところは誰もわからない。罪を犯した少年さえも「なぜ」殺ってしまったのかわからない。という結末はリアリティがあった。人間の心の奥は、複雑で計り知れないものなんだろうなあ。結論がないだけに、考えだすと眠れなくなりそうな深いテーマだ。2005.9.11
純愛中毒 ADDICTED
パク・ヨンフン監督、イ・ビョンホン、イ・ミヨン、イ・オル、パク・ソニョン出演☆兄夫婦と暮らすカーレーサーが、兄と同じ日に事故にあい、二人とも昏睡状態に陥ってしまう。1年後、レーサーは意識を取り戻すが、兄の魂が宿ってしまい…。苦悩するビョンホンが最高!それに尽きる。ビョンホンに一途に愛される兄嫁に嫉妬してしまった私も、かなり“ADDICTED”です。2004.12.5
情婦
アガサ・クリスティ原作、ビリー・ワイルダー監督、タイロン・パワー、マレーネ・ディードリッヒ出演☆ある金持ちの女性を殺した罪に問われた優男は、裁判で妻から裏切られる。ところが、その裏切りは実は男を救うために妻が仕組んだトリックで……。ディートリッヒのための映画、ともいえる迫力があった。どんでん返しストーリーはさすがアガサ・クリスティ。個人的にはなぞを解く弁護士と看護婦の漫才コンビがお気に入り。こちらもさすが、ビリー・ワイルダー。三谷幸喜の「古畑任三郎」作品は、ビリー・ワイルダーの影響をモロに受けていることがよくわかる映画だ。やっぱり私は、お決まりコテコテのギャグが好きなようだ。「刑事ナッシュ&ブリッジス」のジョン(チーチ・マリン)とナッシュ(ドン・ジョンソン)コンビ、ブルースブラザーズのダン・エイクロイド、ジム・ベルーシなどなど、わかっちゃいるけど笑っちゃうのがいい。2001.7.13
女王フアナ JUANA LA LOCA
ヴィセンテ・アランダ監督、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、ダニエレ・リオッティ、マニュエラ・アーキュリ、エロイ・アソリン、ジュリアーノ・ジェンマ出演☆スペイン女王イサベルの娘フアナ王女はハプスブルク家へ嫁ぐ。フアナは夫への愛情が強いあまり嫉妬に狂い、狂女として幽閉されてしまう。激しい愛情で夫の心をつなぎとめようとするフアナの姿は見ていて痛々しかった。歴史に名を残したぐらいだから、ほかにもっと、いろいろなドラマがあっただろうに、嫉妬に狂うやわな女の部分ばかりが強調されていたのが残念。2005.5.8
ジョンQ
ニック・カサベテス監督、デンゼル・ワシントン、ロバート・デュバル、レイ・リオッタ、ジェームズ・ウッズ、アン・ヘッシュ出演☆貧しくともやさしい父親が、息子の心臓移植のために、病院ジャックを企てる。
金のある奴は高額な手術と優秀な医者によって命拾いできる。なのに、保険に入っていない貧民層は死を受け入れることしかできないなんて…。そんなの間違っている!という、庶民の怒りが乗り移り、ジョンQはヒーローとなっていく。
悪役側の院長、医者、警察署長、すべてが最後には熱意にほだされて、あっさりジョンに協力したり、自殺しようとするジョンの拳銃の安全装置がかかってたり、奇跡的にドナーがみつかり、それが、ジョンの自殺を劇的に食い止めたり、などと「非現実的」なおきまりのドラマチックな設定には正直、鼻をつまみつつ、まさにはまり役!のデンゼルにしっかりと感情移入してしまいました。
デンゼル好きにはお薦めです。カサベテス監督は、偉大な父親のアングラ路線をまったく引き継がずに、ハートウォーミングストーリーテラーの道を進んでいるようだ。デビュー作は好きだったんだけど、最近、ちょっと泣かせようとしすぎだ。2002.11.24
参考CINEMA:「きみに読む物語」
人生は、時々晴れ ALL OR NOTHING
マイク・リー監督、ティモシー・スポール、レスリー・マンヴィル出演☆ロンドンの集合住宅に住む労働者家族の姿をリアルに描いた作品。本作も事前に脚本を用意せず、俳優の自然な演技を引き出したのだろう。家族が徐々に本音をさらけ出していく過程が見ごたえがあった。彼らはほんとに俳優なのだろうか?と疑いたくなるぐらいみんなやつれてて、かっこ悪かった。「俺をカスにあつかってる」って泣くダメ父ちゃんの気持ちが痛く感じた。2004.11.21 参考CINEMA:「ヴェラ・ドレイク」
スーパーサイズ・ミー SUPER SIZE ME
モーガン・スパーロック監督・出演☆ファーストフードを毎日3食食べ続けたらどうなるかを監督自ら実験台になってレポートする異色ドキュメンタリー。肥満の国アメリカならではの企画だとは思うけど、毎日毎日、同じようなインタビューが繰り返されるだけで正直退屈だった。2005.9.19
スーザンズ・プラン
ジョン・ランディス監督、ナスターシャ・キンスキー、ダン・エイクロイド出演☆ナスターシャ・キンスキーが太って、普通の女になっていたのに驚き。人は代わるものだね。いかにかっこうよく年取るか、考えないとなあ。ジョン・ランデイスももはや過去の監督なのかなあ。がっかりだ。2001.9.27
スーパーマン
リチャード・ドナー監督、クリストファー・リーヴ、マーロン・ブランド、ジーン・ハックマン出演☆スーパーマンと言えば、真面目な新聞記者がヒーローに変身するのも、というイメージしかなかったが、この映画を見て、スーパーマンの生い立ちがはじめてわかった。スーパーマンは実は宇宙人だったのよ。で、お父さんはマーロン・ブランドなのよ。ちょっと退屈な映画ではあったけど、70年代の宇宙モノの雰囲気がよく出ていた。2002.4.20
スクール・オブ・ロック THE SCHOOL OF ROCK ★
リチャード・リンクレイター監督,ジャック・ブラック,ジョーン・キューザック出演☆ロックスターへの夢を捨てきれない太めの中年男が、エリート小学校の教員になりすまし、生徒にロックを教えてバンドコンテストに挑戦しようと画策する。
ツェッペリンはもちろん、AC/DC,スティービー・ニックスなど懐かしい名前がたくさん出てきて、学生時代に戻ったような気分になった。
ギターの腕は最高なのに親のいいなりになっている少年や、高慢チキな仕切り屋、歌が好きなのに自信がもてない黒人少女などが、ニセ教師に巻き込まれているうちに自信を取り戻していく過程も、説教くさくなくて私好み。
ジャック・ブラック最高!楽しみたい、夢を実現したいっていうパワーだけでつっ走るロック野郎が見事にはまっていた。J・ブラックのバンド「テネイシャス
D」の生演奏が聞いてみたい。2004.11.3 参考CINEMA:「テープ」
スコア
フランク・オズ監督、ロバート・デ・ニーロ、エドワード・ノートン、マーロン・ブランド出演☆引退を考えている金庫破りに、破格の強盗話が舞い込む。若くて血気盛んな男とちょっと疲れた強盗コンビが絶妙。そして、完全におちぶれた老人役のM・ブランドも魅力的。3世代の演技派が「どうだ」!という演技を見せつけてくれた。話はお決まりでどおってことないんだけどねえ。「まだまだ若いもんにゃあ、負けないよ」というデニーロのにやけ顔は圧巻だった。2001.10.1 参考CINEMA:「イン&アウト」「ステップフォード・ワイブ」
スコルピオンの恋まじない THE CURSE OF THE JADE SCORPION
ウディ・アレン・出演、ヘレン・ハント、シャーリーズ・セロン、ダン・エイクロイド出演☆40年代のNY。保険会社に勤務する男女が、インチキ魔術師に催眠術をかけられ犯罪を重ねていく。嫌いな話じゃないんだけど、ウディ映画にしては毒が足りず。ヘレン・ハントってよく使われるけど、いつみても同じ演技。年の割りに老けた役ばかりやってるし、ちっとも魅力を感じない。2005.3.20
参考CINEMA:「おいしい生活」「セレブリティ」「ギター弾きの恋」「さよなら、さよならハリウッド」「マッチポイント」
スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃 STAR WARS: EPISODE U
ジョージ・ルーカス監督、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、イアン・マクディアミッド 、ペルニラ・アウグスト、サミュエル・L・ジャクソン、クリストファー・リー出演☆「エピソード1」から10年後の世界を舞台にしたシリーズ続編。まったく楽しめなかったけど、エピソード3は期待できそうなので、劇場に見に行くかなあ。2005.5.22 参考CINEMA:「THX」
スター・ウォーズ エピソード3/シスの復讐 STAR WARS: EPISODE III - REVENGE OF THE SITH ★
ジョージ・ルーカス監督、ユアン・マクレガー、ナタリー・ポートマン、ヘイデン・クリステンセン、イアン・マクディアミッド、サミュエル・L・ジャクソン出演☆ルーカスの半生をかけた「スター・ウォーズ」シリーズ最終作。エピソード1,2は苦手だったので、期待してなかったけど、さすが何十年もかけて作られたシリーズだけにルーカスの魂を感じた。
正直、SFXの戦闘シーンが続く最初の15分は退屈だったけど、アナキンが暗黒面に落ちていくまでの心の揺れも丁寧に描かれていたし、オビワンとアナキンの師弟対決や、パドメとアナキンの関係などなど、ドラマ的要素も見所いっぱい。結末はわかってるのに、つい「アナキン、まだ間に合う!目を覚まして!」と心の中で叫んでしまいました。
家に帰ってさっそく「エピソード4」を見直してみた。話の辻褄はあうのだが、SFXが手作り風なのと、ストーリーが単純明快なので、3とのつながりには正直違和感を覚えた。
ルーカス監督は天賦の才能をこのシリーズのためだけに使ってしまったのねー。もったいなーい。もっとたくさん撮ってほしかったな、と思ったのは私だけでしょーか。2005.9.16
スターリングラード
ジャン・ジャック・アノー監督、ジュード・ロウ、レイフ・ファインズ、レイチェル・ワイズ、エド・ハリス出演☆ロシアとドイツの戦場となったスターリングラードで活躍した名狙撃手の生きざまをドラマチックに描いた作品。最初、船で到着したとき目にする地獄絵のようなスターリングラードが一気に私を戦場に連れて行ってくれた。やっぱり圧巻はバシリとドイツの名狙撃手(エド)の戦い。
女を巡る三角関係はちょっと余計に感じた。最後のハッピーエンドも納得いかないけど、実話らしいから仕方ないか。銃の覗き穴から相手を探すシーンは、ホント、ついつい息をとめて見てしまった。最初はちょっとタルかったけど、なかなかの力作でした。2001.1.2
ストゥーピッド・イン・NY Stupid in NY
マーチン・スコセッシ製作 マシュー・ハリソン監督、ジェームズ・ウッズ、リリ・テイラー出演☆NYで暮らす繊細な青年が、やくざな叔父、友人に翻弄されるちょっと風変わりなストーリー。みんなどっかいっちゃってる、という設定は好きなんだけど、キャラが中途半端だから、B級映画の域を超えられない。惜しい作品。2002.6.23
ストーリー・テリング STORYTELLING
トッド・ソロンズ監督、セルマ・ブレア、ジョン・グッドマン、ポール・ジアマッティ、マーク・ウェバー出演☆冴えない映画作家が、無気力な高校生スクービーを主役にドキュメンタリーをとることを思いつく。スクービーの家族は一見、裕福なファミリーなのだが、みんなどこか歪んでいて…。「アメリカン・ビューティー」のインディーズ版という感じ。主役のスクービーのぼんやりぶりがキュートだった。2004.8.15 参考CINEMA:「ハピネス」「ウェルカム・ドールハウス」「おわらない物語 アビバの場合」
ストレイト・ストーリー ★
デビッド・リンチ監督、リチャード・ファーンズワース、シシー・スペイシク、ハリー・ディーン・スタントン出演 ☆オジイチャンが500キロを時速5キロのトラクターで旅する。途中、ちょっと変な人や親切な人に出逢いながら、70年の人生を断片的に振りかえっていく。始まりがわけわからないところからリンチ・ワールド。でも、リンチの今までの作品とは違って、ヒューマンストーリー。おじいちゃんがかわいい。最高でした。
追伸 主役のおじいちゃん俳優が病気を苦に自殺しました。ショックです。2000.8.27 参考CINEMA:「マルホランド・ドライブ」
スナッチ
ガイ・リッチー監督、デニス・ファリーナ、ベニチオ・デルトロ、ブラット・ピット出演☆盗まれた宝石が、次から次へと悪人の手に渡り、追いつ追われつのお間抜けな殺し合いが勃発。基本は「ロック・ストック〜」と一緒。私は、この手のちょっとふざけた犯罪モノ好きなのだが、ほとんど同じだとちょっとねえ。見かけによらず強いボクサー役のピット、なかなかオツだった。デルトロはすぐに死んでしまってがっかり。ガイ・リッチーってイギリス版タランティーノだね。妻マドンナもすでに飽きてるみたいだけど、ほんと同じような映画ばかりだと、飽きられるよ。2001.10.7 参考CINEMA:「ロック・ストック2スモーキンバレルズ」
砂と霧の家 HOUSE OF SAND AND FOG ★
ヴァディム・パールマン監督、ジェニファー・コネリー、ベン・キングズレー、ショーレ・アグダシュルー出演☆結婚生活に破れ引きこもり気味の若い女性が、税金未納で家を差し押さえれてしまう。競売にかけられた家を買ったのは、イランを亡命してきた元大佐の家族。イランでの贅沢な暮らしから抜け出せない家族のために、夫は肉体労働をし、家の転売をすることで生活費を稼いでいた。
差し押さえが行政の手違いと知った女性は、家に押しかけ「返せ」と詰め寄るが、元大佐は、高額な代金を要求する。
見ていてとても心が痛くなる映画だった。若い女は家に拘り、元大佐はプライドが捨てきれない。そんな二人の固執がどんどん悪い方向に転がって悲劇を生むことは、展開からうすうす読めたが、それでも、丸く収まればいいのに、と願わずにいられなかった。
大佐を演じたキングズレーと妻役のアグダシュルーの演技がとにかく素晴らしい。高貴で厳格な性格、にじみ出てくるような苦悩等々、大げさではないけど迫真の演技。名優の名にふさわしい役者です。
だから、というわけではないけど、ジェニファーが演じる若い女には終始イライラさせられた。若くてきれいで学もありそうな白人女が、働きもしないで人に頼ってばかりいるのが許せなかった。でも、彼女は心の病にかかっていたんだよねえ。そんなことも気づかず、彼女の言葉に乗せられてしまうアホな警官がもっとも許しがたい脇役。
思い出しただけでも、心が沈んでしまう。でも、とても素晴らしい映画でした。2005.12.10
スパイダー
デビッド・グローネンバーグ監督レイフ・ファインズ出演 ☆父親が母親を殺したと信じて恨みを持ち、悲惨な事件を起こした少年の人生を、悪夢を見ているような異様な雰囲気で描いた作品。見てるだけで頭おかしくなりそうなんだけど、グローネンバーグの独特の世界、実は嫌いじゃない。てことは、自分も少なからず精神を病んでいるのかも。
とことん人間の内面だけを見つめたそのしつこさに脱帽。2003.12.5 参考CINEMA:「イグジスタンス」「ヒストリー・オブ・バイオレンス」
スパイダーマン2 SPIDER-MAN 2
サム・ライミ監督、トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、アルフレッド・モリナ、ジェームズ・フランコ出演☆スパイダーマンとして正義の味方を続けることに疲れてしまったピーターの苦悩を描いた異色作。敵との対決シーンはラストだけで、あとはずっと悩めるスパイダーマン。人間ドラマとしては面白いけど、ヒーローものとしては、ちょっと迫力&スピード感にかけた。何も人間ドラマをスパイダーマンでやらなくてもいいじゃーん。って、思ったのは私だけ?
友人役のジェームズ・フランコが次回は敵となって現れることを予告するシーンあり。これはパート3へのつなぎ映画なのねー。2005.7.23 参考CINEMA:「シンプル・プラン」
スパイダーマン
サム・ライミ監督、トビー・マグワイア、ウイレム・デフォー、ギルステン・ダンスト出演☆子供たちと一緒に「ワー」「すっげー」なんて言いながら、遊園地のアトラクションに乗っている気持ちで見たので楽しめた。以上! 2002.11
スパニッシュ・アパートメント THE SPANISH APARTMENT
セドリック・クラピッシュ監督、ロマン・デュリス、ジュディット・ゴドレーシュ、オドレイ・トトゥ、セシル・ドゥ・フランス出演☆バルセロナのアパートで各国の若者たちと暮らすフランス人留学生が、様々な経験を通して成長していく青春映画。10代に見ていたらはまってただろうなあ。「シングルス」のスペイン版というところか。人種で性格を決め付けようとするおバカなイギリス人がちょっと日本人ぽくておかしかった。2004.12.12
スペース・カウボーイ
クリント・イーストウッド監督・主演、トミー・リー・ジョーンズ、ドナルド・サザーランド、ジェームズ・ガーナー出演☆過去、宇宙を夢みていた老人チームが古い制御装置を積んだロシアの衛星の修理のために、ついに宇宙に飛び立つ。はじめは、浮かれ気分だったが、実際に宇宙へいき、トラブルに巻き込まれ…。ストーリーはすべて予想通り。でも、老人4人の魅力を前面に押し出したエンターテイメント映画としてはよかった。迫力もストーリー展開もすべてスローなところがまた、老人映画っぽい。でも、ちょっと感動しちゃうのは役者たちの魅力のためか。あっさりしたドラマだった。2000.12.9 サントラはこちら
参考CINEMA:「ミリオンダラー・ベイビー」「ミスティック・リバー」「ブラッド・ワーク」「硫黄島からの手紙」「父親達の星条旗」
スリー・キングス THREE KINGS
デヴィッド・O・ラッセル監督、ジョージ・クルーニー、マーク・ウォールバーグ、アイス・キューブ、スパイク・ジョーンズ出演☆湾岸戦争終結直後のイラク。戦場にいながらも殺し合いを他人事だと思っているアメリカ兵が、金塊を探しに出かけた先で生身の人間の殺し合いを目の当たりにする。
イラクの人々を助けるために挙兵したのに、目の前の虐殺を止めることができない、という矛盾に独特の視点でメスを入れた問題作。複雑な話なので、理解できない部分も多々あったが、かなり挑戦的な映画でメッセージ性も強く感じた。ちょっと頭の弱い兵士役にスパイク・ジョーンズ監督が扮していた。役者としても一風かわったいい味だしてた。&メイキングビデオのデヴィッド・O・ラッセル監督がベン・アフレック似のいい男でびっくり。両監督とも今後に注目していきたい。2005.11.23 参考CINEMA:「俺たちニュースキャスター」
スリーピー・ホロウ
ティム・バートン監督、ジョニー・デップ、クリスティーナ・リッチ、クリストファ・ウォーケン出演☆ある村で起こった殺人事件を解決するためにニューヨークから訪れた出来の悪い刑事をジョニーがコミカルに演じていた。ストーリーはありきたり。けど、人形劇のようなセット、衣装、メークなどはさすがティム・バートン。自分の世界をちゃんと持った監督だよね。「ドラキュラ」をコミカルにしたような映画でした。2000.3.15 参考CINEMA:「ビッグ・フィッシュ」「猿の惑星」「チャーリーとチョコレート工場」
スリング・ブレイド
ビリー・ボブ・ソーントン監督・出演☆ビリーの作・監督・主演というから、かなり個性的な映画なのかと思ったら、ちょっとトロイ男のかなしい物語を真面目に描いた作品だった。七変化ビリーは役者に徹した方がいいのでは? 正直、作品的には、それほど感銘を受けなかった。2001.1.26
スカイハイ
北村龍平監督、 釈由美子、大沢たかお、谷原章介、戸田菜穂、田口浩正、岡本綾出演☆ドラマが面白かったので劇場版も見てみたけど…。釈ちゃんのキリリとした演技、もっと見たかった。2005.3.4参考CINEMA:「あずみ」「ヴァーサス」
スパイ・ゾルゲ ×
篠田正浩監督、イアン・グレン、本木雅弘、永澤俊矢ほか出演☆ロシアのスパイとして日本に潜入し、処刑されたゾルゲの波乱の半生を描いた作品。ゾルゲの生き様に以前から興味があっただけに、この映画のクオリティの低さには正直がっかりだった。たぶん、監督も思い入れがかなりあったんだろうけど、いろんなことを詰め込みすぎて、話が散漫になってしまっていた。ドキュメンタリーにしたほうがよかったのにー。役者もいい人揃えてたのにー。残念です。2004.5.23
セントラル・ステーション CENTRAL DO BRASIL (1998年・ブラジル)
ウォルター・サレス監督、フェルナンダ・モンテネグロ、マリリア・ペーラ、ヴィニシウス・デ・オリヴェイラ出演☆リオの駅で代書屋として働く女は、文盲の人から金を貰い、書いた手紙は出さずに捨てる小悪党。そんな彼女が、母を亡くした9歳の少年と父親さがしの旅に出る。少年の素朴さと、代書屋の狡猾さのバランスが絶妙で、いかにも意地悪ババアっぽいモンテネグロの演技は圧巻。土地の大きさや、蒸し暑さを体感できるブラジルならではのロード・ムービーだ。参考CINEMA:「ビハインド・ザ・サン」「モーターサイクル・ダイアリーズ」
戦場のピアニスト The Pianist ★★
ロマン・ポランスキー監督、エイドリアン・ブロディ出演☆ホロコーストを正攻法で描いたお手本のような作品だった。シュピルマンが生き延びることはわかっていても、逃げ続ける姿を見て、自分まで隠れているような気分になった。
個人的恨みがあるわけでもないのに、よくあそこまでひどいことができるものだ。
日本人も四半世紀前には同じようなことやってたんだと思うと、恐ろしくなった。2004.1.3 参考CINEMA:「ナインスゲート」
世界 The World
ジャ・ジャンクー監督、ツァオ・タオ、チェン・タイシェン出演☆北京にある万博公園で働く踊り子と警備員のカップルが、世界への憧れを抱きながらも、さまざまな現実に直面していく。
世界旅行を一度に体験できる「万博公園」が舞台になっているのが洒落ている。そこで働く若者たちは、飛行機に乗ったこともなく、裕福とはいえない暮らしをしている。それでも、携帯電話はしっかり持っていて、恋人たちのコミュニケーション・ツールになっているのが今風。アニメーションを使ってポップにしているのも現代的で、新しい中国を感じさせる映画だった。
国は違っても若者の悩みは一緒。恋人と喧嘩したり、仲直りしたり、浮気したり…。そういう普通のカップルの姿が愛おしく見えてしまった。オフィス北野がプロデュースしているせいか、淡々とした演出や物悲しい雰囲気は、北野映画に通じるものがあった。2005.4.6
第29回香港国際映画祭クロ−ジング映画 参考CINEMA:「青の稲妻」
セブン・ソード 七剣 SEVEN SWORDS
ツイ・ハーク監督、レオン・ライ、ドニー・イェン、チャーリー・ヤン、スン・ホンレイ、ルー・イー出演☆清王朝時代の中国を舞台に圧政と戦う7人の勇士の活躍を描いたヒーロー・アクション。「七人の侍」を期待したのだが「パワー・レンジャー」のほうが近いかな。7人ともかっこいいんだけど、今ひとつ個性が足りない気がした。それより、悪人と裏切り者が、いかにも“悪”っていう顔してて、こちらのほうに目がいってしまいました。アクションはさすがだったけど、映像美、という点では、「HERO」とは比べ物にならなかった。残念!レオン・ライはやっぱり「ラブ・ソング」のようなやさしい田舎者」の役があう。2005.10.1
セシル・B・シネマウォーズ
ジョン・ウォーターズ監督、メラニー・グリフィス、スティーブン・ドーフ出演☆ボルチモアにハリウッド女優がやってきた。舞台挨拶の時にアングラ映画を撮る一味が女優をら致。その女優を主演にして、映画協会を相手に闘う映画を取り始める。パッチ・アダムスやフォレスト・ガンプなどのファミリー映画をこけにして、アングラ監督万歳!とやってのける。新興宗教の教祖みたいな監督をドーフが怪演。やっぱり私の目に狂いはなかったわ。車椅子に乗ったドーフが自ら火をつけて自決するシーンは「アンダーグラウンド」のぱくり?一番好きなシーンです。2001.6.7
参考CINEMA:「アイ・ラブ・ペッカー」
ターセム・シン監督、石岡瑛子衣装、ジェニファー・ロペス、ヴィンス・ヴォーン出演☆連続猟奇殺人の犯人の心に入り込んで、人質の居場所を突き止めようとするサスペンス。精神世界に入り込む、という発想がユニーク。何でもありの世界に出てくる怪物とJロウのコスチュームが幻想的で素敵だった。さすが世界の石岡さん。Jローの演技、まともに見たのはじめてだけど、普段より地味で感じがよかった。2005.11.5
セレブリティ
ウディ・アレン監督・脚本、ケネス・ブラナー、ジョー・モンターニャ、ウィノナ・ライダー出演☆冴えないけど女にはもてるライターが、妻と別れていろいろなタイプの女と付き合い、自分の生活を変えようとするが…。男の話はウディが主役やったほうがよかったかな。なんか、ケネスは合わないよ。けど、夫に別れをつげられた妻の方はよかった。小学校教師からテレビのキャスターになるなんて、ちょっと嘘くさいラッキーな話だけど、別れた夫を乗り越えるにはやっぱり劇的な何かが必要ですから。1999.9.8 参考CINEMA:「おいしい生活」「スコルピオンの恋まじない」「ギター弾きの恋」「さよなら、さよならハリウッド」「マッチポイント」
セレンディピティ
ピーター・チェルソム監督、ジョン・キューザック、ケイト・ベッキンセイル出演☆偶然、デパートの手袋売り場で同時に同じ手袋を買おうとした男女が運命を感じながらも、再会できずに月日がたつ。
「セレンディピティ(偶然の幸運)」を信じ、お互いが運命の相手探しに奔走するロマンチック・ラブ・コメディ。「恋におちて」「恋人たちの予感」など、なつかしのラブコメヒット作に通じる、お決まりなんだけど楽しめるストーリーだった。
この手のラブコメに欠かせないのが、脇のキャラ。手袋売り場の店員のキャラがいい味だしてた。私はもうちょっと笑いの多い作品が好きなのだが、主演二人がコメディ顔じゃないので、無理して笑いとらなくて正解かも。
ジョン・キューザックふけたなあ。てことは私もふけたってこと?同世代としてはちょっと悲しかった。2003.9.20
セレンディピティ
(2001年 91分 アメリカ)
舞台はクリスマス前のニューヨーク。デパートで同じ手袋を買おうとして目が合ったジョナサンとサラは、運命を感じながらも、再会できずに月日が経ってしまいます。そんな二人がすれ違いを繰り返しながら再び巡り合うまでを丁寧に描いたラブ・ストーリーです。
雪の舞うスケート場やお洒落なカフェなどロマンチックなNYの風景が、運命の人になかなか会えないもどかしい思いをさりげなく演出しています。恋のキューピットになるデパート店員のコミカルな演技にも注目です。
"セレンディピティ"の言葉の意味は「幸せな偶然」。誰にでも生涯に一度は"セレンディピティ"がある。そう信じれば願いが叶うかもしれません。(A新聞 [週末のこの1本] 2005.12.14 掲載コラム)
ゼブラーマン
三池崇史監督、宮藤官九郎脚本、哀川翔、鈴木京香、柄本明、岩松了、大杉漣、渡部篤郎ほか出演☆単純に笑えた。子供の頃みた「仮面ライダー」とか「ライオン丸」の世界を堪能できた。でも、それだけー。2005.3.13 参考CINEMA:「美しい夜、残酷な朝」
千と千尋の神隠し
宮崎駿監督☆ベネチア映画祭で賞とったし、大人もみんな感動したっていうから見てみたけど、やっぱり私は、どーもその良さについていけない。
かなりひねくれてしまったので、違うことを期待してしまうんです。でも、オバケのキャラは楽しめた。げげげのキタロウみたいだった。2002.8.16
そして、ひと粒のひかり MARIA FULL OF GRACE ★★
ジョシュア・マーストン監督、カタリーナ・サンディノ・モレノ、イェニー・パオラ・ベガ、ギリエド・ロペス出演☆南米コロンビアで暮らす17歳のマリアは、生活のために麻薬を詰めた袋を大量に飲み込んで密輸する闇仕事を引き受ける。税関で見つかれば逮捕、麻薬の袋が体内で破裂したら死、という2つの危険を背負ったマリアは、運び屋の少女たちとNY行きの飛行機に乗り込む。
少女たちの普段の生活や悩みはどこの国でも見かける日常。でも、そこにしのび寄ってくるのはコロンビアならではの異常な仕事。死と隣り合わせの犯罪にも関わらず、10代の少女たちがすんなり引き受けてしまう姿に愕然とした。主人公マリアへ感情移入しやすいのは、彼女の生活の日常と異常の対比がバランスよく描かれているからだろう。
運び屋仲間の友人に起こった悲劇を彼女の姉に話すときの緊迫感。泣いて謝るマリアと、姉の衝撃の顔…。二人の感情がヒシヒシと胸に伝わってきて、思わず涙してしまった。
最後のマリアの選択は、彼女にとってベストかどうかわからない。でも、若者が勇気を出して一歩踏み出していく姿は清々しかった。
ただ一つ気になったのはアメリカの描き方。
少女たちが簡単に犯罪に手を染める麻薬大国コロンビアは確かに非難に値する。でも、彼らにお金を払って麻薬を買っているのはアメリカなんだよねえ。
すごくいい映画ではあるんだが、NYを少々美化しすぎてる感じがしないでもなかった(もちろん監督にその意図はないんだろうけど)。社会問題に言及すると終わりがないのでこのへんでやめときます。2005.11.15
宋家の三姉妹
メイベル・チャン監督、マギー・チャン主演☆中国の富豪の家に生まれた3姉妹。長女は銀行家と、次女は孫文と、そして女は蒋介石の妻になり、中国の歴史に名を残す姉妹になる。歴史モノというより、家族の物語だった。孫文と蒋介石の関係、台湾に中華民国が出来るまでのストーリーは未知だったので、おもしろかった。マギー・チャンと長女役の声が吹き替えだったのはちょっと気になった。1999.11.19 参考CINEMA:「玻璃(ガラス)の城」
ソウル・フード
ベイビーフェイス製作総指揮、ジョージ・ティルマン・Jr監督、ヴァネッサ・L・ウィリアムズ、ヴィヴィカ・A・フォックス、ニア・ロング、マイケル・ビーチ、メキー・ファイファー出演☆心が安らぐ感動作。主役はファミリー。ビッグ・ママが作る日曜ディナーに家族が集まるのだが、ビッグママの病気で家族に亀裂が入ってしまう。それを、孫のリトルタイガー(タイガーに似てる)の目から語られていくんだけど、この子がキュート。抱きしめたくなるくらいかわいいの。
家族は、長女の彼を次女が横取りした過去があったり、3女の夫が前科者で失業したり、長女の夫が従兄弟と浮気したり、とけっこうドロドロしてるんだけど、みんな憎めないんだよね。すごく人間的なの。お決まりの話ではあるんだけど、定番モノを「ソウルフード」で料理して、とてもやさしい仕上がりになっています。1999.10.4
サントラはこちら
ソウル・オブ・マン THE SOUL OF A MAN ★
ヴィム・ヴェンダース監督、マーティン・スコセッシ製作総指揮、スキップ・ジェイムス,J・B・ルノアー出演☆ブルース生誕100年を記念し、マーティン・スコセッシが製作したドキュメンタリー第1弾。ブラインド・ウィリー・ジョンソン、スキップ・ジェイムス、J・B・ルノアー。3人のブルースマンの人生を振り返りつつ、現代のミュージシャンたちが彼らの作品を演奏していく。
盲目のジョンソン、33年間ブルース界から消えていたスキップ、ブルース界のキング牧師と呼ばれたルノアー。3人のことは知らなかったが、それぞれ興味深い人生だった。
今まではブルースを酒と紫煙が似合う音楽として聞いていただけだが、彼らの魂を感じながら聞いてみたいと思った。2004.9.5 参考CINEMA:「ロード・トゥ・メンフィス」「ゴッドファーザー&サン」「ピアノ・ブルース」サントラはこちら
ソニー SONNY
ニコラス・ケイジ監督、ジェームズ・フランコ、ブレンダ・ブレシン、ハリー・ディーン・スタントン出演☆80年代のニューオリンズを舞台に、男娼の仕事から足を洗おうとする青年の苦悩を描いた作品。嫌いなテーマじゃないんだけど、正直退屈だった。
母親役のブレンダ・ブレシンと父親役のハリーの味のある演技だけが救い。
ニコラスはコッポラ・ファミリーだし、監督業にも意欲あるんだろうけど、この作品を見る限りでは、俳優に徹したほうがいい気がした。2005.1.15
ソラリス SOLARIS
スティーヴン・ソダーバーグ監督,スタニスワフ・レム『ソラリスの陽のもとに』原作,ジョージ・クルーニー,ナターシャ・マケルホーン,ジェレミー・デイヴィス出演☆ロシア映画の傑作と言われている「惑星ソラリス」(タルコフスキー監督)をハリウッドがリメイク。異変が起きた宇宙ステーションの調査に向かった主人公が、死んだはずの妻と出会う。タルコフスキー版は何度かトライして、いつも途中で挫折していたが、ハリウッド版は完走できた。
そうはいっても、不思議世界は健在。もし、自分が惑星ソラリスにいったら、目の前には誰が現れるのだろうか。そんなことを考えながら、半分夢のなかにいる気分で見ていた。もう1度、タルコフスキー版にトライしてみたい。2004.2.2
参考CINEMA:「トラフィック」「オーシャンズ11,12」「イギリスから来た男」「エリン・ブロコビッチ」
ソウル SEOUL
長澤雅彦監督、長瀬智也、チェ・ミンス出演☆ソウルを訪れていた刑事の早瀬は、偶然、現金輸送車強奪事件に遭遇。犯人一味の顔を目撃したことから捜査協力を命じられるが、韓国側のキム刑事部長は早瀬に鉄拳を振るう。
若い熱血刑事と厳しい上司が衝突しながら心を通わせる、というお決まりの刑事モノ。ワンパターンだけど、刑事モノ好きだし、何より、かっこつけすぎのチェ・ミンスにはまってるので楽しめました。流行なんかに目もくれずチェ・ミンスには一途にかっこつけ&自己陶酔演技を続けてほしいです。2006.1.10
参考CINEMA:「夜のピクニック」