気まぐれCINEMAレビュー BackNumber
1999〜2005年
【タ行】
過去の「気まぐれCINEMAレビュー」をまとめました。満足度は★で、がっかり度は×で評価しました。
五十音順にタイトルが並んでいます。
データベースとしてご活用下さい。
【過去の年間BEST3】 BackNumber CINE LATINO (2007年〜 中南米映画 日本未公開版 2007年〜 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 1999〜2005年 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ【ダ】【チ】【ツ】【テ】【デ】【ト】【ド】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 |
ターナー・オン・ターナー Tanner on Tanner
ロバート・アルトマン監督、シンシア・ニクソン、マイケル・マーフィー出演☆88年に大統領選に出馬したターナー議員の娘が、父親を再び民主党の大統領候補にしよう、と奔走する。
たぶんテレビの30分番組4回シリーズ。英語の字幕ないのでヒアリングだけが勝負。台詞が多くてまったく聞き取れなかったけど、理解しようとするのを諦めたら、けっこう楽しめた。なんとなく面白さって伝わってくるものだ。ロバート・レッドフォードやケリー上院議員、スコセッシ監督がカメオ出演。さすが、アルトマン!という毒もたっぷり。シンシア・ニクソンは「セックス・アンド・ザ・シティ」のミランダ役もよかったけど、ドジを踏みながらも必死な猪突猛進タイプの娘役がぴったりはまっていた。2005.4.5
第29回香港国際映画祭にて 参考CINEMA:「バレエ・カンパニー」「ロング・グッドバイ」「ゴスフォード・パーク」「Dr.Tと女たち」
スティーヴン・スピルバーグ監督、トム・ハンクス,キャサリン・ゼタ=ジョーンズ出演☆どう転んでもアメリカンのトム・ハンクスが英語のできない外国人役っていうのが違和感あり。もっと、コメディに徹した演技であれば楽しめたかもしれないけど、中途半端すぎ。天下のスピルバーグだもの、ロシアの役者とかいくらでも使えただろうに。小手先で作った感じでちっとも楽しめず。2005.9.20 参考CINEMA:「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」「マイノリティ・レポート」「AI」「ミュンヘン」
ターミネーター3
ジョナサン・モストウ監督、アーノルド・シュワルツェネッガー、ニック・スタール、クレア・デインズ、クリスタナ・ローケン出演☆時代を超えたマシン対人間の終わりなき戦いを描いた大ヒットシリーズ最新作。
人間を滅ぼした元凶が、実はコンピュータウィルスだった、というのが今風で興味深かった。この手のシリーズものって、どんどん大掛かりになって、金かけて、最後はコミカル路線になるんだよね。T3も笑えるシーンが多々あり。殺しても殺しても復活するナイスバディなマシン(ノルウェー出身の女優らしい)が首を傾げるシーンがかわいかった。「マッドマックス」「ロッキー」などと同じく、やっぱり原点の1が一番好きだな。2004.2.2
タイム・ビトゥイン・ドッグ・アンド・ウルフ Time Between Dog and Wolf
Jeon Soo il監督、Ahn Kil-kang, Kim Sun-jai出演☆さびれた北の田舎町を訪れた映画監督が、行方不明になった妹をさがす一人の女性と出会ったのをきっかけに、自分自身のルーツについて思い悩む。雪の田舎町の風景がさびしくて、それだけでくらーい気持ちになれた。気持ちをブルーにさせたいときにはおススメだけど、正直、退屈だった。ホン・サンス監督作品と似た雰囲気はあるのだが、ちょっと冗長すぎた。もうちょっとコンパクトにしてくれれば見やすかったんだけどなあ。主役の二人、どこかでみたことある役者なのだが、わからず終い。2005.10.9
第10回釜山国際映画祭にて
ボアズ・イェーキン監督、デンゼル・ワシントン、ライアン・ハースト、ウィル・パットン、ウッド・ハリス出演☆1971年、人種差別意識の強いバージニア州ではじめて白人と黒人混合のフットボール・チームが結成された。偏見から争いの絶えなかったチームメートだが、黒人コーチに厳しく指導され、徐々に心を通わせていく。
コッテコテのスポ根ドラマ。日本でいえば「スクールウォーズ」だね。かなり照れくさい映画ではあったが、白人のキャプテンだったケリーの激動の人生は、実話なだけにちょっと胸打たれた。2004.12.8
タイムマシン THE TIME MACHINE
サイモン・ウェルズ監督、ガイ・ピアース,ジェレミー・アイアンズ出演☆目の前で恋人を殺された男が、彼女を助けるためタイムマシンを発明し、未来をさまよう。何千年後の地球が猿の惑星みたいになっていたので、がっくり。オリジナリティが感じられなかった。もうちょっと近未来の話のほうが楽しいのにー。2004.2.28
タイタス
ジュリー・テイモア監督、アンソニー・ホプキンス、ジェシカ・ラング出演☆ローマ時代の残酷な争いを舞台風に描いた作品。さすがに見応えあった。でもやっぱり映画じゃなく、舞台で見たい作品。殺し方があまりに残酷で、映画だとちょっとリアルすぎる気がした。自ら片手を切り落としたり、人間を食べたり、「タイタス」と「ハンニバル・レクター博士」がだぶったのは、私だけ? ジェシカ・ラングの悪女ぶりが圧巻。2001.9.28 参考CINEMA:「フリーダ」
大佐に手紙は届かない
ガルシア・マルケス原作☆メキシコ映画は馴染みがなかったが、マルケスの本に触れていたので、入りやすかった。田舎町。元大佐の老人は喘息の妻と二人で貧困生活を送っている。二人は一人息子を闘鶏場で殺され、以来、貧困、孤独と二人だけで戦っている。貧乏なのに他人にこびず、プライドを捨てずに生きる二人の姿は滑稽でもあったけど、涙を誘った。のたれ死ぬか、他人に同情されて生き延びるか。二人は結局、プライドを取るんだけど、自分もプライド高いから、気持ち、ちょっとわかる。元大佐のおじいさんがもうかわいくて。メキシコの名優らしいけど、すばらしい演技だった。1999.11.5
太陽に抱かれて
ミーラー・ナーイル監督、マリサ・トメイ、アルフレッド・モリーナ、アンジェリカ・ヒューストン、チャズ・パルミンテリ出演☆ キューバからフロリダにやってきた移民たちの現実と、20年ぶりに再会する夫婦の戸惑いを描いた作品。マリサが奔放で情熱的なキューバ女に扮している。けど、見てるほうはどうしても20年ぶりの夫婦の再会に目がいくのが残念。マリサのよさが出ずに終わった感じがした。感情移入できたのはアンジェリカが演じた妻。20年、待っていた夫との再会。それだけを楽しみにしていたのに、直前で他の男に心を奪われ、再会した夫の変わり果てた姿に思わず銃を向けてしまう。これって、つらいよね、女としては。けど、それがあっさり新しい男とハッピーエンドっていうのが納得いかない。20年の月日をたった2、3日の恋で埋めることってできるのかな、と疑問を感じた。1999.9.18 参考CINEMA:「モンスーン・ウエディング」
タクシー Taxi
ティム・ストーリー監督、クイーン・ラティーファ、ジミー・ファロン、アン・マーグレット出演☆超運転のうまいタクシー運転手とドジな刑事の凸凹コンビが連続銀行強盗犯人と対決する。ラティーファとドジ刑事のコンビが理屈抜きで楽しめた。アル中のドジ刑事のママ(名優マーグレット)など、脇のキャラもgood。ラティーファはコメディ・クイーンの座をしっかりキープしてるね。2005.4.6
たそがれ清兵衛
山田洋次監督、藤沢周平原作、真田広之、宮沢りえ、小林稔侍、大杉漣、吹越満ほか出演☆幕末の会津。貧乏さむらいの清兵衛は毎日、たそがれ時には帰宅するため、同僚から「たそがれ清兵衛」と呼ばれていた。そんな冴えない清兵衛が人を斬ることを命じられてしまう。
さすが、山田監督!ドラマチックではないのだが人間ドラマをきめ細やかに描いていて見終わった後味がとてもよかった。
剣から長年離れてしまったさむらいが、時代の流れで戦いの矢面に立たされ、苦悩するさまは、現代の自衛隊員を見ているようで身につまされた。
画面が暗くて、戦いの様子がよく見えなかったのが残念。
この映画で映画賞を総なめした宮沢りえは、たしかに凛として美しかったけど、みんなが絶賛するほどいい演技だったかなあ。それより、小林稔侍のアホ上司役がサイコーにおかしかった。2003.12.17
大統領の理髪師 THE PRESIDENT'S BARBER ★★
イム・チャンサン監督、ソン・ガンホ、ムン・ソリ、リュ・スンス出演☆1960年代の韓国。大統領官邸のある町で理髪店を営むお人よしの男が、ひょんなことから大統領お抱えの理髪師になり、トラブルに巻き込まれる。北のスパイがかかった集団下痢を”マルクス病”と命名し、下痢になった人々を捕まえて拷問にかける、っていうエピソードがケッサク!
だけど、一人息子まで捕まってしまい、電気ショックのせいで歩けなくなってしまってからは、さすがに笑い飛ばせなかった。
権力者がそろいもそろってロクデナシで、愚かな庶民が被害にあうっていう構図は「未来世紀ブラジル」に通じるものがあった。私好みのシニカルなコメディだ。参考CINEMA:未来世紀ブラジル 2005.8.28
堕天使のパスポート DIRTY PRETTY THINGS ★
スティーヴン・フリアーズ監督 レビューはCINEMAの監督たち(S・フリアーズ)へ
ダブリン上等! INTERMISSION
ジョン・クローリー監督、ニール・ジョーダン製作、キリアン・マーフィ、ケリー・マクドナルド、シャーリー・ヘンダーソン、コリン・ファレル、出演☆舞台はダブリンの片田舎。強盗の常習犯、それを追うナルシスティックな中年刑事、彼女と別れて自暴自棄になった若者、失恋のショックで髭が伸びてることも気にならなくなった女、不倫された妻、事故を起こした運転手などなど、幸せにあと一歩、届かない場所で生きてる市井の人々が織り成す事件を、スピード感あふれる映像でみせるポップな映画。
興奮しやすくて正義感が強いのがアイルランド気質、ってよくいわれるけど、この映画のキャラもみんな激しくて、でも笑えちゃう。悪戯ばっかりしてるクソガキと、不倫された妻の襲撃シーンが、なぜか笑いの壺に入ってしまいました。2005.12.10
参考CINEMA:「マイケル・コリンズ」「ブッチャー・ボーイ」「ギャンブルプレイ」
誰にでも秘密がある EVERYBODY HAS SECRETS
チャン・ヒョンス監督、イ・ビョンホン、チェ・ジウ、チュ・サンミ、キム・ヒョジン出演☆スチュアート・タウンゼント、ケイト・ハドソン出演の「About
Adam」のリメイク版。
ビョンホンは、3姉妹を手玉にとるプレイボーイ役なんだけど、何やってもはまるよなあ。キザったらしいけど、メロメロになっちゃう女の気持ち、わかるわ。とってもかわいいラブコメでした。2005.7.24
ダンサー・イン・ザ・ダーク
ラース・フォン・トリアー監督、ビョーク、カトリーヌ・ドヌーブ出演☆失明を目の前にした女工セルマの悲劇をミュージカル仕立てに描いた作品。フォン・トリアー監督お得意のテーマである「自己犠牲」は、正直、重過ぎて見ていて辛かった。けど、ビョークの歌声と表情が、その重さをピュアなものに変えてくれた。ビョークのアカペラの途中で、無情に処刑され、歌がブチッと切れるラストシーンは、救われないが、ハリウッド的(たとえば「グリーン・マイル」のよう)な感動と相反する感動を与えてくれた。善人顔して悪役が多い警官役の役者(デビッド・モース)と、ビョークを支えてくれる優しい彼の役者が(リス・エバンス「ヒューマンネイチャー」で原始人やった)GOOD!しかしなんといっても素晴らしかったのは、工場の女工やっても美しいドヌーブ。踊りまで披露してくれて拍手!2001.1.17
参考CINEMA:「ドッグヴィル」、脇役たち(デビッド・モース)
ダークネス&ライト(黒暗之光)
台湾映画☆国際映画祭のコンペ参加作品。「非情城市」の助監督だっただけあって、映像に雰囲気を感じた。ストーリーはオーソドックス。けど、台湾・基隆の街の感じがすごくよく伝わってきた。それと、10代の若者たちの姿も初々しくてよかった。若いカップルは日本人みたいな顔してて、とくに男の子がかわいいの。堂本剛にそっくり。将来が楽しみ。いい映画でした。1999.10.29
誰も知らない NOBODY KNOWS ★
是枝裕和監督・脚本、柳楽優弥、北浦愛、木村飛影、清水萌々子、韓英恵、YOU出演☆親に置き去りにされた子供たちだけの生活をドキュメンタリー・タッチで描いた秀作。遊びたい盛りの12歳の長男が、妹弟たちのために家事をこなし、金策に走り回る姿は、見ていて痛々しくもあり、また頼もしさも感じた。
子供たちの話し方や疲れた表情があまりに自然で、ほんとに演技?と疑うほどリアルだった。是枝監督の演出力は、今の日本の映画界ではダントツだと思う。カンヌ主演男優賞も納得である。
ただ、個人的趣味を言わせてもらえば、是枝監督の映画は、いつもとても真面目なので見ていて疲れてしまう。イギリスのウィンターボトム監督やマイク・リー監督の作品もそうなんだが、演出力は認めるけど「遊び」がないところがちょっと苦手かも…。2005.4.17 参考CINEMA:「ワンダフル・ライフ」
蝶の舌 LA LENGUA DE LAS MARIPOSAS ★
ホセ・ルイス・クエルダ監督、フェルナンド・フェルナン・ゴメス,マヌエル・ロサノ出演☆スペインの田舎町に住む少年が、学校の老教師や友達からいろいろなことを学んで成長する姿を描いた作品。
少年の表情が最高にかわいくて抱きしめたくなった。
ラストは予想してたんだけど、やっぱり辛すぎる。自分が捕まらないために、泣きながら同朋に罵声を浴びせる父親の姿も痛々しかった。
何も知らない純粋な少年の顔は天使に見えたが、ラストシーンでは、それが悪魔の顔に変わっていた。
Me encanta! Me qiero mucho.
スペインの子役映画といえば「みつばちのささやき」があるけど、それに匹敵する名演技だった。2004.4.24
チェンジング・レーン ★★
ロジャー・ミッチェル監督、ベン・アフレック、サミュエル・L・ジャクソン、ウィリアム・ハート、シドニー・ポラック出演☆道で接触事故を起こしたことで、最悪の日を迎えることになった二人の男が、次から次に不運に見舞われ、互いに怒りを増幅させていく。
小ズルイ若手敏腕弁護士と、元アル中の黒人夫。二人の人生の狂わされ方が巧みで、見ているほうもジワジワと救われない気分になった。
全然期待してなかったし、たいして評判にもならなかったのだが、心理描写がよく出来てるし、脇役(シドニー・ポラックの嫌味な笑顔が最高。監督は廃業?)もうまくて、なかなか見応えのある作品だった。
ラスト、このまま救われない作品になるのか、それとも、片隅に残っていた良心をお互い見せるのかが見所。
ベン・アフレック、いい作品でてるじゃない!サミュエル・L・ジャクソンの演技に引っ張られてた感はあるが、なかなかいい味出してた。
ジェニ・ロペとさっさと別れて、いい役者になってほしい。
渋い中年役者になる素質はあると思うんだけどなあ。2003.8.10
チング ★★
クァク・キョンテク監督・脚本 ユ・オソン チャン・ドンゴン ソ・テファ チョン・ウンテク キム・ボギョン出演 ☆韓国版「スタンド・バイ・ミー」。舞台はプサンの田舎町。子供のころはみんな、仲がよくても、親や育った環境が違うということで、その後の人生が変わっていく。優秀な少年は、普通に学校を出て留学。金持ちのボンはソウルに引っ越して短大へ。そして、父親がヤクザの息子と、葬儀屋の息子は、地元に残って、ヤクザの道へ。定番のストーリーなんだけど、それぞれのキャラがよく描けていて、恥ずかしながら感動してしまった。
とくにリーダー的存在だったヤクザの息子とナンバー2の葬儀屋の息子が格好いい。日活映画の裕次郎の世界! ヤクザの息子も、途中、ヒロポン中毒になって、どん底味わったりして、とっても人間味があるし、葬儀屋の息子は、ヤクザの息子に憧れながらもライバル心も持ってて、だから、あえて敵対するチンピラの手下になったりするのだよ。見かたによっては“ダサイ”映画ではあるんだけど、そこがまたいい。韓国映画、ちょっとファンになりそう。
父、帰る THE RETURN
アンドレイ・ズビャギンツェフ監督、ウラジーミル・ガーリン、イワン・ドブロヌラヴォフ、コンスタンチン・ラヴロネンコ、ナタリヤ・ヴドヴィナ出演☆ロシアの田舎町に住む兄弟が、12年ぶりに突然帰ってきた父親とともに無人島へ旅をする親子再生のドラマ。
長年自分たちを放っておいた父への反抗心をストレートに表現する弟に好感が持てた。日本だったら、親子がぶつかり合いながらも最終的にはお互いが理解しあう、というハッピーエンドが妥当なんだけど、真逆の展開に驚かされた。見ている側に「なぜ?」という疑問を抱かせ、不思議な余韻を残す映画だった。
本作撮影終了後、ロケ地だった湖で兄役のガーリンが溺死した、というニュースを聞いていたので、もし、映画がハッピーエンドだったら彼も死なずにすんだのかも、なんて感傷的になってしまった。2005.7.10
血の涙 Blood Rain
キム・デスン監督、チャ・スンウォン、パク・ヨンウ(「MUSA」)チ・ソン、ユン・セア、チェ・ジナ、チョン・ホジン出演☆19世紀。ある島で7年前に起こった一家惨殺事件と同じ方法で、村人が次々に殺されていく。捜査官は過去の事件との関連性を調べるうちに製紙業の利権を巡る血なまぐさい争いを知ることになる。
とてもよくできたサスペンスでスピード感もあって楽しめた。ただ、英語字幕だったので細かい部分が理解できず、ちょっと残念。ストーリーは「八つ墓村」っぽい。殺され方が残虐で、八つ裂きシーンはさすがに目を覆ってしまった。
主演の俳優はコメディ俳優として有名らしいが、キリリとした眉毛のいい男。官吏役のパク・ヨンウも魅力的だったし、「オールイン」に出ていたチ・ソンも顔がすっきりやせてステキになっていた。2005.10.8
第10回釜山国際映画祭にて参考CINEMA:「バンジー・ジャンプする」「秋へ」
地球で最後のふたり LAST LIFE IN THE UNIVERSE
ペンエーグ・ラッタナルアーン監督・脚本、クリストファー・ドイル撮影、浅野忠信、シニター・ブンヤサック、松重豊ほか出演☆タイ映画というよりは、タイが舞台のおしゃれな日本映画だった。潔癖症で自殺願望の強い日本人男性と、奔放なタイ人女性の交流を淡々と追っていくんだけど、二人のやりとりのゆったり加減と、ヤクザの話のバランスが悪い。クリストファー・ドイルの映像美にも期待してたんだけど、たいしたことなかった。主役のタイ人の女の子はとってもキュートだった。2004.8.4
チェ・ゲバラ
マルセロ・シャプセス監督、チェ・ゲバラ出演☆チェ・ゲバラとともに戦った人々が彼との思い出を語るドキュメンタリー。革命の戦士は死ぬことで英雄になれる。生き残った人々は若い頃はギラギラしてたんだろうけど、普通のおじさんになっていた。チェ・ゲバラってデル・トロに似てる。セクシーだからカリスマとして今でも語り継がれているのだろう。やっぱりルックスは大事だ。2004.7.28 参考CINEMA:「モーターサイクル・ダイアリーズ」
チェルシー・ホテル
イーサン・ホーク監督、ユマ・サーマン、クリス・クリストファーソン、ナターシャ・リチャードソン出演 ☆ニューヨークの芸術家の溜まり場として名高いチェルシーホテルに住む一風変わった人々の日常をドキュメントタッチで描いたアート作品。正直、よくわからなかったのだが、心地よい眠りに誘ってくれる絵画的作品だった。2003.8.9
チョコレート
マーク・フォースター監督、ビリー・ボブ・ソーントン、ハル・ベリー、ピーター・ボイル、ヒース・レジャー出演☆人種差別主義者の父親の影響を受けて看守になった男が、優しい性格の息子に目の前で自殺される。一方、夫が死刑になり、息子を事故で亡くした黒人女は、その看守とお互いに傷をなめ合うように愛し合う。
深い喪失感を抱いた二人の「喪の仕事」を描いた作品。
傷心の二人が寄り添って生きることが果たして幸せなことなのか。その先に待っているものが何なのかはわからない。でも、どうしようもなくつらいときには、誰かに隣にいてもらうことで癒されることもあるのだろう。ただただ辛く悲しい映画だった。ハル・ベリーの体当たり演技に脱帽。2003.12.23
チャーリーズ・エンジェル
マックG監督、キャメロン・ディアス、ルーシー・リュウ、ドリュー・バリモア、ビル・マーレイ出演☆3人のお色気と衣装、アクションだけの映画。キャメロン・ディアスがおばかな役だったのが意外。 2001.1.2
チェイシング・エイミー
ケビン・スミス監督、ベン・アフレック、ジョーイ・ローレン・アダムス☆マンガ家の男がレズの女に恋をする。女は本当の恋をしたと喜ぶが男は女の奔放な過去をしり、女に不信感を抱く。
セックス用語が次々飛び出して驚き。けど、それがいやらしくないのが不思議。
結論は、セックスと愛は別物ってことなんだけど。結局、2人は結ばれないの。そういうロマンチックじゃない終わり方が気に入った。ちょっと不器用で純粋な男にベンはピッタリ。
素朴な格好よさが好きです。1999.8.8 参考CINEMA:「クラークス」
血と骨 ★
崔洋一監督、ビートたけし、鈴木京香、新井浩文、田畑智子、オダギリジョー、松重豊、濱田マリ、柏原収史 出演☆戦前、済州島から大阪に渡ってきた金俊平と家族の波乱の人生。「信じられるのは己の腕力と金だけ」。そんな男の生き方が、家族を不幸にしていく。
暴力によって回りを黙らせようとする金の姿には、映画とはいえ、恐怖を覚えた。反面、貧困や差別の社会で誰にもこびずに生き抜く姿は、頼もしくもあった。
「化け物」を父に持った娘が、夫からも暴力にあい、絶望して死を選んでしまうシーンは同じ女として悔しかった。やっぱり耐える女や、男に依存する女の末路って悲しいよなあ。濱田マリが演じていた妾のように、ずる賢く生きられたらどんなに楽だろう。
たけしと殴りあうジョーもよかったけど、出番が少なすぎ。それより、共産主義者で投獄される柏原弟や、金の妻の心の支えとなる松重豊のほうが脇役としては印象が残った。まあ、怪物ばっかりで、まともな性格の男が二人だけだった、というのもありますが。2005.7.24
月のひつじ
ロブ・シッチ監督、サム・ニール出演☆アポロ11号の飛行士が初めて月に降り立つ瞬間を中継するために、オーストラリアの牧羊地にあるアンテナが選ばれ、田舎の人々が浮き足立つ。
夢とロマンのために仕事をするアンテナ守の必死な姿が微笑ましかった。
突然、降って沸いた大きな役目をまっとうしたときの達成感は何事にも代え難いものだろうなあ。ちょっと羨ましく感じた。2003.6.7
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THX 1138
ジョージ・ルーカス監督、フランシス・フォード・コッポラ製作総指揮、ロバート・デュヴァル、マギー・マコーミー、ドナルド・プレザンス、イアン・ウルフ出演☆コンピュータが支配する近未来。白い服を着せられロボットのような生活を強いられた男と女が、禁じられていた肉体関係を交わすことで、組織から追われてしまう。
デビュー作とは思えぬクオリティの高さには頭がさがる。単純な話なんだけど「スターオォーズ エピソード2」よりずっと面白かった。後半のカーチェイスも迫力あったし。
ルーカス&スピルバーグは初期の作品のほうが好きだなあ。金かけなくても才能さえあれば、いくらでも人をひきつける映画が作れるってことだろう。2005.5.30
参考CINEMA:「 「スター・ウォーズ」
テイル・オブ・シネマ Tale of Cinema
ホン・サンス監督、キム・サンギョン, ウン・ジウォン、イ・キウ出演☆「若い男が女と心中を図るが失敗してしまう」という話が、実は、映画の中のストーリーで、その映画を見に行った男が、主演している女優を執拗に追いかける。ホン・サンス監督の得意キャラ、ダメダメ最低男が主演の奇妙なお話。テンポに独特の間合いがあったり、ワンシーン、ワンシーンが絵画的だったりするのが欧州では受けているのでしょうか。「うーん。やっぱり、よくわかんないなあ」というのが正直な感想。でも、なぜか、つい選んで見てしまうんですよ。ホン・サンスの作品。主演のダメ男役が「殺人の追憶」の刑事役の俳優だとは終わるまで気づかなかった。まったくキャラが違った。役者だなあ。2005.10.7
第10回釜山国際映画祭にて 参考CINEMA:「「女は男の未来だ」「豚が井戸に落ちた日」「浜辺の女」
10ミニッツ・オールダー 人生のメビウス TEN MINUTES OLDER: THE TRUMPET
アキ・カウリスマキ、ヴィクトル・エリセ、ヴェルナー・ヘルツォーク、ジム・ジャームッシュ、ヴィム・ヴェンダース、スパイク・リー、チェン・カイコー監督☆巨匠と言われる監督たちのわずか10分の短編集。それぞれ個性があって違いを楽しめた。とくにヘルツォーク監督の短編は、「フォッツガラルド」に出てきた原住民たちのその後を描いた作品で興味深かった。映画撮影時には堂々としていた原住民たちも、外の社会に接することで、たくましさを失い、腑抜けになってしまっていた。物を持ち便利な生活を送ることは、反面、人の心の豊かさや、知恵、やる気をそぐことにもなる。仕方のないこととはいえ、なんだかやりきれないさびしさを感じた。
チェンカイコーの短編は、頭の弱い男が更地に自分の家があると思い込んで引越しを依頼するというコメディ。「北京バイオリン」に通じるハート・ウォーミングな作品だった。2005.6.11
テープ TAPE
リチャード・リンクレイター監督、イーサン・ホーク、ロバート・ショーン・レナード、ユマ・サーマン出演☆舞台の映画化。故郷のモーテルの一室で再会した旧友が、過去について話すうちに、お互いの秘密に鋭く迫っていく。薬中のダメ男が、優等生の映画監督を追い詰めていく心理戦は見ごたえあった。元彼女が現れてからは、ちょっとダレだけど。一幕モノなんだが、台詞が巧妙で飽きなかった。これは、舞台で見てみたい作品。2004.5.23 参考CINEMA:
テルミン
スティーブン・M・マーティン監督 サンダンス・フィルム・フェスティバル ベスト・ドキュメンタリー賞受賞☆不思議な音色と演奏方法の楽器テルミンを発明したソ連の発明家の半生をゆかりの人たちの話でつづったドキュメンタリー。楽器発明家という政治とは何のかかわりもなさそうな男が、冷戦という時代に人生を狂わされてしまったんだけど、そのことに対して、決して声高にならず、淡々としたトーンで語られていくのが好感がもてた。2002.6.22
天国の口、終わりの楽園
アルフォンソ・キュアロン監督、ガエル・ガルシア・ベルナル、マリベル・ベルドゥー、ディエゴ・ルナ出演☆メキシコ版「青い体験」「ひと夏の思い出」。親が超金持ちのばか息子と母子家庭の親友が、年上の女と一緒に見たことのないビーチに向かって旅をする。
ドラッグとセックスのことしか頭にない若者と、不治の病におかされて自暴自棄気味の女の道中は、お決まりの性の目覚めが中心。現代の若者で、なんでもありの世の中なんだけど、友達の裏切りだけは許せない、というのはいつの時代も同じなようだ。若者二人が超かわいくてジャニーズ系というのも人気の秘密だろう。
1年後。「今はもう会うこともない」というラストは私好み。けど、隣に座ってた若い女の子は、「なんでだろ?やっぱりお互いの彼女とやちゃってたのがいけなかったのかな」と感想言ってたので「違うだろっ!」って、つっこみいれたくなった。まあそう、解釈されてしまう映画、とも言えるのかもしれないけど。「金持ちのどら息子は、庶民の家の便座を足であげることを、庶民の息子はどら息子の家でトイレに入った後、匂いを消すためにマッチをすることをお互いに内緒にしていた。どうでもいいことなのだけど」というエピローグに彼らの今後の人生が語られていたのよー。ジャニーズだったら、ドラ息子は山下君、庶民は森田剛で決まりだ。2002.9.22
天使がくれた時間 ×
監督、ニコラス・ケイジ出演☆ウォール街で働く若きエリートが、ひょんなことから仕事より学生時代の恋人を選んだ人生を歩むことになってしまう。戸惑いながらも、家族とともに暮らす小さな幸せを知ってしまい、人生を振り返る。ファミリー向けのホームドラマでとくに感動はなし。ださい妻と、バリバリの弁護士になった女優の変貌ぶりはびっくり。女はやっぱり、化粧や衣装でいくらでも変われるものなのねえ。私も手抜きしないで頑張ろう、と我が身を反省。2001.12.25
天使が見た夢
☆工場で知り合いになった若い女が共同生活を始める。が、冷静で賢かった女が遊び人の男に溺れ、次第に二人の間に溝ができる。女二人の共同生活、二人のキャラクターが自分の過去とオーバーラップした。けんかのシーンなんかも、リアル。ラスト、賢かったはずの女が、男に捨てられ自殺するのはショック。強そうに見える人って案外もろいものなんだよね。フランス映画なんだけど、すごく入りやすかった。1999.9.30
ディボース・ショウ INTOLERABLE CRUELTY
ジョエル・コーエン&イーサン・コーエン,ジョージ・クルーニー,キャサリン・ゼタ=ジョーンズ,ジェフリー・ラッシュ,ビリー・ボブ・ソーントン出演☆離婚専門のやり手弁護士と富豪との結婚・離婚で財産を得ようとする女が、あの手この手で騙し合う。原題は「耐えられない残虐行為」という意味だそうです。
騙し合いコメディ好きなんだけど、コーエン兄弟の作品の割にはひねりがなかった気がした。キャサリン・ゼタ=ジョーンズもきれいなだけで演技してなかったし。期待してただけにかなりがっかりの出来。2004.11.20 参考CINEMA:「オー、ブラザー」「レディ・キラーズ」「バーバー」
デイ・アンド・ナイト 日日夜夜 Day and Night
ウァン・チャオ監督、リウ・レイ、ワン・ツェン、ツァオ・ミン出演☆中国の炭鉱で暮らす若い男が、事故で親方を亡くしたことを思い悩みながらも、炭鉱事業を成功させていく。
内容的には真面目で暗い話ではあるんだけど、人間の性欲をコミカルに描いているのが面白かった。主演の役者が味のある演技をしていた。2005.4.3 第29回香港国際映画祭にて
デイ・アフター・トゥモロー THE DAY AFTER TOMORROW
ローランド・エメリッヒ監督、デニス・クエイド、ジェイク・ギレンホール、イアン・ホルム出演☆地球温暖化に関する会議で、海洋学者のジャックは地球の危機を予見。2日後、巨大な竜巻と大寒波が地球を襲う。
パニック・ムービー、久々に見たのでけっこう面白く見れた(ただし前半1時間のみ)。後半はなぜか主役の家族だけ生き残れるお決まりの展開で飽きてしまった。
このところ世界的に異常寒波なため、これが現実だったらと考えると恐ろしくなった。まあ、考えてもどうにもならないけど。現実になったら一瞬で凍ってしまったほうが苦しまなくていいかも。もしものときは浮浪者が一番生活の知恵があるっていうのが面白かった。2006.1.9
ディナーラッシュ DINNER RUSH
ボブ・ジラルディ監督、ダニー・アイエロ、エドアルド・バレリーニ、カーク・アセヴェド、ヴィヴィアン・ウー出演☆ニューヨークのイタリアン・レストラン「ジジーノ」が舞台の群像劇。マフィアとの関係を断ち切ろうとするレストランのオーナーと、名シェフである息子の確執、厨房での人間関係、次々にやってくるわがままな客たちとのやりとり等等…。忙しいレストランの裏側を描きながら、少しずつ人間関係が露になっていく。
はじめはめまぐるしい展開についていけず退屈だったけど、後半、スピードに慣れてからは十分楽しめた。舞台っぽい展開だったけど原作は戯曲かな?2005.3.5
デブラ・ウィンガーを探して SEARCHING FOR DEBRA WINGER
ロザンナ・アークエット監督・出演、デブラ・ウィンガー、パトリシア・アークエット、ジェーン・フォンダ、ウーピー・ゴールドバーグほかたくさん出演☆“大物ミュージシャン・キラー”のロザンナ初監督作品。40代になり、女優の仕事と家庭の両立という壁にぶちあたったロザンナが女優たちにインタビューしてまわるドキュメンタリー。
ハリウッド女優でも、普通の女性のように仕事と家庭の両立に悩んでいるのねえ。まったく違う世界の人たちなんだけど、中年女性の苦悩はいずこも同じ、ということでしょうか。妹ばかりが有名になって、焦る姉の心情も吐露していた。かなり個人的な内容ではあるんだけど、ロザンナに親しみを覚えた。40代なんてまだまだ若いじゃない!年取るのも悪くないかも、と少し楽になった。2004.5.21
チェン・リー監督☆田舎者の母親が、女手一つで育てた娘を踊り子にするために奮闘する。エキセントリックともいえる母親のステージ・ママぶりは、見ているだけでもうっとおしく感じたけど、それだけこの母娘は強い絆で結ばれていた、ということだろう。
「おしん」とか「北京バイオリン」「愛と追憶の日々」に通じる熱血親子愛感動ストーリー。親子の愛は何処でも強い、ということでしょう。中国映画って、世間にさげすまれながらもたくましく生きる女の姿を描いた作品が多いよなあ。過剰演出には正直、辟易した。2005.4.5 第29回香港国際映画祭にて
デュエット ★
ブルース・パルトロウ監督、ヒューイ・ルイス、グィネス・パルトロウ、ポール・ジャマッティ、アンドレ・ブラウアー出演☆久々にヒューイ・ルイスの歌声でも聞いてみようかなあ、と軽い気持ちでみたんだけど、これが意外に面白かった。カラオケコンテストを目指す人々の人間模様をコミカルに描いた作品。「のど自慢」のリメイク版?と思わせるような話。日本的なハートウォーミングさが気に入った。とくに、セールスで毎日、飛行機で飛びまわりすぎて、切れてしまったセールスマンと歌のうまい黒人の友情ストーリーはちょっと泣けた。マイレージが80万もあるのに、いざというとき使えないって、いうのがリアルでおかしかった。2003.4.5
デンジャラス・ビューティー
監督、出演サンドラ・ブロック☆サンドラけっこう好きなんだけど、すっかりB級女優になってしまったなあ。でも、意外とあってるかも。サラ・ジェシカ・パーカーのようにテレビ向き女優だ。相手役の男優、どっかでみたことあると思ったら、去年のアカデミー賞でジュリア・ロバーツがつれてた男だ。もうとっくに別れただろうけど。2002.2.24
電話で抱きしめて
ダイアン・キートン監督・主演、メグ・ライアン、リサ・クドロー、ウォルター・マッソー出演☆老いた父親の面倒をみながら、過去を思い出す女性とその姉妹。始めはテンポよくて、マッソーのギャグも冴えていて、おもしろかったんだけど、回想が入るたびにつまんなくなった。構成がヘタ。もっと、コミカルにできなかったものか。おしいなあ。 2001.6.11
トーク・トゥ・ハー ★★★ 2003 My Best1 CINEMA
ペドロ・アルモドバル監督 レビューはCINEMAの監督たち(P・アルモドバル)へ
トラブル・マリッジ カレと私とデュプリーの場合 YOU, ME AND DUPREE
アンソニー・ルッソ、ジョー・ルッソ監督、オーウェン・ウィルソン、ケイト・ハドソン、マット・ディロン、マイケル・ダグラス出演☆新婚カップルのモリーとカールのもとに、カールの友人デュプリーが転がり込んできた。自由奔放なデュプリーは、二人の甘い新婚生活をメチャメチャに…。一方、カールはモリーの父から信頼されずに悩み始める。
ビッグスター夢の競演!の割には、日本では未公開。なんてことはないコメディなので仕方ないかな。でも、いい男だけどオタクっぽいO・ウィルソンのおバカな魅力はしっかり発揮されていました。この映画の共演がきっかけでケイトに惚れちゃったのかな?O・ウィルソン、繊細そうだからなあ。ちょっぴり同情。はやく立ち直ってほしいです。2007.9
トータル・フィアーズ THE SUM OF ALL FEARS
フィル・アルデン・ロビンソン監督、トム・クランシー原作、ベン・アフレック、モーガン・フリーマン、ジェームズ・クロムウェル出演☆トム・クランシーの小説「恐怖の総和」の映画化。ジャック・ライアンシリーズけっこう好きなので見てみた。
が、スピード感がほとんどなく、映画の見せ場がラスト30分だけ。アクション映画としてはちょっとなあ、だったけど、さすがにストーリーはGOOD。
ナチの残党が、友好関係にあるロシアとアメリカを戦争させようと企み、アメフトの試合会場を核爆発させる、なんてぞっとする話だ。
ロシア側高官、アメリカ側高官、ナチ残党それぞれのキャラがはっきりしてないので、ナチ残党がアメリカ高官の一人?なんて錯覚してしまった。ストーリーは面白いのだから、悪役にもっと個性的な俳優使えば面白かったのにー。残念。
エンディングも超安っぽい。なんで、核爆発に巻き込まれたはずのジャックとその恋人が、元気そうにイチャイチャしてられるのかも不思議だった。この映画は、核爆発によってどれだけの被害があるのかよく知らない人が作ったのでしょうか?核爆弾が、普通の爆弾扱いされてた。まあ、エンタテイメント作品ですから仕方ないか。2005.3.12
飛ぶ教室 DAS FLIEGENDE KLASSENZIMMER
トミー・ヴィガント監督、エーリッヒ・ケストナー原作、ウルリヒ・ノエテン、セバスチャン・コッホ出演☆ドイツの寄宿舎の子供たちが、喧嘩したり秘密基地作ったりしながら、友情を深めていく群像劇。子供たちのキャラクターがみんなとっても魅力的。喧嘩の強い男の子の顔がカーンに似てて、いかにもやんちゃそうでかわいかった。基地で見つけた戯曲「飛ぶ教室」を今風にアレンジしてラップ調の舞台にするなど、趣向も凝らしていたし、テンポがよくて楽しめた。2005.6.24
トニオの奇跡 Il miracolo
エドアルド・ウィンスピア監督☆自動車事故に遭った後、死の床にある人々を生き返らせると評判になった少年の成長物語。展開が遅くて、とっても退屈な映画だった。少年が心を通わせる不良少女の苦悩がちっとも伝わってこなかった。イタリア映画祭参加作品。2004.4.29
トランスポーター THE TRANSPORTER
ルイ・レテリエ監督、リュック・ベッソン製作・脚本、ジェイソン・ステイサム、 スー・チー出演☆運び屋のプロが生きたアジア人女性を運んだことから、命を狙われる。
最初のカーアクションがかっこよくて、引き込まれた。スー・チーはあんまり好きじゃなかったけど、この映画ではけっこうかわいかった。2004.6.17
トロイ TROY ★
ウォルフガング・ペーターゼン監督、ブラッド・ピット、エリック・バナ、オーランド・ブルーム、ダイアン・クルーガー、ピーター・オトゥール出演☆「トロイの木馬」で有名な古代ギリシャのトロイ戦争を壮大なスケールで描いた大作。トロイ王子の弟パリスがギリシャ王の弟の妃ヘレンを奪ったことから、トロイ対ギリシャの戦争がはじまる。
ギリシャの一匹狼アキレスはかっこいいヒーローではあるんだが、ギリシャ側よりも、トロイの王族のほうが素敵に描かれていた。とくに王子のヘクトル。弟思いで家族思いで国を愛する王子の生き様はお見事でした。
それに反して、トラブルメーカーの弟パリスはちゃっかりしてる最低男だった。オーランドがなさけなーい王子を好演していた。(一番損な役でちょっと気の毒だったけど)
見終わったあとに達成感があった。やっぱりペーターゼン監督は見せ方が上手だわ。2004.5.22
トレーニング・デイ
アントワーン・フークア監督、デンゼル・ワシントン、イーサン・ホーク出演☆麻薬捜査官という表の顔を利用して、裏社会で荒稼ぎする悪徳刑事をデンゼル・ワシントンが怖いぐらいに見事に演じていた。でも、ちょっと演技つくりすぎーと思ったのは私だけ?好きな俳優だけにやり過ぎ、という気がした。やっぱり、根っからの悪役ってあわないんだよねー。期待してただけにちょっと残念でした。2002.7.23
トラフィック ★
スティーブン・ソダーバーグ監督、マイケル・ダグラス、キャサリン・セダ・ジョーンズ、ベニチオ・デル・トロ出演☆ティファナとサンディエゴを舞台にした麻薬密売人と刑事たちの攻防を独特な雰囲気で描いた力作。ソダーバーグってあんまり好きじゃなかったけどこの映画はさすが、とうならせる映画だった。もう1度みたい。メキシコの話はセピア色、マイケル・ダグラスと薬中毒の娘の話はブルー、と舞台によって色を使いわけているのがおしゃれ。メキシコのシーンがインディーズっぽくて格好いいんだけど、私は、サンディエゴのどっからみても犯罪者みたいな刑事コンビの話がいちばん楽しめた。殺されたラテン系の刑事役の役者、よくわきで出るけどいい味だしてた。
2001.5.5 参考CINEMA:「オーシャンズ11,12」「エリン・ブロコビッチ」
トリック・ベイビー
監督、ビンセント・ギャロ出演☆史上最悪の悪ガキが鑑別所を脱走。次々と人を殺し、モノを盗み、メキシコへ逃げる。その残虐さを辛いと感じるのは年のせいかな、と思うぐらい、始めは見てて嫌になった。けど、後半、少女を殺人キラーにしてしまったシスターが出てきてからは涙を誘うものがあった。ギャロは、はまり役。
2001.1.2
トラブル・ボックス
ウディ・アレン監督、アレン、マイケル・J・フォックス出演☆ソビエトとの冷戦真っ只中。アメリカ大使館に住む大使の馬鹿息子と、そこへ駆け込んで来たアメリカ人の観光客のおばかなどたばた劇。アレン風なエスプリはきいていたが、たのしめなかった。
2001.6.12 参考CINEMA:「スコルピオンの恋まじない」「おいしい生活」「さよなら、さよならハリウッド」「マッチポイント」
トゥウェンティ・フォー・セブン24/7
☆イギリスの田舎町で暮らす若者が、一人の男の呼びかけでボクシングをはじめるが、ある悲劇によって結局は昔と変わらず生活が続く。あやまって人を殺した男の末路は浮浪者になって死んでいく。という、暗い、救いのない映画だった。2000.4.2
どつかれてアンダルシア MUERTOS DE RISA
アレックス・デ・ラ・イグレシア監督、エル・グラン・ワイオミング、サンティアゴ・セグーラ出演☆ドン臭いニノと口のうまいブルーノの漫才コンビが、お互いの性格を妬むうちにどんどんエスカレートし、殺し合いになってしまうブラック・コメディ。漫才コンビが不仲になって殺しあうっていう設定は好きなんだけど、今ひとつノリについていけず。映画より連ドラのほうがおもしろそうだ。2005.11.23
Dr.Tと女たち DR.T & THE WOMEN
ロバート・アルトマン監督、リチャード・ギア、ヘレン・ハント、ファラ・フォーセット、ローラ・ダーン、シェリー・ロング、タラ・リード、ケイト・ハドソン、リヴ・タイラー出演☆個性豊かな女たちに振り回されるハンサムな産婦人科医Dr.Tの受難の日々をコミカルに描いた群像劇。
診察にやってくる患者はみんなリッチでわがまま言いたい放題。妻は幸せすぎて心を病み、その妹は離婚調停中でアル中の気あり。さらに、結婚を控えた長女はレズビアンで、次女は陰謀オタク。そんな女たちに失望した男はヘトヘトになりゴルフ場の美人スタッフに救いをもとめる。ところが、この女にも実は裏があって…。
バラエティにとんだ人間たちを巧みに組み合わせて、ひとつのドラマに仕上げる技はさすがアルトマン!日本ではまるで話題にならなかった作品だけど十二分に楽しめた。女優陣も超豪華で、みんな生き生きしていた。
ただ一人、ヘレン・ハントの演技だけは相変わらず…。私はこの女優の声としゃべり方がどうも苦手だ。裏声の出来そこないみたいな声なんだもの。年のわりにやぼったいし。どうしていつも、いい男から好かれる役なんだろ?納得いかん。2005.5.28
参考CINEMA:「バレエ・カンパニー」「ロング・グッドバイ」「ゴスフォード・パーク」「ターナー・オン・ターナー」
ドゥ・ユー・クライ・フォー・ミー・アルゼンチーナ Do U Cry 4 Me Argentina?
Bae Youn Suk監督、Kim Bo-rum, Cho Duk-kyu出演☆10歳でアルゼンチンにわたった監督自身が経験した移民たちの生活の現実を、ラップを交えてポップに描いた作品。在アルゼンチンのコレアンという、あまり一般的でないマイノリティの生活を垣間見れておもしろかった。結局、マイノリティには末端の仕事しかなくて、そこから這い上がるためには、ヤクザ稼業でのし上がるしかないんだろうなあ。以前、NYで会ったタクシーの運転手は、韓国から南米に渡った後でNYにきて運転手してる、って言ってたけど、そういう人生、大変だろうけどドラマチックでちょっとうらやましい。2005.10.8
第10回釜山国際映画祭にて
ドッペルゲンガー
黒沢清監督、役所広司、永作博美、ユースケ・サンタマリア、柄本明出演☆天才研究者の男が、自分の邪悪な分身「ドッペルゲンガー」に人生を狂わされる話。生真面目で人付き合いの下手な研究者と、やりたい放題のドッペルゲンガーのコンビは面白かったけど、今までにもドラマとか映画で見たような話で正直飽きてしまった。役所宏司は好きな役者だけど、ちょっと出すぎ。2005.4.26 参考CINEMA:「アカルイミライ」
ドット・ジ・アイ dot the i
マシュー・パークヒル監督、ガエル・ガルシア・ベルナル、ナタリア・ベルベケ、ジェームズ・ダーシー出演☆ロンドンにやってきた過激なスペイン女性が、独身最後のパーティでブラジル出身の男とキスをしたことから、危険な三角関係にはまっていく。
女が金目当てなのか、婚約者に裏があるのか、どちらかだろうと思っていたが、ラスト30分のドンデン返しは圧巻だった。
ガエル君はかわいかったけど、この映画では女に翻弄される役だったのでちょっとがっかり。チェ・ゲバラ役とアルモドバル作品ではもっと輝いてくれているでしょう。2004.8.4
ドッグヴィル DOGVILLE
ラース・フォン・トリアー監督、ニコール・キッドマン、ポール・ベタニー、クロエ・セヴィニー、ローレン・バコール、ジョン・ハート(ナレーション)出演☆床に家や道などを書いただけの村「ドッグヴィル」。そこへ、ギャングに追われた美女グレースが迷い込み、助けをもとめる。村人に気に入られ、すっかり打ち解けたかのように見えたグレースだったが、農夫にレイプされたことをきっかけに、村人のいじめがエスカレートしていく。
グレースへのいじめシーンは、目をそらしたくなるぐらい辛かった。
集団心理の怖さ、嫉妬心など、人間のいやらしい部分をしつこく描いているところがフォン・トリアー監督らしい。グレースの最後の決断は、ちょっと意外だったが、どっちにしても、後味が悪いことに変わりはないんだよね。
正直、フォン・トリアー監督の映画は苦手だ。監督は絶対サディストだ、っていつも思う。「21グラム」のような「やりきれない」映画は好きなんだけど、意地悪な映画はやっぱり好きになれない。2004.9.27
参考CINEMA:「ダンサー・イン・ザ・ダーク」、脇役(ポール・ベタニー)
ドニー・ダーコ DONNIE DARKO
リチャード・ケリー監督、ドリュー・バリモア製作総指揮・出演、ジェイク・ギレンホール、ジェナ・マローン、メアリー・マクドネル、パトリック・スウェイジ出演☆17歳の少年ドニー・ダーコが奇妙なウサギの着ぐるみをつけたフランクに導かれて、悪夢のような「28日6時間42分12秒」を体験する。
悪夢ワールド好きなので見てみたが、想像以上に奇妙な世界だった。「サカキバラ」少年は、この少年のようにもう一人の自分に導かれて猟奇殺人を起こしたのかも、と思わせるぐらい心理描写が巧みだった。もし、十代の頃に見たら、もっと鋭く何かを感じていたかもしれない。鈍くなってしまった自分がちょっと悲しかった。004.5.9
ドライブ
サブ監督、 堤真一、柴咲コウ、安藤政信、筧利夫、寺島進、大杉漣ほか出演☆法廷速度を守らずにいられない几帳面な営業マンが、銀行強盗の一味に拉致され、行動をともにするうちに、自分の生き方に目覚めていく。
堤、大杉、寺島といったサブ組の面々がまたまた個性的な演技を披露してくれた。
抜け駆けした銀行強盗(筧)が穴の中に手を入れたら、腕が抜けなくなった、といったおバカなエピソードは私好み。
ただ、もうちょっと全体的にスピード感が欲しかったかなあ。
柴咲コウって梶芽衣子の若い頃に瓜二つ。そればかりが気になってしまった。2003.10.11 参考CINEMA:「マンデイ」「幸福の鐘」
ドグマ
ケヴィン・スミス監督、ベン・アフレック、マット・デイモン出演☆ブラックコメディなんだけど、楽しめなかった。堕天使たちの抗争をおもしろく描いてはいたんだろうけど。。。
2001.1.2 参考CINEMA:「クラークス」「チェイシング・エイミー」
ドッグ・ショウ
クリストファー・ゲスト(J・M・リー・カーチスの夫)監督・出演、ユージン・レヴィ、キャサリン・オハラ、、パーカー・ポージー、ルイス・アークエット出演☆バイリンガルの友人に超オススメ!との推薦を受けてたので、かなり期待した。そのわりにはあっさりしてたが、奇妙な人々がたくさんでてきて、おもろかった。犬ごときで、と見てる側は思うんだけど、うちのペットが一番!!と自慢しあう人々は実際、何どもお目にかかっているので、「いるいるこーいうの」と笑いながら見れた。優勝した夫婦が、歌まで歌っちゃうシーンはケッサク!2001.9.3
参考CINEMA:脇役(ユージン・レヴィ)
同居人
ダグラス・ジャクソン監督、ドナルド・サザーランド出演☆ある青年が、上司の家に入り込んで家族を破壊していくサイコ・キラー・ストーリー。深夜、テレビで途中まで見てみて面白かったので借りたけど、なんのことはない、自分を捨てた親への復讐劇だった。「火曜サスペンス劇場」のノリで、がっかり。サイコに理由はいらないのに…。実の親ということなら、あのあっさりしたラストはないんじゃないの?と、思うのは日本人だからかも。アメリカ人はやっぱり非情ですから。2001.9.13
独立少年合唱団
緒方明監督、香川照之出演☆70年代の田舎の中学校で、少年たちが合唱団を結成。その裏には、学生運動の終焉という時代背景が隠れていて、合唱団の顧問は元学生運動家。少年たちはその教師の別の顔に薄々気付きながらも、教師を慕い合唱に打ち込む。ラスト、指名手配された教師の友人が自爆するシーンはもの悲しかった。2002.2.13 参考CINEMA:「いつか読書する日」
ドクター・ドリトル
エディ・マーフィー出演☆あのなつかしのドリトル先生の面影すらない作品。エディの作品、私は受け付けないようです。1999.10.5