旅先で出会ったCINEMAたち

釜山編 pusan
2005.10.6-10.11

10月6日から始まった第10回釜山国際映画祭に参加してきました。
今年はどんな作品&スターに出会えたのでしょうか…。

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10月6日**日本→釜山
10月7日*J・チェン大サービス!
10月8日*話題作プロモ・パーティ
10月9日*生でドンウォン
10月10日*慌てて食べ歩き
10月11日*釜山→日本


10月6日

4:00PM 出発2時間前に成田に余裕で到着。NWカウンターは長蛇の列である。E-チケットなので別の窓口でチェックインできるはず、と、係員に聞いてみるが、人によって言うことが違う。対応の悪さは相変わらずだ。セルフチェックインができるというので、トライしてみるが、マイレージカードを通したら「窓口へ行け」と出てしまう(パスポートだけスキャンすればよかったようだ)。
さらに運悪く、NWの入口で荷物チェックをされるはめに。
私:「NWで荷物チェックされるの、これで2回目なんですけど、一人旅だからですかあ?」
係員:「10人に一人ぐらいの割合でランダムに選んでるんですよ。お客様は見るからに何も問題はないんですけれど」
 と、申し訳なさそうに言いながら、荷物をチェックする手つきはキビキビ。
規則だからしかたないけど、目の前で知らない男性に、下着や化粧道具までチェックされるのって、とても恥ずかしいし、いやーな気分。
私:「じゃあ、私ってかなり運が悪いんですねー」
と、言ってはみたが、ほんとにランダムなのかは怪しいものだ。
そんなこんなで振り回されてあっという間に1時間近く過ぎてしまう。

5:00PM 続いて携帯電話を受け取るため、ドコモのカウンターを探す。ところが、地図に出ている付近にカウンターが見つからない。ぐるぐる回って、結局NOKIAの店員に聞いてみる。
やっと見つけたら、今度は、ターミナルの逆側のカウンターへ行け、との指示。事前にチェックしておかなかった自分が悪いのだが、最近はネットでなんでもことが済んでしまうだけに、最後のツメが甘くなる。反省。

6:40PM 定刻どおり出発。のはずが、一向に飛び立たない。空港の渋滞待ちらしく、電気を消されたまま、30分ぐらい待たされる。暗くて本も読めなーい、とまたイライラ。
隣と後ろには、韓国人の家族連れが座っていて、落ち着きなくしゃべっている。ちょっと派手目の中年娘は「ガソリンのにおいがくさいね!」と話しかけてきたり、私の飲むビールを見て「同じのがほしい」と言い出したり、「イヤホンがないので貸して」と私が乗務員に頼んでるそばから、「私の使ってよ」と、口を出してくる。親切というかおせっかいというか、気さくというのか…。いわゆる“関西ノリ”である。国の南寄りに住んでる人って、どこでも人懐っこい気質なのだろうか。

9:00PM 釜山へ到着。200$をウォンに換金して、1番のリムジンバス乗り場へ(5000W)。ここで20分ほど待たされる。15分おきに出発と書いてあっても、客がいれば待ってくれるようだ。
さすがに映画祭の期間のせいか、欧米人の姿が目だつ。
途中で運転手が、バスのトランクを開けっ放しで走っていることに気づき、急停車して閉めに行く、というハプニングがある。荷物が落ちていたらどうしよう、と心配になるが、無事でした。

 バスが映画祭のオープニング・パーティー会場前を通りすぎた。きらびやかなネオンと人の波を見て、映画祭にきたことを実感し、ワクワクする。
 1時間弱で海雲台にあるグランド・ホテルへ到着。豪華なホテルだが、私の宿泊はその裏のゴールデンビーチ・ホテル。ボーイに場所を尋ねたら、「ホテルじゃなくてモーテルだよ」というので、若干心配になるが、思ったよりも普通のホテル。部屋はきれいだし、バスルームが広いのもマル。
入口が目立たないのと、部屋の開閉をフロントが管理しているあたりは、ちょっと御休憩ホテルっぽくはあったけど、場所がいいのでよしとしよう。旅窓で予約して1泊約8000円はまあ満足。ただし、チェックアウトの時、ドアが開かなくなったのには焦った。勝手にフロントで閉められていたようだ。リモコンやホテルの案内が英語表記なしなのも×かな。

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10月7日

BEACH 7:30AM 空腹で目が覚める。昨晩、軽食程度の機内食を食べたきりで、水しか飲んでいなかったのだ。ホテルの周りでコンビニを探しているうちに、プレスセンターのある観光案内所にたどり着く。
センターが開くまで、マクドナルド(約3000w)で朝食をとったり、ビーチをブラブラ。釜山は日本よりも暖かい。
パラダイスホテル近くでトレードマークのキャップをかぶったキム・ギドク監督とすれ違う。カメラ片手に一人で散歩のご様子。映画祭ならではのラッキーなハプニングだ。

9:00AM IDカードを受け取った後、チケット発行が出来るグランド・ホテルのフロントへ。去年と違って、プレス用チケットが売り切れでも、一般券や立ち見券がその場で購入できるシステムになっていた。おかげで、見るのをほぼ諦めていた当日11時からの映画のチケットもゲットする(ただし、当日と翌日のチケットしか買えず、また、立ち見券は当日でないと発券できないシステムになっていた)。

11:00AM 地下鉄・海雲台駅そばの「SfunZ(と書いてなぜかスポンジと読む)」というビルの6階にあるMEGABOXで、韓国で大ヒットした映画「ウエルカム・トゥ・ドンマッコル」を鑑賞。上映前、ゲストのイム・ハリョン(おじさん兵士役)が客席にいたことから、観客のおばさんたちがサインと写真をねだりはじめた。快く応じるゲストも偉いが、気安く話しかける客のパワーに唖然。釜山の人って自由人なのねー(映画評はこちら)。

1:30PM 続いてホン・サンス監督の「テイル・オブ・シネマ」を鑑賞。今年のカンヌにノミネートされた作品なので期待してみたけれど…(映画評はこちら)。
 上映後、監督&主演二人の舞台挨拶を見る(約30分)。「聞く」と言いたいところだが、通訳の声が小さくてほとんど聞き取れず。
 ホン監督は作風から想像したとおり、ちょっと気難しそうなタイプ。でも、自分のこだわりをしっかり持っていて、観客からの質問には真摯に答えていた(あくまで想像)。
 プレス関係者だと思うが、客席にパソコンを持ち込み、質疑応答をダイレクトに打ちこむ姿をあちこちで見かけた(ちょっと耳障り)。
 写真を撮るのは自由なのだが、会場が暗いので素人カメラではうまく撮れず。

3:30PM 食事する時間がないので、コンビニでキムチおにぎりを買い、ゴールデンビーチ・ホテルからロイヤル・キングダム・ホテル(1泊約1万円/1部屋)までタクシーで移動する。タクシーは日本の1/3以下で、たったの2000ウォン(約200円)。
ホテルはちょっとはずれの高台にあって古い感じがしたが、窓から見える景色はオーシャンビュー!。でも、景色をゆっくり眺める暇もなく、慌てておにぎりをほおばった後、今晩のアウトドア・シアター用の防寒着を持って出かける。

myth 5:30PM パラダイスホテル2階のジャッキー・チェン主演映画「神話 Myth」の記者会見場へ。すでに入口はマスコミであふれている。ドアが開くと一斉になだれ込み、IDカードのチェックなどしていない様子。このアバウトさが釜山のいいところである。
会場で旧知のM記者に会ったので、携帯の番号を交換しあう。試しにかけ合ってみるが、なぜか私の携帯は、発信はできるのに着信ができない。
「あれれ?使えないなあ」などと言ってる間に、ジャッキーが韓国女優キム・ヒソン(ドラマ「悲しき恋歌」のヒロイン)&監督スタンリー・トンと一緒に登場!(写真)
ジャッキーはおじさんにはなっていたけど、さすがスターだけあってオーラあり。記者の質問は当然のように99%ジャッキーに集中する。ただ座っているだけの監督がちょっと気の毒になる。まあこれはジャッキーの映画だから仕方ないか。

hedwig7:00PM 時間があったのでスタバでお茶した後(約3000W。物価の割りに高い)、オープンシアター会場「ヨットセンター」へ移動。入口付近には、グッズ売り場やスポンサーのブース、屋台があり、ちょっとした夜祭り会場のよう。屋台のメニューはハングルだけで、何と読むのかもいくらなのかもさっぱりわからず。でも、ずうずうしく「チキン。焼き鳥」と日本語&英語だけで言ったら通じた。
 ちなみに、屋台で売っていた「うどん」と「おでん」は、日本語のまま使っていた。「反日感情が強い」と世間では言われてるけど、おいしい物は万国共通!「ドンマッコル」じゃないけど、いがみ合っていても“うまいもん一緒に食べれば、それだけで友達”ということだ。

7:30PM のんびりしてたら、オープンシアター前方はすでに客で埋まってしまっていた。場所取りしておくべきだった。
映画上映の前に「ヘドウィグ&アングリー・インチ」のプレミア・ショーが行われた(写真)。
2002年のMYベスト1映画で(映画評はこちら)、三上博史版の舞台も見に行ったばかり、という思い入れの強い作品なので、韓国版も大いに楽しむ。
韓国では3人のキャストがいるらしく、最初に出てきたヘドウィグは毒々しさにかけていたが、大トリは毒&色気たっぷりの歌いっぷり。
2、3曲だけかと思ったら、6曲も歌ってくれてトクした気分になる。
 十分満足したところで、“ジャッキー御一行様”登場! 
さすがスター。しっかり衣装代えてきてました。
ジャッキーが言ってることはさっぱりわからなかったのだが、「ビョンホン」という単語だけはしっかりキャッチ! どうやら、客席にビョンホンが見に来ていたようなのだ。一瞬、騒然となるが、何がなにやらわからぬままザワザワは収束。生ビョンホン見逃したー。
長いファン・サービスのあと映画「神話 Myth」が始まる。大画面に、ジャッキーのでっかい顔のアップが!しかもカブリモノ!似合わなーい。これは、かなりコメディ色が強いのでは?、と期待が膨らむ(映画評はこちら)。

10:30PM 上映終了後、帰りの足が心配だったが、早めに会場を出てきたので、すぐにタクシーがつかまった。
ホテルに戻り、今晩のフライトでやってきた友人Kと合流。さっそく、携帯の番号を交換し合うが、またつながらず。
説明書を見ながらいろいろ試してみて、やっとこ成功(番号の前に+81をつけないとつながらないことが判明。どちらの電話も説明書が不明確)。
なんだか頼りない携帯電話なので、なるべく時間を決めて待ち合わせをしよう、ということで落ち着く。

*教訓1:日本から借りた携帯電話は、この後も、10回に1度ぐらいしかつながらず、まったく役にたたなかった。
「電話機がおかしいのでは?」と問い合わせてみたが「日本からはかかるので問題ない」と言われるだけ。現地で確かめるスベはないという。
帰国後、再度、苦情を言うと「うちは基本的に日本から海外へかけるためのサービスなので」と、開き直られた。
 次回、携帯を借りるときは、少々面倒でも、現地の電話を借りることにしよう。せっかく借りても使えないなら、意味ナシ!

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10月8日

会場

10:00AM 今日も釜山は穏やかな秋晴れ。しばらく散歩でもしたい気分だが、目的は映画を見ること。
なので、中国の新人監督の映画「ワン・サマー・ウィズ・ユー」を鑑賞(映画評はこちら)。懐かしい香りのする作品で、途中退席するのは忍びなかったが、ぜひ見たいと思っていた韓国のサスペンス映画「血の涙」の上映会場へ移動する(映画評はこちら)。上映終了後、MEGABOXの下にあるフードコートでランチ(ビビンバ・4000W)。味はまあまあだったが、まともな食事は久しぶりだったのでおいしく感じる。

3:00PM 続いてアルゼンチン映画「Do U Cry 4 Me Argentina?」を見るため、地下鉄で南浦洞へ移動する。駅の窓口が閉まっていたので、発券機の前でモタモタしていると、若い女性が切符の買い方を教えてくれ、さらに「PIFFならチャガルチ駅で降りるといいわよ」と、とっても親切。
乗り換えはスムーズだったものの、1時間近くかかってしまい、上映時間5分前に到着。さらに釜山劇場前は、ゲストの妻夫木聡(orエリック)待ちの人でごった返していて、満員電車のよう。駆け込みで劇場入りすると、すでに監督の挨拶は始まっていた(映画評はこちら)。

5:30PM 映画が思ったより早く終わったので、PIFF広場をウロウロする。映画スターの顔入りバッグをもらうため、長蛇の列ができていたので、試しに並んでみる。が、30分たってもいっこうに列が進まないので諦める。ただの紙袋のために何時間も並ぶ感覚はちょっと理解に苦しむが、映画スターの人気は日本をはるかに上回っている証拠だろう。南浦洞は、釜山市民みんなが映画祭を楽しんでる雰囲気を肌で感じられて楽しい。おいしそうな店も多くて、やっぱりこっちを拠点にすればよかったかな、と少々後悔する。

daisy1 daisy2 8:00PM 海雲台に戻り、新作映画「Daisy」のプロモーション・パーティ会場「ウェスティン朝鮮ホテル」へ移動する。
人気スターが来るだけあって、周りは興奮気味。釜山に来て初のパーティなので、私も少々浮き足立つ。
プレス以外に一般の招待客もいて、みんな大事そうに招待状を握り締めながら並んでいる。
 会場には、飲み物&食べ物が用意されていたのでしっかり腹ごしらえ。メイキング・フィルムが大画面に映し出された後、いよいよスターの登場!
 監督のアンドリュー・ラウと、主演のチョン・ジヒョン、チョン・ウソン、イ・ソンジェが舞台に並ぶ(左上写真)。
前にカメラが陣取っているため、私はわずかな隙間を見つけて撮影する(ピンぼけ失礼)。
3人の俳優はみんな緊張気味。一番余裕があるのはラウ監督で、待ち時間に客席で談笑までするサービス(右上写真)。
 映画は、豪華なスタッフ&キャストが結集したラブ・ストーリー&刑事アクションものらしい。傑作「インファナル・アフェア」シリーズの監督が韓国スターをどう料理するか、見ものである。(その他のパーティはこちら

夜景10:00PM パーティ終了後、夜のビーチを散歩する。ウェスティン朝鮮ホテルからパラダイスホテルまでのビーチがライトアップされていて、とてもロマンチック。土曜日だからか、家族連れからカップルまでけっこうな人がビーチに出ていた。
 パラダイスホテルでCHANEL主催のパーティがあったので、外から覗いてみる。映画祭の時期は、毎晩のように何かしらパーティがあるようだ。
セレブが来るたびに“追っかけ”が黄色い声をあげている。何処でも“追っかけ”パワーは恐るべし。

ビョンホン*教訓2:実はこの日の昼、妻夫木聡とイ・ビョンホンの2ショット会見を逃すという大失態をしでかした。日々更新されるイベント・リストを小まめに見ていなかったのと、日本を出発した6日の夕方に日本のメディアで流れたため、情報キャッチできなかったのだ。この失態にはさすがに凹んだ。毎朝プレスセンターに顔を出して、その日のイベントをチェックするべきだった。大反省!
(c)The 10th Pusan International Film Festival.

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10月9日

10:30AM 今日の1本目はビョンホン主演の「甘い人生」。昨日の「2ショット会見見逃しショック」がまだ尾を引いていて、朝から元気が出ない。
落ち着き払った会場の雰囲気からビョンホンの舞台挨拶はないと察知するが、念のためスタッフに聞いてみる。
案の定、「俳優は来ません」ときっぱり言われる。日本人ファンらしき集団もあちこちで見かけたが、ビョンホンが来ないことがわかっているようで、みんなの顔が沈んでいる。
 それでも、せっかくチケットを取ったので、あらためて「甘い人生」を鑑賞。1度目よりも脇役に目がいき、内容にもいいイメージが持てた。それと、気のせいかもしれないが、生き埋めシーンや拷問シーンが短くなっていたような。。ちょっとハードすぎる、ってことでカットされたのだろうか。

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2:00PM カン・ドンウォン主演のアクション映画「刑事 dualist」を見るため、南浦洞へ移動する。毎度のことだが、この会場の遠さには大いに不満である。往復している間に映画が1本見れるっていうのは時間のロスがありすぎだ。
 またまたギリギリで釜山劇場へ駆け込む。すでに1階は満席。今度はスターの舞台挨拶が期待できそうだ。
 上映終了後、監督&カン・ドンウォン&アン・ソンギが登場!(右上写真)カン・ドンウォンは緊張しているようだったが、その初々しさが若者らしくてイイ。
 会場からの質問の1番手が日本から来たファンだったのには驚いた(もちろん女性)。日本の“追っかけ”の熱心さは、世界でも誇れますね。
 その後も、あちこちから手が挙がり、矢継ぎ早に質問が飛ぶ(左上写真)。
日本の映画祭では、遠慮してなかなか手が挙がらないことが多いのだが、ここ釜山の人はみんな積極的。司会者が制しないとしゃべり続ける客もいるぐらいだ(映画評はこちら)。
 (映画の途中、気分が悪くなりロビーで休憩していた友人Kは、名優アン・ソンギと遭遇。ロビーのソファに一般人のように座っていたので、握手してもらったそうだ。映画祭ならではのラッキーなハプニングだ)。

4:00PM  続いて、PIFF広場にある「18番」というワンタン屋で腹ごしらえする。あっさりスープとトロトロに煮込んだワンタンは、ちょっと小腹が空いたときにはGOOD。有名店らしく5時には長蛇の列が出来ていた。私たちはちょうど食事時間とずれていたので待たずに入れた。
 時間が少しあったので、30分マッサージにトライする(23000W)。値段は日本と変わらずマッサージの方法も同じ。肩のこりがとれてリフレッシュ!

7:30PM 海雲台から2つ先のチャンサン(Jangsan・萇山)駅に新しくできたシネコン「Primus」へ、1時間かけて移動(7番出口から地上にでてすぐの7、8階)。
ここで、韓国映画「Time Between Dog and Wolf」を鑑賞する(映画評はこちら)。

9:30PM 上映後、空腹がピークになったので、開いている店に適当に入る。たまたま見つけた店はホルモン焼き肉屋。言葉は通じないけど親切な店員にすすめられるまま焼肉を注文する。想像していた肉とは違い、身体によさそうな淡白な何かがでてきた(小腸?)。

11:00PM ホテルへ戻った後、すぐ裏にあるサウナ「Vista」へ(7900W)。やっぱり韓国にきたら汗蒸幕ははずせません。
夜遅いし、英語も日本語も通じないので戸惑ったが、掃除してるオバちゃんを捕まえて「ハンジュンマク、どこ?」と、日本語で言い続けたら、なんとかなった。
 いつも思うことだが、熱意があればたいがいは通じるのよねー。
 海外を旅すると、言葉が思うように通じなくてイライラしてしまうけど、通じないことを楽しむ余裕があれば、旅は何倍も思い出深いものになるのです。
この店には汗蒸幕以外にも、いろいろな温度に設定した部屋(チムジルバン)があり、テレビを見ている人がいたり、寝てる人がいたり、と、思い思いにサウナを楽しんでいる。
広い店だったので、私はつい欲張ってあれこれ試してしまい、ゆっくり寝ている暇ナシ。
夜12時を回っても、客がどんどん入ってきて、地元の人にはかなり人気がある店のようだ。ただ、男女兼用だったので、胸元がはだけたまま寝転がれないのがちょっとねえ^^;。

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10月10日

ppp11:00AM 映画まで時間があったので、パン屋でゆっくり朝食をとった後、MEGABOXでライト・コメディ「Way to go,Rose」を鑑賞。あまり期待していなかったのだが…(映画評はこちら)。
 続いて、パラダイス・ホテルへ戻り、フィルム・マーケット「PPP」の様子を覗く(左写真)。
 ここはビジネスの場。みんな真剣に商談している。昨日よりも、さらに日本人の数が増えた感じがする。韓流ブームのおかげで、韓国映画は売れ行き好調なのだろう。

2:00PM パラダイス免税店でショッピングした後、西面にあるロッテホテルまでの無料バスに乗り込む。地下鉄よりも、外の景色を見ながらの移動は楽しい。
西面には初めて降りたが、道は広いし、ロッテ百貨店&ホテルは大きくて、歩くだけで疲れる。
 とくに欲しいものもなかったので、ガイドブックに載っている「海東ヘムルタン」という店を探す。ところが、地図の見方が悪いのか、いっこうに見つからない。
地図を持ってうろうろしていると、道端で野菜売ってるおばちゃんが、「私にまかせな」って顔で「おいでおいで」してくるので、地図を見せると、あっさり「わかんない」。
釜山のおばちゃんって、おもろいよなあ。わかんないくせに親切。でも、この人懐っこさが気に入った。
 結局、見つからなかったので、ロッテホテル裏にある「五福参鶏湯」と書かれた店に入る。前のような感動はなかったけど「韓国にきたら必ず食べよう参鶏湯!」。

市場

4:00PM 西面から地下鉄で2つ目の凡一洞をブラブラ。この町は「チング」の舞台となった場所で、「国際ホテル」前で撮影もあったらしい。「チング」ファンとしてははずせないロケ地である。
 ところが、期待していたのと違って、道は広いしビルも多い。高層アパートが回りにどんどん建っていて「昔ながらの下町」とは程遠い。「門田」という駅まで歩いてみたが、とくに目に留まるものもなし。

6:00PM 地下鉄で海雲台まで移動途中、また親切なおばちゃんに出くわす。ぼんやり手すりに捕まって立っていると、「あそこの席、空いてるよ」と、指を差して教えてくれた。立っていてもよかったのだが、せっかくの親切だから素直に着席。
 次の映画まで時間があるので海雲台市場をブラブラする。干物やとうがらしなど、韓国らしい品物が並んでいる。なかに、茶色の豆腐のような物体を発見。買っていくおばさんに、日本語で「これ、何?どうやって食べるの?」と聞いたら、ハングルでまくし立てられる。それでもひるまず、店の人に頼んで、一口食べさせてもらう。香ばしいけどちょっと苦い不思議な味。日本語らしき言葉で「ドングリ」と言ってたけど、ほんとかな? 酒の肴に食べるものなのでしょうか?
続いてディスカウント・ストア「SAVE ZONE」の地下で食料品を物色。あれこれ試食して、日本ではあまり見かけない「干し大根のキムチ」を購入する(500gで7000W)。白菜キムチより倍高かったが、酸味があって美味(家でも大好評でした)。

7:30PM  いよいよ釜山でみるラスト映画になってしまった。まだまだ見足りないのだが、最後に船橋敦監督がオダギリジョー主演で撮ったロード・ムービー「ビッグ・リバー」を鑑賞する(映画評はこちら)。舞台挨拶では、監督の紹介者として、あのアン・ソンギがまたまた登場! 名優なのに親しみやすい雰囲気で、すっかり虜になりました。

9:30PM 映画終了後、友人らと合流して最後の晩餐へ。夜遅くまでやっている焼肉屋「オンヤンスップル・カルビ」へ移動する。
タクシーの運転手はまたもや店を知らない。どのガイドブックにも載ってるのになあ。地元の人はあまり行かない店なのだろうか。
平日の遅い時間のせいか、流行っていないのかは知らないが、店には客がまったくいなくて貸切状態。しばらくして、もう1組やってくるが、日本の映画配給会社の人だった。
肉は、それほど「おいしい!」とは思わなかったが、貸切状態だったので、周りを気にせず、映画談義に花を咲かせる。
酒の力をかりて、またまた毒舌はいてしまったが、映画の話題で盛り上がり、つい時間を忘れて話し込んでしまう。

1:00AM 閉店。店員が客をホテルまで送ってくれる。味はまあまあだったけど、落ち着ける店だし、親切だったのでマル。
初日が、マクドナルドとおにぎりではじまったので、この最終日のランチ&ディナーはかなり満足できました。

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10月11日

8:30AM ホテルを出発。今日はただ帰るだけなので気持ちも緩む。余裕で空港に着くかと思ったら、道が混んでいて1時間以上かかってしまう。でも、ここ釜山の空港は成田と違ってこじんまりしているので、5分でチェックイン終了。

11:40AM 釜山を定刻どおりに出発。空港で、舞台挨拶に来ていたV6のメンバーに遭遇。誰かが小さな声で「V6だ!」って言うのを聞かなかったら、気づかなかったかも。昨日は、韓国の若いギャルに「キャーキャー」言われ、もみくちゃにされてたんだろうけど、空港ではほとんど誰にも気づかれていなかった。
 スターでも出入国審査に特別扱いはないようで、みんなと一緒に、きちんと順番を待って、列に並んでいました。感心感心(あたりまえか)。
 終わってみれば、あれもこれも見逃したー、と後悔ばかり。
 またいくぞ、釜山! たとえ韓流ブームが終わっても、映画祭は続くのですから。

unforgiven その他、見逃してしまった作品やイベント:
【コンペ・グランプリ受賞作品】
「The Unforgiven」(写真)
Yoon Jong-bin監督
Ha Jung-woo, Seo Jang-won出演

軍隊に入った若者たちの戸惑いや人間関係を描いた作品。

【観客受けのよかった映画】
「Host & Guest」
Shin Dong-il監督、Kim Jae-rok, Kang Ji-hwan出演

大学講師が家のトイレに閉じ込められたことから起こる騒動を描いた作品。

「Five Is Too Many」
アン・スルギ監督(1970年生まれの新人)、Ryu Hyung-kuen, Cho Si-nae出演

家出した少年ドンギュは店員が投げた石が頭に当たり記憶喪失になってしまう。ドンギュはその店員の家に居候することになるが…。


【プロモーション・パーティ】
*韓流スターが競演する大作のプロモーション・パーティが毎夜、華々しく開かれていました。

「美しき野獣」(キム・ソンス監督、クォン・サンウ、ユ・ジテ主演) 熱血刑事&切れ者検事コンビが裏社会に立ち向かうアクション映画。髪を伸ばしたクォン・サンウは“モムチャン”(マッスルのこと)と言われるわりには意外に華奢で、ユ・ジテのほうがたくましかった(友人談)ということです。日本は来春公開予定。

「タイフーン」(クァク・ギョンテク監督、チャン・ドンゴン、イ・ジョンジェ主演) すでに釜山の街中でもポスターが貼られている大作。北と南、両方の国から見捨てられ海賊になった男(ドンゴン)と国を守ろうとする男(ジョンジェ)の対決を描いた大作。韓国では12月公開、日本では来春公開予定。

「青燕」(ユン・ジョンチャン監督、チャン・ジニョン、キム・ジュヒョク、仲村トオル主演 )韓国初の女性飛行士パク・キョンウォンのドラマチックな半生を描いた作品。韓国では12月公開。

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