気まぐれCINEMAレビュー BackNumber
1999〜2005年
【カ行】
過去の「気まぐれCINEMAレビュー」をまとめました。満足度は★で、がっかり度は×で評価しました。
五十音順にタイトルが並んでいます。
データベースとしてご活用下さい。
【過去の年間BEST3】 BackNumber CINE LATINO (2007年〜 中南米映画 日本未公開版 2007年〜 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ク】【ケ】【コ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 1999〜2005年 【ア】【イ】【ウ】【エ】【オ】 【カ】【キ】【ギ】【ク】【グ】【ケ】【コ】【ゴ】 【サ】【シ】【ス】【セ】【ソ】 【タ】【チ】【ツ】【テ】【ト】 【ナ】【ニ】【ヌ】【ネ】【ノ】 【ハ】【ヒ】【フ】【ヘ】【ホ】 【マ】【ミ】【ム】【メ】【モ】 【ヤ】【ユ】【ヨ】 【ラ】【リ】【ル】【レ】【ロ】 【ワ】【タイトル不明】 |
輝ける青春 LA MEGLIO GIOVENTU ★★★ 2005 My Best1 CINAMA
マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督、ルイジ・ロ・カーショ、 アレッシオ・ボーニ、アドリアーナ・アスティ、ソニア・ベルガマスコ出演
ストーリー:
1966年。ローマに住むカラーティ家は、商売人の父と教師の母、そして4人の子供のいる中流家族。兄ニコラはいつも友達に囲まれている人気者だが、次男マッテオは本が好きで繊細な性格である。
タイプの違う二人の兄弟は、精神病院に入院中の少女ジョルジアを連れて彼女の故郷へと旅をする。ガラスの心を持つジョルジアに、マッテオは惹かれながらも素直に接することができない。一方、ニコラはストレートに彼女へやさしさを注ぐ。
ジョルジアが不運にも警察へ連れて行かれたことをきっかけに、兄ニコラは精神科医へ、弟マッテオは軍隊へ、と、別々の道を歩むことになる。
1977年。精神科医として気高く生きるニコラは、精神病院で不当な扱いを受けるジョルジアと再会。また、反政府活動家「赤い旅団」に身を投じる妻ジュリアの行く末を危惧する。一方、マッテオは警官としてシチリアへ赴任し、ミレッラという女性と出会う。名前を聞かれたマッテオはとっさに兄の名前を語ってしまう。
1983年。マッテオはローマの警察に勤務し、再会したミレッラとデートをする。愛情表現のうまくできないマッテオは彼女につらくあたってしまう。一方、テロリストとして指名手配中のジュリアは、ニコラの親友の暗殺指令を受ける。
そして大晦日、カラーティ一家に悲劇が訪れる。
レビュー:あるイタリア人家族の波乱の37年を時代を追って丁寧に描いた大河ドラマ。学生運動やフィレンツェの大洪水、「赤い旅団」事件といった時代背景、ローマ、トリノ、シチリア島などの美しい映像、役者たちの渾身の演技等々、どれをとっても一級品で、それらがうまく絡み合って、一つの大きなうねりを作っていて、映画のお手本ともいえるような傑作だった。
とくに、ニコラとマッテオ兄弟の青春期を描いた前半は、次の展開に胸を躍らせながら見ていた。
映画は、おもに兄ニコラの視点から描かれているのだが、ひねくれ者の私はやっぱり脇役に目がいってしまった。
気持ちをうまくコントロールできないマッテオには特別に感情移入してしまい、なんだか自分の分身のように思えてならなかった。それだけに彼の最後の選択は辛かった。でも、私の身代わりになってくれたのかも、なんて勝手に解釈して「マッテオ、お疲れさま&ありがとう」と、声をかけたくなった。
深読みのしすぎかもしれないが、マッテオの兄への気持ちは、兄弟愛を越えた特別なものを感じた。兄の名前を語ったり、女装した娼婦を買うといった異常ともとれる行動は、兄への愛情が歪んだ形であらわれたのではないだろうか。
ニコラは確かに素晴らしい人格者であり、尊敬に値する人物。でも、彼の明るさ、曇りのなさ、ぶれない心が、知らないうちにまわりを追い詰めている気がしてならなかった。
それはマッテオだけでなく、ニコラの妻にしても同じである。
テロ活動に身を投じた愚かな妻ではあるけど、子供を上手にあやせない、仲良し家族の輪に入れず違和感を覚える、といった些細なことが蓄積して、自己嫌悪に陥っていったのだろう。
もちろん私はニコラを責めるつもりはない。彼に非はないし、みんなニコラを心から愛していた。けれど、みんながニコラのようにまっすぐには生きられない。だから苦しむのだ。
後半はニコラと母の苦悩を中心に描いている。
教師と精神科医という聖職にある二人が、マッテオの心の闇に気づかなかったことで苦しむ姿をみて、今度は「ごめんなさい」とマッテオの代わりに謝りたくなった。
寛容で熱くて美しいニコラ。そしてそんな兄になりたかったマッテオ。
スクリーンの向こうの兄弟に、私はすっかり熱をあげてしまった。
“たかが映画”である。ただの作り事である。
でも、それぞれのキャラクターに感情移入することで、救われた気持ちになれるのが“されど映画”の醍醐味、といえるだろう。
最後に一言。陽気でマイペースなイタリアーンの父親が私の理想の人間像だ。いい加減に見えるけど、ちゃんと子供の性格を理解していて、子供としっかり向き合っている。あんな人間になりたかったな。2005.12.30
参考CINEMA:「ペッピーノの百歩」
がんばれ、リアム
スティーブン・フリアーズ監督 レビューはCINEMAの監督たち(スティーブン・フリアーズ監督)へ
カーサ・エスペランサ 〜赤ちゃんたちの家〜 CASA DE LOS BABYS
ジョン・セイルズ監督、マーシャ・ゲイ・ハーデン、ダリル・ハンナ、リリ・テイラー、マギー・ギレンホール、メアリー・スティーンバーゲン、スーザン・リンチ、リタ・モレノ出演☆養子縁組のため南米のホテルに滞在している6人の女性の交流を描いた群像ドラマ。うそつきで見栄っ張りのナンシー、トレーニング中毒のスキッパー、男嫌いのレスリーなど、立場も個性も、子供を持ちたい事情も違うんだけど、「子供がほしい」と思う気持ちだけは共通だから、そこで奇妙な連帯感が生まれる。もちろん、陰口言い合ったり、足をひっぱりあったりもするけど、お互いの気持ちがなんとなくわかるから、嫌な部分も許せてしまう。
「同類相憐れむ」という言葉があるけど、“同情”は、ときには“愛情”より強くなるものなのかもしれない。「嫌な女と素直な女が先に養子縁組に成功する」というラストが気に入った。善人悪人にかかわらず、みんな子供を持つ権利はあるんだ、ということだ。私も養子が欲しくなった。経済力さえあれば、だけど。2005.5.2 参考CINEMA:「サンシャイン・ステイト」「LIMBO最果ての地」、CINEMAの脇役たち(リリ・テイラー)
過去のない男 The man without a past
アキ・カウリスマキ監督,マルック・ペルトラ、カティ・オウティネン出演☆暴漢に襲われ記憶喪失になった男の出現によって、つまらない日常を送っていた人たちの生活に少しずつ変化が起こる。ストーリーは毎度のことながらありがちな話なんだけど、アキ監督独特の映像は健在。無表情な役者たちの不思議ワールドにはまってしまった。
アキ監督の映画はどことなくデビッド・リンチに似ている。バーの壁に亡きペロンパーの写真が飾ってあったのでうれしくなった。今回の主役のマルックも“田舎もんのショーケン”みたいで味があってよかったんだけど、やっぱりペロンパーにはかなわない。(ロケ場所のバー「モスクワ」はアキ監督が経営しているらしい)2004.1.4
参考CINEMA:「白い花びら」
火山高 VOLCANO HIGH
キム・テギュン監督、チャン・ヒョク、キム・スロ、クォン・サンウ、シン・ミナ、ホ・ジュノ出演☆高校を舞台にした痛快ワイヤーアクション映画。「カンフー・ハッスル」っぽいノリの軽さと粋のよさが魅力。主演のチャン・ヒョクもかわいい。韓流お気に入りリストに追加!2005.6.11
華氏911 FAHRENHEIT 9/11
マイケル・ムーア監督☆ジョージ・W・ブッシュ大統領と「911」の首謀者ビン・ラディンを真っ向から批判した話題のドキュメンタリー。
ブッシュ一族とサウジの関係はよく知らなかったので興味深かった。もっと風刺のきいた内容なのかと期待したが、意外に正攻法のドキュメンタリーだった。
イラクで戦死した兵士の家族へのインタビューは、テレビで流れる普通のニュース番組のようで、ちょっと鋭さにかけてたかなあ。井筒監督がクソミソにけなしてたけど、ちょっとわかる気もした。2004.9.25 参考CINEMA:「ボーリング・フォー・コロンバイン」
風の痛み
アゴタ・クリストフ原作、シルヴィオ・ソルディーニ監督、イヴァン・フラネク、バルバラ・ルクソヴァ出演 ☆イタリア映画祭出品作。風変わりな原作をどのように料理するのか興味があって見に行った。
小説とは別物であったが、東欧社会から逃げだした人間たちの苦悩がヒシヒシと伝わってくる感動作に仕上がっていた。主人公は、東欧の小さな村からスイスに逃げ、10年以上、工場で働いている過去のある青年。一人、部屋で小説を書くことだけが楽しみの青年が、わけアリの幼なじみリーヌと再会し、恋に落ちていく。
単なる悲恋映画にとどまらず、裏には移民のつらさ、悲しさが付きまとっていて、憂いがある。監督はイタリアの若手の実力派らしいから、今後に期待したい。
【雑感】イタリア人は陽気というイメージがあるが、映画はしんみりとした文芸ものが多いのはどうしてだろう?
インド映画みたいに、海外に出るのが文芸作品で実際は軽いエンターテイメント作品が大多数なのだろうか?
一度、イタリアに行って現地でどんな映画がはやっているのか、見てみたい。2003.5.4 参考CINEMA:「ベニスで恋して」
カッティング・エッジ
ピーター・マッカーシー監督、ジェームズ・レグロス、イーサン・ホーク、ビリー・ボブ・ソーントン、スティーブ・ブシェミ、ジョン・キューザック出演☆LAに住む青年が、職を失い、恋人に裏切られ、自暴自棄になっていく、屈折青年の苦悩と再生の物語。独白を多様して青年の苦悩を描くあたりは「タクシー・ドライバー」っぽいのだが、舞台はNYでも70年代でもない。
90年代LAという設定に見合った描き方をしていた。脇がやたら豪華で、主役は「アリー」の脇役者、というのがインディ映画っぽい。ただ、青年がすてきな彼女を見つけ再生する、というエンディングは私の好みじゃない。
あくまで、彼には狂気の部分を残してほしかった。でないと、あの苦悩はただまっとうに生きるための通過点に過ぎなくなる。
せっかく狂う一歩手前までいったんだから、簡単に引き返されたら、見てるほうは「何だったの?」と、消化不良を起こす。
エンディングに関しては好みの問題なのでこのへんで止めときます。2003.5.9
彼女の恋からわかること TEN TINY LOVE STORIES
ロドリゴ・ガルシア監督・脚本、ラダ・ミッチェル、デボラ・アンガー,キャシー・ベイカー出演☆10人の女性たちがカメラに向かい自らの恋愛体験を赤裸々に告白する。恋の種類は人の数だけあるんだろうなあ。恋を語るときの女性の表情が絵になるってことを実感できた。2004.7.13
彼女をみればわかること ★★
ロドリゴ・ガルシア監督、グレン・クローズ、キャリスタ・フロックハート、キャメロン・ディアス、ホリー・ハンター出演☆ロサンゼルスに住む女たちの孤独、苦しみを、寓話タッチでえがいたオムニバス映画。それぞれ、世代も環境もちがう女たちが、哲学てきなちょっとだけ奇妙な人との会話で、自分の孤独感を浮き彫りにしていく。グレン・クローズが占い師に言われる一言一言や、銀行の支店長にからむ浮浪者の女の言葉など、女の胸のうちをえぐるような台詞で、引き込まれた。ひさびさ気持ちを揺さぶられる映画で感動した。2001.7.4 参考CINEMA:「美しい人」
神に選ばれし無敵の男 INVINCIBLE UNBESIEGBAR
ヴェルナー・ヘルツォーク監督、ティム・ロス、ヨウコ・アホラ、アンナ・ゴウラリ出演☆ドイツの鬼才ヘルツォーク監督の作品をはじめて鑑賞。真実の物語ってことだけど、もし、あの怪力男の話を誰かが信じていたら、ホロコーストは起こらなかったのかも…などとしみじみ考えてしまった。主演の怪力男とピアニスト役の女性は演技未経験らしいけど、見事に演じていた。2004.11.5 参考CINEMA:「フィツカラルド」「ノスフェラトゥ」「カスパー・ハウザーの謎」「ワイルド・ブルー・ヨンダー」
花様年華
ウォン・カーウアイ監督、マギー・チャン、トニー・レオン出演☆1960年代の香港。あるアパートに住む2つのカップルの話。隣り同士で不倫をされた男と女。2人は同じ苦しみを共有しあううちに、プラトニックな恋に落ちる。ずっと、2人の視点から描かれてて、お互いの妻と夫は後ろ姿のみ。じれったいほどのプラトニックさがおしゃれ。
イメージ映画とでもいうのか、ほとんど写真の世界。マギー・チャンの衣装替えがすごく印象に残る。トニーはあんまり格好いい役じゃなかった。2001.4.28 参考CINEMA:「2046」「欲望の翼」「愛の神 エロス」
カルマ
ロー・チーリョン監督 レスリー・チェン、カリーナ・ラム出演☆レスリーの遺作。昔の彼女の亡霊に、ビルの屋上まで追い詰められるクライマックスは、目を覆いたくなった。
映画の中では、助けてくれる人がいたが、現実では誰も助けられなかったということだろう。何で死んじゃったんだろう。
スクリーンでレスリーを見るたびに思うんだろうな。あらためて合掌。2003.9.8 参考CINEMA:「欲望の翼」
カルメンという名の女
ジャン=リュック・ゴダール監督、マルーシュカ・デートメルス、ジャック・ボナフェ、ミリアム・ルーセル、クリストフ・オーデン出演☆銀行強盗団の女と、彼女を追っていた警察官との禁断の愛。苦手なゴダール映画にトライしてみたが、やっぱりわけわかんなかった。2004.12.4
カレンダー・ガールズ CALENDAR GIRLS
ナイジェル・コール監督、ヘレン・ミレン、ジュリー・ウォルターズ、シアラン・ハインズ出演☆ヨークシャーの田舎町で「婦人会ヌード・カレンダー」が製作され、話題となった実話の映画化。
地味なおばちゃんたちが、ドキドキ、ワクワクしながらヌード撮影に望むくだりが笑えた。「撮影2時間前には、あとがつくからブラをはずさなきゃいけないのかあ」なんて、とってもためになった。ただ、有名になってからの話がちょっと長すぎた気がする。質素で真面目に暮らしてた中年主婦たちが、ヌードを撮ると決意するまでの話を、つっこんで描いてくれたら、もっとおもしろかったのになあ。残念。余談だが、主役のヘレン・ミレンは「レイ」の監督、テイラー・ハックフォードの妻らしい。知らなかった。2005.6.25
カンダハール
モフセン・マフマルバフ監督、ニルファー・パズィラ、ハッサン・タンタイ、サドユー・ティモリー出演☆タリバン政権下のアフガニスタン・カンダハール。内戦を逃れてカナダへ移住した女性ジャーナリストが、母国に残した妹の命を救うため、アフガンに潜入する。圧制下で暮らす人々の日々の恐怖心が伝わってきて、見ていて辛かった。2001年9月11日のテロ前に撮影されたらしいけど、その後はどうなったんだろう? アフガンの今の姿も見てみたい。2005.8.13
カンデアルの奇跡
フェルナンド・トゥルエバ監督、ベボ・バルデス、ジルベルト・ジル、カエターノ・ヴェローゾ出演☆キューバ出身のピアニスト、ベボが音楽のルーツをさがしにブラジルのバイーアを旅し、「カンデアル」というコミュニティで子供たちと振れあうミュージック・ドキュメンタリー。
ベボ・バルデスの存在を知らなかったのだが、キューバ映画「夜になるまえに」のサントラにもしっかり名前あり。映画のなかでも独特のリズム感で演奏してました。
カエターノの「ブラジル」に感涙。ボサノバからサンバまで、ラテン・ミュージックがてんこ盛りになった音楽映画で、理屈抜きで楽しめた。やっぱり音楽映画は、大きな画面で見るに限ります。2005.9.25
カンフーハッスル KUNG FU HUSTLE
チャウ・シンチー監督・出演☆ギャング団「斧頭会」と、貧民街「豚小屋砦」で暮らす人々の対決をコミカルに描いたカンフーコメディ。カンフーの達人たちの仮の姿が、ことごとくかっこ悪いのが、お決まりなんだけど楽しめた。「カンフー映画の往年のスターや、ブルース・リー映画を彷彿とさせるシーンが満載」らしいけど、カンフー映画詳しくないのでどれだかわからなかった。
それにしてもチャウ・シンチーの顔って特徴ないよなあ。あれじゃあ、お笑いタレントも物真似しづらいだろうなあ、なんて余計な心配してしまうのは私だけ?2005.1.9 参考CINEMA:「少林サッカー」
ガン&トークス GUNS and TALKS
チャン・ジン監督、シン・ヒョンジュン、ウォンビン、チョン・ジェヨン、シン・ハギュン出演☆イケメン4人の裏の顔は「殺し屋」。リーダーのサンヨン、爆発物専門のジョンウ、スナイパーのジェヨン、サンヨンの弟でパソコンマニアのハヨン。それぞれのキャラクターがしっかりしていて、おまけにみんないい男なので、ストーリーはつまらなかったけど十分楽しめた。「キャッツアイ」の男版みたいな感じ。敵対する刑事もいい味出してた。2004.10.17
顔 ★
阪本順治監督、藤山直美、佐藤浩市、牧瀬里穂、豊川悦司、大楠道代、国村準、岸部一徳、渡辺美佐子出演☆妹を殺して逃げる女が逃亡生活の間で、人と出逢い、少しずつ冒険をしていく。それまで、家にこもりきりだった中年女の新しい人生が生き生きと描かれてて、藤山直美さまさまという感じ。初恋の相手に告白するシーンはなんか、すごーくせつなくて、じわ、っときた。なんだろ、この感じ。阪本ワールドにはまったよ。
2001.1.2 参考CINEMA:「KT」「この世の外へ」「ぼくんち」「亡国のイージス」
カリスマ
黒沢清監督、役所宏司、池内博之、風吹ジュン、大杉漣、松重豊出演☆投げやりに生きる刑事がある森に迷い込み、そこで「カリスマ」と呼ばれる謎の木を巡って人々が争う騒動に巻き込まれる。
「カリスマ」を神と仰ぐ少年と「カリスマ」は悪魔だと信じる植物学者、ほかにも、「カリスマ」を奪おうとするヤクザ集団や、不気味な療養所が絡み…。
はっきり言ってよくわからない世界なんだけど、1本の死にそうな木を巡って人々が争い、殺しあう姿がこっけいで、単純にコメディとして楽しめた。「カリスマ教」とでもいおうか、まるで、電磁波がどうのこうの言ってる白装束軍団のような雰囲気があって、やってる本人たちは真剣なんだよね。なんて言ったら不謹慎なのかなあ。でも、笑いながらも、その世界にはまってしまう刑事の気持ちもわからなくない。つまりは、現実から逃げずにいられない人々はこの世にたくさんいるということだろう。2003.5.25
参考CINEMA:「アカルイミライ」
カンゾー先生
今村昌平監督、柄本明、唐十郎、世良政則、松坂慶子、麻生久美子出演☆終戦を控えた夏の岡山。なんでも肝臓病だという町医者とその町の人々の生活を土臭く、描いている。今村節。みんなたくましくて生きることに貪欲。そしてかんぞー先生は肝臓病に取り付かれてる。町の人々、一人一人がすごくよく描かれていて、私は「うなぎ」よりも好き。ラストは想像通り、原爆の雲。久々の傑作です。1999.8.15 参考CINEMA:「にっぽん昆虫記」
救命士
マーティン・スコセッシ監督 レビューはCINEMAの監督たち(M・スコセッシ監督)へ
奇人たちの晩餐会
フランシス・ヴェベール 監督、ジャック・ヴィルレ、ティエリー・レルミット出演☆ある出版会社のオーナーは、変人をあつめて笑いとばす晩餐会に夢中。そんあある日、マッチでビルを作るのが趣味の男を晩餐会に招待。が、ぎっくり腰になり、妻は出て行くという災難に見舞われる。そこへ、その変人がやってきて、オーナーをトラブルに巻き込む。想像してたのと違い、シンプルなコメディだった。変人は真面目だから面白いんだよね。人を馬鹿にするのって、人が集まるとよくやるし、盛り上がるけど後でむなしくなるんだよね。その心理をよくついてると思う。フランス映画に、笑いの共通点を感じたのって始めてかも。2000.7.31
キス★キス★バン★バンKISS KISS (BANG BANG)
スチュワート・サッグ監督、ステラン・スカルスガルド,クリス・ペン,ポール・ベタニー出演☆殺し屋稼業から足を洗おうとした中年男フィリックスが、部屋に閉じ込められて育った33才の少年ババの子守の職につく。心は少年、体は中年という難役をクリス・ペンが演じていたのに驚いた。影でフィリックスの身を守る弟子をポール・ベタニーが好演。やすっぽいB級スパイ映画のようなノリの軽さが心地よかった。2004.8.21
参考:脇役(ポール・ベタニー)
季節の中で (2度目)
トニー・ブイ監督、ハーヴェイ・カイテル製作総指揮・出演☆ホーチミンから帰ってきたばかりだったので、見てきた風景が随所に見られて楽しめた。
宿泊したマジェスティック・ホテルが、高級ホテルの代名詞として使われていたのが印象的だった。
娼婦とシクロの運転手、蓮摘みの女と病気の主人、娘を探すアメリカ人など、いくつかの話が盛り込まれているが、なかでも、まがい物を「10万ドン」とふっかけて売る少年が商売道具をなくして探し回るエピソードが一番よかった。旅の予習復習にもってこいの作品です。2003.11.29 参考:ベトナム旅行記
季節の中で
☆ ベトナム、ホーチミン。近代的になりつつある町には、シクロの運転手や娼婦、物売りの子供、ハスの花つみなど、まずしく健気に暮らす人がおおぜいいる。その人々をオムニバス風に描いた作品。ハーベイ・カイテルがベトナムに残した娘に会いにきた話もほんの一編で、ドキュメンタリーをみているような映画だった。ただ、娼婦の女の子がブスなのが、ちょっとねえ。それにはんしてハスの花売りの子は超きれい。恋愛ドラマはやっぱりブスでも表情がいい、とか美人とかじゃないとね。ハーベイ・カイテルはベトナムになにか思い入れがあるのだろうか。そう思わせる映画だった。2000.7.31
キャスティング・ディレクター HURLYBURLY
アンソニー・ドレイザン監督、ショーン・ペン、ケヴィン・スペイシー、メグ・ライアン、ロビン・ライト・ペン、チャズ・パルミンテリ出演☆中年男4人が集まって喧嘩したり愚痴を言い合いながら話が進んでいく舞台の映画化。中年男の内輪の集まりに加わったことないので興味深く見れた。男ってけっこう女々しい話してるのねえ。女同士のほうがもっと過激かも。でも、若い女連れ込むのはやっぱり男ならでは。ヒットした舞台らしいけど、映画にするなら、もうちょっと脚色してほしかったな。展開がなさすぎて飽きてしまった。豪華キャストだし、S・ペンがベネチアで男優賞とった作品のわりには地味だった。
ところで、邦題「キャスティング・ディレクター」ってなんなの?主役の職業とはまったく関係のない内容だし、英語タイトルの意味は「ゴタゴタ」。意味のない邦題つけるぐらいならそのままにしてくれー。2005.10.25
キャスト・アウェイ
ロバート・ゼメキス監督、トム・ハンクス、ヘレン・ハント出演☆世界を又にかける宅配会社「フェデックス」に勤めるやり手サラリーマンが、飛行機事故で無人島へ。そこで孤独な日々を過ごしながら4年をすごし、奇跡的に生還。ところが、恋人には新しい家庭があり……。ハリウッド映画らしいわかりやすさ。バレーボールのウィルソンとの交流(?)は胸打たれました。それにしてもヘレン・ハントってやっぱり魅力ない女優だ。2001.10.20
キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン CATCH ME IF YOU CAN
スティーヴン・スピルバーグ監督、レオナルド・ディカプリオ,トム・ハンクス,クリストファー・ウォーケン,マーティン・シーン,ナタリー・バイ出演☆60年代に実在した小切手偽造の天才アバグネイルの半生を描く。次々に大金を奪って豪遊しても孤独感から抜け出せない若者の姿をディカプリオが初々しく演じていた。でも、正直退屈な駄作だった。2004.2.28 参考CINEMA:「マイノリティ・レポート」「ターミナル」「AI」「ミュンヘン」
キューブ CUBE
ヴィンチェンゾ・ナタリ監督、モーリス・ディーン・ウィン、ニコール・デ・ボア出演☆昨年話題になった恐怖もの。気持ち悪―系かと思ったら、全然違って、キューブ(立方体)に閉じ込められた人間の脱出と、究極の中での人間関係を描いた心理ホラーだった。アイデアの勝利といえる作品。舞台は立方体の中だけ。かなり安上がり。捕らわれた人間は、刑事、医者、数学科の学生、脱出名人の囚人、精神病患者、そして、何も知らずにキューブの外壁を設計した男。キャラの描き方は甘いと思ったけど、数字をキーワードにした、なぞ解きはよくわからない分、おもしろく感じた。2000.1.8
宮廷料理人 ×
ローランド・ジョフィ監督、ジェラール・ドパルデュー、ユマ・サーマン、ティム・ロス出演☆ルイ王朝の話に興味あって借りたけど、今一つよくわからない映画だった。ドパルデューとユマのラブストーリーも中途半端で、なんで死ぬのかよくわからないし。ただ、私が眠かったせいというのもあるのですが、?の多い映画だった。2001.9.1
キリング・ミー・ソフトリー
チェン・カイコー監督、ヘザー・グラハム、ジョセフ・ファインズ出演 ☆町で出会った謎の男との逢瀬を重ね、恋に溺れていく女が、次第に男の過去に疑惑を抱いていく。サスペンスが陳腐だったため、ひたすら男の狂気の愛と溺れる女の姿だけが目に付く映画だった。チェン・カイコーにはやっぱり中国で映画とってほしいです。こんなB級エロチックサスペンスはチェン・カイコーじゃなくても撮れるよ。
参考CINEMA:「北京バイオリン」「プロミス」
キル・ビル KILL BILL: VOL. 1
クエンティン・タランティーノ監督、ユマ・サーマン、ルーシー・リュー、千葉真一、栗山千明☆結婚式の日にかつてのボスに襲撃され、すべてを失った女の復讐ドラマ。映像がスタイリッシュ!ユマが超カッコイー!日本のシーンは笑えるとこだらけ。単純にアクションを楽しめた。私的には、最低男の医者が痛めつけられるシーンが一番、痛そうで面白かったかな。おちゃらけてはいるけど、故深作欣二監督への思いが感じられた。2004.5.19
キル・ビル Vol.2
クエンティン・タランティーノ監督、ユマ・サーマン、デヴィッド・キャラダイン、ダリル・ハンナ、マイケル・マドセン出演☆VOL.1よりも、過去の話がいっぱいで、しみじみさせる映画だった。ただなあ。真面目になるより、最後までおちゃらけで終わって欲しかった気がする。ユマの修行シーンやビルとのやり取りが長くて飽きてしまった。殺し屋の悲しい運命を語るのもいいんだが、ファンが待ち望んでいた絶妙なスピード感がなくて、ちょっと残念。単純な活劇に徹していたVOL.1のほうが私は好き。2004.5.20
キングダム・オブ・ヘブン KINGDOM OF HEAVEN
リドリー・スコット監督、オーランド・ブルーム、エヴァ・グリーン、リーアム・ニーソン、ジェレミー・アイアンズ、エドワード・ノートン出演☆鍛冶屋の平凡な青年バリアンが十字軍に参加し偉大な騎士へと成長していく歴史ドラマ。前半はちょっとたるい展開だったが、十字軍とイスラム軍が一触即発状態となったあたりから、ドラマが盛り上がってきて楽しめた。
「神の王国」エルサレムをめぐるキリスト教対イスラム教の争いは1000年たった今でもずっと続いているんだよなあ。
支配者が変わるたびに、和平と戦争を繰り返してきた歴史に、なんともいえないやりきれなさを感じた。宗教は違ってもお互い尊敬しあえば共存できる。それがたとえ最終的な和解ではないにしても、お互いが譲り合い尊敬しあうことが大事なんだろう。
鍛冶屋の青年が出世して王になる、というサクセスストーリーでなく、戦いを自ら終わらせ庶民に戻る、というラストに好感が持てた。リドリー・スコット映画にしては、めずらしく監督の主義主張が見て取れる作品だった。2005.5.18 参考CINEMA:「ハンニバル」「マッチスティック・メン」「ブラックホーク・ダウン」「グラディエイター」
菊次郎の夏
北野武監督・主演☆一連の暴力ものと「キッズ・リターン」の中間のような作品なのかと思ったら、意外と軽めの作品。暴力シーン、いっさいなし。死の影なし。少年と駄目おやじの母を捜して珍道中。少年とおやじが、いろいろ悪さしながら旅するんだけど、母親とのことで、一瞬、おやじが人間性を見せる。それが、せつないんだよね。後は、“和み”。たけしもいろいろ挑戦する人だよね。商業主義を無視した映画つくり、これからも続けてほしいものです。2000.5.13
参考CINEMA:「座頭市」「TAKESHI'S」
絆
根岸吉太郎監督、荒井晴彦脚本、役所孝司、渡辺謙出演☆過去を持つヤクザの悲しい一生。話は火サスっぽいし、ありがちでおもしろくなかったけど、男が、死を前に有名になった妹のバイオリンを聞くシーンは、ついぐっときた。やっぱり、音楽の効果はすごいんです。役所と渡辺、どっちもいい役者なんだけど、かぶってしまってて、やっぱり似た者役者は共演すべきじゃない、と思った。2000.2.19
キリコの風景
森田芳光脚本、杉本哲太、小林聡美、利重剛、勝村政信出演☆消化器売りの詐欺で捕まった男が営業を研究する内に人の暮らしが覗ける不思議な力を身につけて出所してきた。男は別れた妻を捜しに函館を訪れ、そこで不思議な力を披露する。
超能力を身につけた理由がおもしろい。で、怪しげだけどとぼけた哲太が最高。昔の妻キリコが、まったく謎のない人間なところがまたいい。キリコの夫、勝村と友達の利重もいい味だしてて、うまい役者が不思議な4重奏を奏でていた。1999.8.18
金融腐蝕列島ー呪縛ー
原田眞人監督、高杉良原作、役所広司、椎名桔平、風吹ジュン、佐藤慶、仲代達矢ほか出演☆総会屋への多額の利益供与が発覚した銀行で、若い社員たちが、プライドをかけて銀行改革に挑む。企業戦士もの、けっこう好きなので、楽しく見れた。何よりスピード感があったのがよかった。一時、銀行幹部が総会屋に襲われる事件が多発したことがあったけど、映画の中だけでなく、ヤクザ社会に怯える大企業って多いのかもしれない。総務部長にだけはなりたくない、と思った。(なれないけど)2004.3.23
ギャング・オブ・ニューヨーク ★★
マーチン・スコセッシ監督 レビューはCINEMAの監督たち(M・スコセッシ監督)へ
ギター弾きの恋
ウディ・アレン監督、ショーン・ペン、ユマ・サーマン出演☆ジャズ・ギターは、あまり好きじゃなかったけど、サントラが買いたくなった。これはジャズ映画だね。破天荒なギタリストの半生をさらりと描いているんだけど、音楽がすべての映画。口の聞けない女性は、ミア・フォローがやりそうな役。あのキャラをみれば、ウディ・アレンの映画だと一目でわかるね。2001.12.16 参考CINEMA:「スコルピオンの恋まじない」「おいしい生活」「セレブリティ」「さよなら、さよならハリウッド」「マッチポイント」
ギフト ×
サム・ライミ監督、ビリー・ボブ・ソーントン脚本、ケイト・ブランシェット、キアヌ・リーブス、ヒラリー・スワンク出演☆田舎町に暮らす占い師の女性が、ある殺人事件に巻き込まれる。怖くもなく、不気味でもなく、かといってストーリーにも何の意外性もなく、拍子抜け。個性派俳優ビリー・ボブ・ソーントンが脚本、というから期待したけど、やっぱり彼は俳優だけやってればいいのかも。2001.12.30 参考CINEMA:「シンプル・プラン」「スパイダーマン1,2」
逆転人生(Life Sticks臭い人生)
メル・ブルックス監督・出演、レスリー・アン・ウォーレン、ジェフリー・タンバー 出演☆億万長者が、スラムで1ヶ月生き延びられたらスラムの土地をもらう、という賭けをする。億万長者は今まですべてを金で解決してきたために、始めは生きるのに苦労するが、貧乏だけど心やさしい人たちに助けられ、生き延びる。しかし、賭けの相手は、男を変人扱いし、賭けはなかったことにしてしまう。ありがちなコメディだったけど、自分が金持ちだと信じる男とのやりとりなどに、往年のメル・ブルックスが見え隠れしていた。
2001.8.13 参考CINEMA:「プロデューサーズ」
ギャングスター・ナンバー1
ポール・マクギガン監督、ポール・ベタニー、マルコム・マクダウェル、デヴィッド・シューリス出演☆ナルシスティックでクレイジーなギャングスターの個性が光るスタイリッシュ・ムービー。マルコム・マクダウェルの狂った演技が久々に拝めてうれしくなった。完全にいかれた男だけど、女ができた途端まっとうになろうとする腰抜けのボスより、ずっと素敵。周りから見放されようが「悪の美学」を全うしている潔さが魅力的だった。2004.2.6 参考:脇役(ポール・ベタニー)
ギャンブル・プレイ THE GOOD THIEF
ニール・ジョーダン監督,ニック・ノルティ,チェッキー・カリョ,エミール・クストリッツァ,ナッサ・クヒアニチェ, レイフ・ファインズ出演
レビューはCINEMAの監督たち(N・ジョーダン)へ
黒猫・白猫 ★★★
エミール・クストリッツア監督 レビューはCINEMAの監督たち(E・クストリッツア監督)へ
クジラの島の少女 WHALE RIDER ★
ニキ・カーロ監督、ケイシャ・キャッスル=ヒューズ、ラウィリ・パラテーン出演☆マオリ族出身の作家ウィティ・イヒマエラの原作を、ニュージーランドの女性監督が映画化。 祖先がクジラに導かれこの地へ辿り着いたという伝説を信じているマオリ族の族長は、跡継ぎとなる男の子の誕生を望んでいたが、双子の孫のうち女の子だけが生き残ってしまう。12年後、マオリ族としての誇りを持つ孫娘パイは、男の子だけしか参加できない後継者の訓練を盗み見て、祖父の怒りを買ってしまう。そんなある日、パイの祈りをきっかけに、数頭のクジラが浜に打ち上げられる。
パイ役の女の子の神秘的な美しさと歌声は、鳥肌がたつほど魅力的だった。民族の古い慣習や伝説の話って正直苦手なんだけど、この映画は心の琴線にジンジンと響いてきた。2004.11.3
参考CINEMA:「スタンドアップ」
くたばれ!ハリウッド THE KID STAYS IN THE PICTURE
ブレット・モーゲン監督、ロバート・エヴァンス出演☆名作映画の伝説的プロデューサー、ロバート・エヴァンスの半生を記録したドキュメンタリー。
「ローズマリーの赤ちゃん」の撮影のときにシナトラから「妻(ミア・ファロー)を今すぐ帰せ」と脅されたエピソードや、女優アリ・マッグローとの出会い、「チャイナタウン」のポランスキーの話など、映画界の裏話が面白かった。2004.8.4
クッキー・フォーチュン
ロバート・アルトマン監督、栗田豊通・撮影、グレン・クローズ、ジュリアン・ムーア、リブ・タイラー、クリス・オドネル出演☆ある田舎町。クッキーという老女が自殺するが、エキセントリックな姪が一族の名誉のために殺人に見せかける。ところが一緒に住んでいた黒人男性が容疑者として捕まってしまい…。
殺人か自殺か、というドロドロした話なのに、テンポはスローで、みんなのんびりしてる。自殺したクッキーも死んだ夫に会いに行くんだといって、明るく自殺。だるいブルースをバックミュージックに、スローテンポなミステリーが展開するのが、アルトマンらしい、というべきか。孫娘のリブ・タイラーがものすごくキュート。若手では一番好きな女優だな。あとはグレン・クローズのいっちゃってる演技と、姉にすべてを委ねている足りない妹役のジュリアン・ムーアの名演技につきるね。2000.11.26
参考CINEMA:「ゴスフォード・パーク」「ドクターTと女たち」「バレエ・カンパニー」「ロング・グッドバイ」
クーリンチェ少年殺人事件 (1991年 台湾 188分)
1960年の台北。中国大陸から移住した張家の次男スーは、不良少年グループのボスの彼女と噂される少女ミンと知り合い、思いを寄せる。生真面目なスーは、ミンの仲間と行動を共にするうちに、少年たちの抗争に巻き込まれていく。
一方、家では共産党との関係を疑われた父親が秘密警察に連行される。ミンへの思いを募らせたスーは、ある日、親友マーとミンの仲を知らされる。
台北で実際に起こった14歳の少年の殺人事件を題材に、刹那的に生きる少年たちの真実の姿に迫った青春映画だ。小悪魔的な少女の虜になった一本気な少年の危うい心が丁寧に描かれ、強烈な印象を残す。参考CINEMA:「ヤンヤンの思い出」
暗い日曜日
ロルフ・シューベル 監督、エリカ・マロジャーン,ステファノ・ディオニジ,ヨアヒム・クロール出演☆ハンガリーの首都ブダペストのレストランを舞台に、経営者のユダヤ人とウエイトレス、ピアニストの三角関係を描いた悲しいストーリー。「暗い日曜日」という曲を聞いて多くの人が自殺をしてしまい、社会的に非難を浴びるピアニストの苦悩の姿をもうちょっと見たかった。けど、この映画は、魔性の女であるウエイトレスを巡る愛のストーリーなので仕方ないか。
ユダヤ人対ナチスの話は、あきるほど映画になってるので新鮮さはなかったんだけど、やっぱり何度見てもつらい。多くのユダヤ人を救った、ともてはやされたドイツ人将校が、実はすべては私腹をこやすためだった、という裏話はリアル。知らないうちに男たちの人生を狂わしている、魔性の女には、素養がないだけに感情移入できないが、きっとこの映画をみた男性たちは、みんな彼女のような魔性の女にほれるんだろうなあ。これもまた、リアルな現実……。2003.2.22 参考CINEMA:「戦場のピアニスト」
クリミナル・サスペクツ SCENES OF THE CRIME
ドミニク・フォルマ監督、ジェフ・ブリッジス、ジョン・エイブラハムズ、メッチェン・エイミック、ノア・ワイリー出演☆自動車整備工の若者がギャングの運転手を引き受けたことで、大金強奪事件に端を発したギャングの揉め事に巻き込まれてしまう。車の中と車の周りをメインにした密室劇。悪人だらけで、誰がどういう関係なのかつかめずに終わってしまった。実話らしいけど、とっても地味なつくり。お人よし顔のカーター先生が悪人役っていうのは、どう転んでもミス・キャスト。2006.1.11
クリムゾン・リバー2 CRIMSON RIVERS 2: ANGELS OF THE APOCALYPSE
オリヴィエ・ダアン監督、ジャン・レノ、ブノワ・マジメル☆一作目が面白かったので見てみたが、まったく入れず。聖書にまつわるミステリーって聖書をよく知らない人間にはちょっとわかりにくいところがあるのよね。2005.3.11
クリムゾン・リバー THE CRIMSON RIVERS
マチュー・カソヴィッツ監督・脚本、ジャン・レノ、ヴァンサン・カッセル、ナディア・ファレス、ドミニク・サンダ出演☆アルプスの村にある名門大学で連続猟奇殺人事件が発生。パリから派遣された警視と若手刑事が犯人に挑む。
猟奇殺人シーンは「羊たちの沈黙」「セブン」に匹敵するぐらい残虐で、思わず目を覆ってしまった。宣伝ではクライマックスの雪崩のシーンばかり映すから、ただのアクションものなのかと思ったけど、見応えのあるサスペンスだった。 ヴァンサン・カッセル、よく見ると変な顔だけど、味があるわ。2004.6.21
クレイドル・ロックの夜
ティム・ロビンス監督、エミリー・ワトソン、ジョン・タトゥーロ、スーザン・サランドン、ジョン・キューザック出演☆相変わらず、ティム・ロビンスは資本主義社会を徹底的に攻撃しているねえ。役者としては、つまらない映画に出てるけど、自分で作る映画ではしっかり自己主張してるところが好感が持てた。ただ、話がとっちらかりすぎって、ついていけなかったのが残念。大恐慌時代のアメリカが舞台、ということで、ロックフェラー、オーソン・ウェルズ、フリーダ・カーロ、などなど実名がぞろぞろ登場して楽しかったんだけど、ミュージカルならミュージカル、ドラマならドラマ、とはっきりさせてくれればもう少し入るこめた気がした。あとちょっと!オシイ!残念でしたで賞。2001.12.24
クロコダイルの涙
レオン・ポーチ監督、ジュード・ロウ出演☆吸血鬼かと思ったらワニだったのが意外だったが、苦悩するジュードはステキ。自殺しようとした女性は、殺されて本望だったかも。そういう人生もありだ。2001.9.13
クローサー CLOSER
マイク・ニコルズ監督、ジュリア・ロバーツ、ジュード・ロウ、ナタリー・ポートマン、クライヴ・オーウェン出演☆新聞記者のダンはロンドンの街中で、若いアリスと出会い恋に落ちる。その後、アリスとの赤裸々な同棲生活を小説にしたダンだったが、今度は写真家のアンナに恋をしてしまう。
舞台劇の映画化ということでセリフの一つ一つがよく練り上げられていた。大人の恋の駆け引きや、洒落た会話が好きな人なら楽しめる映画だろう。
アリスの「あなたから捨てられるのを待っていた」というセリフがもっとも印象的だった。4人のなかでは一番子供っぽいし、甘えたふりしてるけど、実はとても冷めている、っていうキャラが気に入った。それにくらべて男二人のあまりの身勝手さに呆れてしまった。身勝手な部分を愛せないと成熟した女ではないのかもね。2006.1.9
クローサー
コリー・ユン監督、スーチー、カレン・モク、倉田保昭出演☆懐かしのB級ノリ香港映画を見た気分。女同士のアクションはさすが見ごたえあり。「キャッツアイ」みたいな話なんだが、意外な展開にちょっとびっくり。妹役の子が、どんどんたくましくなっていく姿が釈ちゃんみたいで格好よかった。2004.3.20
クワイエット・ファミリー THE QUIET FAMILY
キム・ジウン監督、パク・インファン、コ・ホギョン、チェ・ミンシク、ソン・ガンホ、イ・ユンスン出演☆山奥で山荘経営をする一家が、最初の客の自殺をきっかけに次々と殺人をおかしはじめるブラック・コメディ。ストーリーは面白いし、役者もそろってるんだけど、それぞれのキャラがちょっとはっきりしてなかった。あと、スピード感もなくて期待はずれ。画面が暗すぎて、何だかよくわからないのも減点要因。2005.2.19
参考CINEMA:「甘い人生」
クンドゥン
マーチン・スコセッシ監督 レビューはCINEMAの監督たち(M・スコセッシ監督)へ
クロエ
利重剛監督、永瀬正敏、ともさかりえ、塚本晋也、松田美由紀、青山真治出演☆フランスの作家ボリス・ビアンの小説が原作ということで、クロエと浩太郎(これは、高村光太郎からとった名前だろうか)の恋はアンニュイで空想の中のお話チックなのはよかった。が、その雰囲気と回りの人々、塚本晋也夫妻やオカマバーの人たちの雰囲気があまりに違いすぎて、映画の雰囲気がとっ散らかっていた。個人的には、愚かな夫婦愛を描いた塚本側のストーリーが私は好き。それと、永瀬はああいう物静かな役をやると演技の下手さが目立つ。やたらにオーバーなのが、フランス映画っぽい透明感のある雰囲気にマッチしてない。あんまり欲出さずに「濱マイク」を貫いて欲しい。2002.9.16
グッドナイト・ムーン
クリス・コロンバス監督、ジュリア・ロバーツ、スーザン・サランドン、エド・ハリス出演☆ お馴染みの監督がスターを集めて作った定番のハートフル映画。わかっちゃいるけど泣けました。やっぱり、子供と不治の病がでてきたら、泣くでしょ。女の闘いもおもしろかった。つい、スーザンに肩入れしてしまうのは、年のせい?くやしいけど、若さには負ける。けど、過去は私のものよ、っていう気持ち、すごく判ってしまった。誰もが認める良い映画でした。 2000.4.23
グッド・ウィル・ハンティング
ガス・バンサント監督、マット・デイモン、ベン・アフレック、ロビン・ウィリアムズ出演☆ボストンの街の感じをみたくてもう1度見たけど、目的そっちのけで感動でした。しってるんだけど泣ける映画。ベン・アフレックのあの台詞でまた泣いたよ。前みたときは、女をえらんだことに、えー、ウソくさい、と思ったけど、今度はそれがすごく自然に思えた。私の価値観が変化したんだと思った。2000.6.10 参考CINEMA:「小説家を見つけたら」「エレファント」「ジェリー」
グッバイ、レーニン!GOOD BYE, LENIN!
ヴォルフガング・ベッカー監督・脚本、ダニエル・ブリュール、カトリーン・ザース出演☆1989年。東ベルリンの壁が壊される直前に心臓発作で倒れた社会主義者の母親が、統一後に目を覚ました。医者からショックを与えたら命とりと聞かされた息子は、昔のままの東ドイツを見せようと奮闘する。
1年もしないうちに、あんなに急速に社会が変わっていったとは知らなかった。お金も使えなくなるなんて。もうちょっとコミカルな映画なのかと想像していたが、意外と真面目なちょっと悲しいストーリーだった。2004.5.28
グッバイ・ラバー
ローランド・ジョフィ監督、パトリシア・アークエット、ダーモット・マロニー、ドン・ジョンソン、ビンセント・ギャロ出演☆兄の遺産を狙って妹夫婦が殺人をたくらむが、実は弟は兄の彼女と狂暴して、今度は妻を殺そうとする。さらに、女刑事までが絡んできて…。悪者ばっかりの、ファムファタール映画。パトリスは危ない妻役がぴったり。「ナッシュ」がちょっとみっともない役で笑えた。2001.6.3
グラディエイター ★
リドリー・スコット監督、ラッセル・クロウ、フォアキン・フェニックス出演☆ローマ皇帝が支配する時代。戦争のヒーローである将軍が皇帝の死により、暗殺されようとする。生き延びた男は人前で殺し合いをする奴隷のようなグラディエーターとなって憎き新皇帝の前へ姿を現す。
リドリー・スコット監督らしく、ダイナミックな映像とアクションは見応えあった。両親と一緒に見られる映画だったので正月にはもってこいの1本。ラッセル・クロウの困ったチャン顔は母性本能をくすぐるみたい。不倫騒動も納得。
2001.1.2 参考CINEMA:「ハンニバル」「キングダム・オブ・ヘブン」「マッチスティック・メン」「ブラックホーク・ダウン」
グリーン・デスティニー
アン・リー監督、チャン・ツッイー、チョウ・ユンファ、ミシェル・ヨー、チャン・チェン出演☆中国の中世を舞台に剣の達人たちが闘う活劇。悪役の女に育てられた若き剣士を新人女優が好演していた。ユンファはすっかり貫禄がついてた。大人同士の悲恋と、若者の激しい恋も好対照で描かれていて、ただの活劇に終わらせなかったのは、さすがアン・リー。アクションはジョン・ウー作品と比べちゃいけないと思うので、あえて比較しないけど、上品&華麗で十分見応えがあった。「北斗の拳」を黒沢明が撮ったらこんな映画になるのかなあ、なんて考えながら楽しんで見れた。
2001.2.28 参考CINEMA:「ヒーロー」「推手」「ブロークバック・マウンテン」
グリーン・マイル ★★
フランク・ダラボン監督、トム・ハンクス、 デヴィッド・モース、ボニー・ハント、マイケル・クラーク・ダンカン、ジェームズ・クロムウェル出演☆1920年代の大恐慌時代。死刑囚を収監する刑務所に一人の大男が入ってきた。男は幼い子供二人を惨殺した罪で死刑を宣告されたのだ。が、その男は不思議な力を持っていて、親切な看守の尿管の病気を治してやる。ほかにも、瀕死のねずみを生き返らせ、不治の病の所長の妻の病を治す。そして、ある日、若い荒くれ者に触って本当の犯人を知り、自らさばきをくだしてしまう。が、黒人であるその男にはもはや助かる道はなく、看守たちに見守られながら、電気椅子にかけられるのだった。という話。すごーく古典的な聖書にでてきそうな話なんだけど、泣けたねー。最後の処刑のシーンには、とくに。泣いて下さいっていう演出も今回は気にならなかったよ。あの黒人の大男がよかったんだわー。久々、素直に感動させていただきました。2000.11.23 参考:脇役(デヴィッド・モース)
グレイスランド
デヴィッド・ウィンクラー監督、ハーベイ・カイテル、ブリジット・フォンダ出演☆自分をプレスリーだと言い切る男と、妻を事故で無くして人生に絶望している若い男の友情を描いたロードムービー。全然似てないんだけど、だんだんハーベイ・カイテルがプレスリーに見えてくるから不思議。モンローの物まねをするブリジットもよく似てた。
2001.1.13
刑事 Duellist
イ・ミョンセ監督、ハ・ジウォン、カン・ドンウォン、アン・ソンギ出演☆韓国版捕物帳。若い女捕校(岡っ引きのこと)が、美形の殺し屋に恋をしてしまう。ラブコメと捕物帳をミックスさせた点は面白いんだけど、なんか作りが安っぽかった。殺陣もあまり迫力なかったし。。まあ、カン・ドンウォンは美しかったのでヨシとするか。名優アン・ソンギもB級映画に出てせっせと稼いでるのねえ。2005.10.9
第10回釜山国際映画祭にて
ゲーム
デヴィッド・フィンチャー 監督、マイケル・ダグラス、ショーン・ペン出演☆ 孤独で冷徹な金持ちの投資家が弟からある会社の入会を進められる。それは、次々に不幸が襲う死のゲームだった。どこまでがゲームで、誰が味方なのかわからず、ラストはどうなるのか、といろいろと推測しながら見ていたら、なんにも裏がないラスト。もっと、複雑な裏話があるのかな、と期待してたからがっかり。だけど、これが今、氾濫している、ロールプレイングゲームなんでしょう。このスリルだけを楽しむ人々を風刺しているのかも、と思った。1999.8.15 参考CINEMA:「パニック・ルーム」
KT ★
阪本順治監督、佐藤浩市、柄本明、香川照之、筒井道隆、光石研 出演☆現韓国大統領・金大中の拉致事件が30年前、日本で起こった。その事件には当時の韓国政府と日本の自衛隊が絡んでいたという仮説がリアルで話に入り込めた。三島由紀夫の割腹自殺の場所に唯一、花束を添えた一自衛官と、拉致実行犯である韓国大使館の秘書官との友情。一自衛官が、戦後、なにを拠り所にして生きればいいのかわからない、といったジレンマと闘う気持ちは、あくまで想像だがなんとなく分かる気がした。
普通のスパイ映画や、歴史大河映画とは違って、実行犯である一自衛官や、金大中のボディーガードなど、歴史の表舞台には絶対、登場しないであろう個人の視点から描いていたのが、印象的だった。阪本監督の映画に出てくる男たちは、みんな美しく愚かなんだよねえ。それが男の美学ってやつだろうか。参考CINEMA:「顔」「この世の外へ クラブ進駐軍」
「ぼくんち」 「亡国のイージス」
刑法第三十九条
森田芳光監督、鈴木京香、堤真一ほか出演☆ 殺人犯と精神鑑定員のやりとりを軸にした、かなりテーマ性の強い犯罪映画。犯人は、子供の頃、妹を精神異常と鑑定された少年に殺された。のうのうと生きる少年への憎しみと社会への怒りから、男は他人に成りすまし、自分も精神異常のふりをして捜査を翻弄する。
物語はありがちなんだけど、精神鑑定、少年犯罪、という最近の社会事件にまっこうから挑んだ意欲作。森田監督らしくないストレートに主張した映画だったけど、凝った映像や台詞回しはさすが、と感じた。2000.1.9
ゲロッパ!
井筒和幸監督、西田敏行、常盤貴子、山本太郎、岸部一徳ほか出演☆ヤクザの組長が収監前に生き別れた娘に会いに行く。一方、組員は、ジェームズ・ブラウンの大ファンである組長のためにJB誘拐を企てる。ギャグ満載のドタバタ人情コメディ。
ちょっとギャグが多すぎて、シーンごとに流れが切れちゃってるのが気にはなったが、軽く気晴らしで見るにはいい。JB好きなので十分楽しめた。西田敏行&岸部一徳の演技にみんなが引っ張られてた感じ。若手もうちょっとガンバンレよー。
2004.11.7参考CINEMA:「パッチギ!」「のど自慢」
CODE46
マイケル・ウィンターボトム監督、サマンサ・モートン、ティム・ロビンス出演☆近未来。パペルという滞在許可証偽造事件の捜査を依頼された男が、偽造犯である女と運命的に出会い、恋に落ちる。だが、二人は同じ遺伝子を持っていたため、「CODE46」という法に触れてしまう。「ガダカ」とか大好きだし、遺伝子がからんだSFは興味あるのだが、なぜか退屈だった。ウィンターボトム監督の作品って正直苦手。映像もストーリーも申し分ないんだけどなあ。たぶん、真面目すぎるというか、感性が合わないのでしょう。
つい最近見たルーカスのデビュー作「THX 1138」にストーリーや雰囲気が似ているのも気になった。サマンサ・モートンって男を翻弄する天性の魅力がある。絶対に彼氏に紹介したくないタイプの女だ。2006.6.26 参考CINEMA:「イン・ディス・ワールド」「24アワー・パーティー・ピープル」
侯孝賢監督、 一青窈、浅野忠信、萩原聖人、余貴美子、小林稔侍出演☆フリーライター・陽子の日常を淡々と描いた作品。小津映画を意識したカメラアングルは侯孝賢監督らしさが出ていた。だけどなあ。なんだか最近のシャオシェン監督の作品にちっとも感銘を受けない。「妊娠した。でも、結婚はしない」っていう台詞は、自立した女性に見えるけど、やさしい両親と古書店のお兄ちゃんに甘えっぱなし。雰囲気は確かにあっていいんだけど、陽子の生き方をまったく受け入れられず。一青窈のミュージックビデオのような映画だった。2005.5.1 参考CINEMA:「悲情城市」「百年恋歌」 コールド・クリーク 過去を持つ家 COLD CREEK MANOR ××
マイク・フィギス監督、デニス・クエイド、シャロン・ストーン、スティーヴン・ドーフ、ジュリエット・ルイス出演☆お気に入りの監督と俳優がそろっていたので見てみたが、評判どおりひどい出来だった。B級サスペンスの何でもあり的なバチャメチャさも、あっと驚くどんでん返しもナシ。映像の美しさや音楽センスの良さも感じられず。何でこんなひどい映画とっちゃったの? 見るに値しない映画です。2005.1.15
コールド マウンテン COLD MOUNTAIN
アンソニー・ミンゲラ監督、チャールズ・フレイジャー原作、ジュード・ロウ、ニコール・キッドマン、レニー・ゼルウィガー、ドナルド・サザーランド出演☆南北戦争で離れ離れになった男女が、お互いを思いながら波乱の人生を歩む。予想はしてたけど、ジュード&ニコールの美男美女俳優でなきゃ、成り立たないようなラブストーリー。“人生で1度きりの恋愛”って現実ではうそくさいんだけど、この時代とこの二人なら“あり”かもね。そう思わせるだけの美しい恋愛映画だった。余談だけど、レニー・ゼルウィガーの演技、うまいとは思うんだけど、演技過剰。やっぱり苦手だ。2005.1.13
コニー&カーラ CONNIE AND CARLA
マイケル・レンベック監督、ニア・ヴァルダロス脚本・主演、トニー・コレット、デヴィッド・ドゥカヴニー、デビー・レイノルズ出演☆ミュージカルスターを夢みる2人の女性が、殺人事件を目撃したことからギャングに追われ、ドラッグ・クイーンになりすます。名作「お熱いのがお好き」の女性版。女性が男性に化けるっていうのに、さらにひねりを加えドラッグクイーンになるという発想が今風でユニーク。コニー&カーラの歌とハデハデメイクも楽しめた。
カーラ役のトニー・コレットって見た目は地味だけど、歌がうまくてびっくり(口パクでなければ)。オーストラリア出身の30代らしいけど、いろんな映画に出演してる。ニコール、ケイト、ナオミ、に続くオージー出身スターの素質あり、とみた。
「雨に唄えば」のデビー・レイノルズが本人役で出てたのもサプライズ!舞台で見たらもっと楽しめそうなミュージカル映画だ。2005.9.11 参考CINEMA:「マイ・ビッグファット・ウエディング」
コラテラル COLLATERAL
マイケル・マン監督、ジェイミー・フォックス,トム・クルーズ、マーク・ラファロ出演☆まじめなタクシードライバーが殺し屋を乗せてしまったことから殺人事件に巻き込まれていく。マイケル・マン作品らしく、きちんとハラハラさせてくれる、いたって普通のサスペンス。だけどなあ。サプライズが一つもないし、面白さにかけるんだよなあ。
ただ、J・フォックスはよかった。知名度からトムが主演になってるけど、間違いなくフォックスが主演。トムのような善人顔の役者は、無理に悪役やることないと思うんだけど。いい役ばかりやれとは言わないけど、「マグノリア」の熱血教祖のような個性的な役もできるんだし。あえてミスキャストと言わせていただきます。ラテン系刑事役のマーク・ラファロに最近、注目してます。2004.3.10 参考:脇役(マーク・ラファロ)参考CINEMA:「アリ」「インサイダー」
コレリ大尉のマンドリン
ジョン・マッデン監督、ニコラス・ケイジ、ジョン・ハート、ペネロペ・クルス出演☆戦時下のギリシャの島を舞台にしたラブ・ストーリー。のんびりした島と能天気なコレリ大尉がぴったりマッチしていて、前半で引き込まれた。後半、悲劇が次々に起こるあたりは、ありきたりでちょっと食傷。でも、ニコラスはやっぱりステキ、と思わせる映画だった。2001.10.1 参考CINEMA:「プルーフ・オブ・マイ・ライフ」
コンフィデンス CONFIDENCE
ジェームズ・フォーリー監督、エドワード・バーンズ、ポール・ジアマッティ、レイチェル・ワイズ、アンディ・ガルシア、ダスティン・ホフマン、ルイス・ガスマン出演☆詐欺師集団が巧妙な手口で敵を欺いていくクライム・ストーリー。
「オーシャンズ11」ほどはじけてないけど、詐欺の手口が複雑で見応えはあった。ただキャラクターの魅力がもう一つ。芸達者のジアマッティをもっと面白く描いてほしかった。惜しかったで賞。2005.3.21
コンフェッション CONFESSIONS OF A DANGEROUS MIND
ジョージ・クルーニー監督・出演、チャック・バリス原作、チャーリー・カウフマン脚本、サム・ロックウェル、ドリュー・バリモア、ジュリア・ロバーツ、ルトガー・ハウアー(すっかりオッサンになっていた)出演☆70年代、アメリカのテレビ番組『ゴング・ショ−』などで一世を風靡した名物プロデューサー兼司会者のチャック・バリスが、CIAの秘密工作員をしていたと語った自伝を映画化。チャーリー・カウフマン脚本なのでストーリー展開が独特。自伝らしいが、たぶん事実ではないんだろうなあ。「ビューティフル・マインド」では、精神を病んだ天才数学者が自分をスパイと思い込んでたけど、チャックもある種の心の病だったのだろう。(あくまで推測)サム・ロックウェルはいろんな役のできるいい役者だ。2004.5.24 参考CINEMA:「グッドナイト&グッドラック」
コンテンダー THE CONTENDER
ロッド・ルーリー監督、ジョーン・アレン、ジェフ・ブッジス、クリスチャン・スレーター、ゲイリー・オールドマン出演☆アメリカ万歳的な胸がむかつく映画だった。善の政治家と悪の政治家がはっきりし過ぎ。ありえない話、としか思えなかった。 2001.6.10
恋の門
松尾スズキ監督・脚本、松田龍平、酒井若菜、松尾スズキ、大竹まこと、小島聖、塚本晋也ほか出演☆石で漫画を書く自称“漫画芸術家”の門と、コスプレオタクのOL恋乃のおかしくもかわいい恋物語。うぶで不器用な門のキャラがサイコー。終始笑いっぱなしだったけど、二人のピュアなラブシーンだけは、ちょっとホロっときてしまいました。
松田龍平いいねえ。優作とはまた違った幅の広い役をこなせるタイプだわ。酒井若菜はおなじみのキャラではまり役ではあるんだけど、少々飽きてきた。もっとシリアスな役とか冷めた女の役とかも見てみたい。脇役も超豪華で楽しめた。2005.7.10
幸福の鐘
SABU監督、寺島進、西田尚美、篠原涼子、益岡徹、塩見三省、鈴木清順、板尾創路ほか出演☆職を失った男が、とぼとぼ歩く途中で様々な人々と遭遇する。サブ監督にはめずらしいスローなテンポで正直、ちょっと眠くなった。主役は何も語らないんだけど、おそらく人生に絶望し、自殺するか失踪でもしようか、と考えていたのだろう。そこで、いろんな人に会ううちに、やっぱり「家へ帰ろう」と思って、歩いてきた道を足早に戻っていく。この「走る男」の味のある映し方はさすがサブ監督!2005.9.29
参考CINEMA:「マンデイ」
この世の外へ クラブ進駐軍
阪本順治監督・脚本、萩原聖人、オダギリジョー、松岡俊介、MITCH、村上淳、ピーター・ミュラン、シェー・ウィガム出演☆阪本監督作品にしてはめずらしく、正攻法で戦後の青春を描いている。楽器屋のサックスプレーヤー、親が被爆者の長崎出身のドラマー、兄が共産党員のベーシスト、失踪した弟を探すピアニスト、そしてヒロポン中毒のトランペッター。5人の生き方だけでなく、弟を日本兵に殺されたアメリカ軍人の苦悩も描いているのが好感が持てた。
ラストで朝鮮戦争を絡めるところは阪本監督らしい。ただ、もうちょっと笑いを入れてくれたらよかったんだけど。オダギリジョーは渋い役もいいけど、おどけた役もまた素敵。2004.8.1 参考CINEMA:「顔」「KT」
「ぼくんち」「亡国のイージス」
コンセント
中原俊監督、市川美和子、つみきみほ、村上淳出演、田口ランディ原作☆兄の死の謎を追ううちに、自分自身の心の闇や不思議な力に気付かされる女性の成長記。テレビでは見れない市川美和子の体当たり演技には歓心した。田口ランディの本は、ベトナム旅行記以外、おもしろいと感じたことないのだが、映画みてもやっぱりあまり読みたいとは思えなかった。感受性の強い女性の話って苦手。回りを振り回しても許されるキャラは好きになれない。振り回される側や、間抜けなキャラに焦点をあてた映画をもっと見たい。2003.9.19
ゴーストワールド GHOST WORLD
テリー・ツワイゴフ監督、ソーラ・バーチ、スカーレット・ヨハンソン、スティーヴ・ブシェミ、ブラッド・レンフロー、イレーナ・ダグラス出演☆張りのない毎日に悶々としている18歳の少女が、新聞の出会い系広告を見てイタズラ電話をすることを思いつく。
個性的な風貌の女の子2人の話だから、もっとポップで軽いノリなのかと思ったが、意外と暗い話でびっくり。どうやって生きていったらいいのかわからない18歳の気持ちもよくわかるが、少女に振り回されるオタク男により感情移入してしまった。周りについていけない自分に違和感を覚えたり、普通の感覚の人と一緒に暮らしてみたいって思ったりする気持ち、よーくわかる。でも、結局、自分らしく生きるしか道はないのかあ。せつないエンディングもリアリティがあってよかった。2005.11.22
ゴーゴー、LA
ミカ・カウリスマキ監督、デビット・テナント、ヴィンセント・ギャロ、ジュリー・デルピー、ジョニー・デップ、レニングラードカウボーイズ出演☆イングランドの田舎者が旅人の女性に恋をしてLAへ追い掛けていく。が、そこは、乱れに乱れたハリウッド。田舎ものは女にそでにされながらも、一途に女を思い続ける。カウリスマキ監督なので、みんなかなり変。けど、いつもより役者がみんな格好よくて、その分、変な部分が中途半端だった。主演の女の子は、テレビにでてきそうな美人だった。安っぽさがよかった。2000.3.23 参考CINEMA:「モロ・ノ・ブラジル」
ゴスフォード・パーク
ロバート・アルトマン監督、マギー・スミス、マイケル・ガンボン、クリスティン・スコット=トーマス、エミリー・ワトソン出演☆イギリスの貴族の家に狩猟のために集まった金持ち連中と、その付き人たちの人間模様を写実的に描いた作品。
「オリエント急行殺人事件」みたいな話なんだが、けっしてドラマチックじゃないところがアルトマン監督らしい。
嫌味たらたらの意地悪ババアと純粋な付き人の掛け合いがおもしろかった。2003.9.6 参考CINEMA:「クッキー・フォーチュン」「ドクターTと女たち」「バレエ・カンパニー」「ロング・グッドバイ」
五線譜のラブレター DE-LOVELY
アーウィン・ウィンクラー監督、ケヴィン・クライン、アシュレイ・ジャッド、ジョナサン・プライス出演☆作曲家コール・ポーターと妻リンダの愛を描いたミュージカル。
芸術家らしく自堕落な生活を送るポーターと、夫がゲイと知りながら結婚し、夫の成功をプロデュースしていく妻。打算的ともとれるんだけど、同士愛に近い二人の関係が心地よかった。 ナタリー・コール、エルヴィス・コステロ夫妻、シェリル・クロウ、アラニス・モリセットら大物ミュージシャンが歌うコール・ポーターの名曲は一聴の価値あり。2004.12.11
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ゴッドファーザー&サン GODFATHERS AND SONS
マーク・レヴィン監督、マーティン・スコセッシ製作総指揮 、ココ・テイラー、マジック・スリム、チャック・D出演☆シカゴ・ブルースのレーベル「チェス・レコード」が68年に発表したマディ・ウォーターズの画期的アルバム「エレクトリック・マッド」。当時は酷評されたこのアルバムにインスパイアされた現代のヒップ・ホップ・ミュージシャンたちが、「チェス・レコード」創始者の息子とともに、シカゴ・ブルースとヒップ・ホップのコラボレートを企画する。
音楽のルーツをさがす映画は「ロード・ムービー」だ。私は、とどまってじっとしている映画より、移動する映画が好きなんだなあ、とあらためて実感した。2004.12.10
サントラはこちら 参考CINEMA:「ピアノ・ブルース」「ロード・トゥ・メンフィス」
GO ★★
行定勲監督、窪塚洋介、柴崎コウ、山本太郎、山崎努、大竹しのぶ出演☆在日という運命を背負った青年の青春ストーリーを窪塚が絶妙に演じていた。さすが!あと、宮藤脚本の力の抜けた感じがよかった。ほんとは、重たいもん背負ってるんだけど、それをストレートに出さない格好のつけかた、つっぱりかたが若者らしくてさわやかでした。2002.7.24 参考CINEMA:「北の零年」
御法度
大島渚監督、栗田豊通撮影、松田龍平、たけし、サイ洋一、浅野忠信、武田真二、田口トモロヲ、トミーズ雅ほか出演☆新戦組の剣士たちが一人の美少年に振り回される。映像が美しい。さすが。優作の息子も華があった。ただ、斬新さという意味ではちょっとものたりなかった。ま、仕方ないね。ラストがよくわからなかった。結局、沖田が宗三郎を切ったみたいだけど、それはなぜ??沖田と宗三郎のからみがほとんどなかったので理解に苦しんだ。2000.10.21