旅先で出会ったCINEMAたち

香港編 Hong Kong
2005.4.2-4.7

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歴史ある「第29回香港国際映画祭」に初めて参加してきました。映画「インファナル・アフェア 無問道」シリーズをきっかけに、香港映画界は再び盛り上がりを見せているのでしょうか…。


4月2日*「海外ホテル予約」
4月3日*「街歩きメモ」
4月4日*「香港の映画館」
4月5日
*「ショッピング」
4月6日*「TVや映画界のあれこれ」
4月7日*香港→日本  -成田に着けない-


 香港を最初に訪れたのは天安門事件の翌年だった。生まれて初めての海外。 しかも陸路で広州にも行こうとしていたので、周りからひどく心配された記憶がある。
今からもう15年も前の話だ。
その後、中国返還前に2度ほど出かけたが、1997年を最後に、しばらく香港から遠ざかっていた。
街の様子もすっかり変わってしまったのかなあ、と心配していたが、なんのなんの、香港は8年前と変わらず物であふれた活気ある都会。田舎に引きこもり気味の私に、とってもいい刺激を与えてくれたのです…。

4月2日 

久々の香港旅行を思い立ったのは、3月中旬。4月はじめに休みがとれることになり、UAのマイレージを使ってどこかに行きたいなあ、と漠然と考えていたときに、香港で映画祭が開かれることを知り「これは私を呼んでいるに違いない!」と、すっかりその気になったのだ。
その後、予定が狂って仕事が入りそうになったり、飛行機がとれなかったり、ホテルがバカ高かったり…、と、直前までバタバタしていたが、なんとか出発にこぎつけた。

2:30PM マイカーで成田へ向かい、4時半に空港へ到着。

6:30PM 搭乗。飛行機内は、ラッキーにも両隣が空席だったので、足を伸ばしてゆっくりする。墓参りシーズンのためか、子連れの香港人が多い。この便はアメリカからの経由便なので、在アメリカ香港人が帰省するのだろう。
 機内の映画は「アイ、ロボット」。ゆっくり楽しもうと思ったが、前のオヤジの大きな頭が邪魔。こちらが移動するとオヤジも移動するので、落ち着いて見られない。(映画評はこちら

10:50PM ほぼ定刻どおりに香港チェクラップコク空港へ到着。見違えるように近代化された空港だ。でも、ちょっと啓徳空港がなつかしい。
まずは換金。予想以上にレートは悪いが、明日は日曜なので仕方ない。120US$のT/Cを香港ドル868HK$に換える。
ホテルからのfaxで教えてもらった「シャトルバス」のカウンターへ。派手なオレンジ色のジャケットをきた係員らしき人に「九龍ホテルに行くバスはあるか」と尋ねると、手際よく教えてくれた。11:15PM発で120HK$。ガイドブックには運行は11時までと書いてあったけど、うそじゃーん。エクスプレスは値段が高いからか、シャトルバスの利用者はけっこう多かった(欧米人ばかりだったけど)。

12:00PM 45分ほどでチムサチョイにある九龍ホテルへ到着。15年前、初めての旅で泊まったホテルなのでなつかしい。部屋は狭いけど、欲しいものはひととおりそろっている。一人ならこれで十分満足である。できれば立地のいいこのホテルでずっと過ごしたかったのだが、6日からいきなり値段が跳ね上がるため3泊のみの宿泊。(旅窓サイトで予約。1泊680HK$)
ちょっと小腹はすいたが、夜も遅いのでさっさと寝ることにする。

*教訓1:インターネットでの海外ホテル予約
◆「旅窓サイト」から予約すると、翌日「九龍ホテル」から、「クレジットカードNo.を教えてくれないとキャンセルになる」という、そっけないメールが届いた。メールでカードNo.を教えるのは抵抗があったので、旅窓の担当者に問い合わせると、安全のため、番号を2度にわけて送るよう指示された(担当者は対応が早くてとても親切だった)。
その後、すぐに返事がないので、今度はFAXで問い合わせると、「予約は確認できたがクレジットカード番号を教えてくれ」と、また言ってきたので、「メールで○○さんに教えた」とFAXする。大きなホテルだから情報が伝わりにくいのだろうが、ちょっと面倒だった。九龍Hは、メールよりもFAXのほうが、対応が親切で早かった。
◆旅窓と平行して「プラネット・ホリディ」という海外サイトからも予約を試みたが、返事に2日ぐらいかかるし、空き状況の問い合わせが1件づつしかできない、しかも返事はいつも「満室」。安いのは魅力だけど、対応の遅さには正直まいった。こちらのサイトは、1ヶ月ぐらい余裕のあるときに利用したほうがいいだろう。
◆「旅窓サイト」は空き状況、値段の変動が大きいので要チェック。出発2日前に、再度アクセスしてみると、今までヒットしなかった「プルデンシャル・ホテル」が1泊550HK$と出ていた。さっそく不便な場所のホテルをキャンセルして、プルデンシャルHへくら替えする。ちなみにプルデンシャルHはカード番号はきいてこなかったけど、ちゃんと予約されていた。

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4月3日

8:30AM 起床。朝食もとらずに、まずは旅の目的である映画のチケット確保だ。「ぴあ」と同じようなチケットセンター「URBTIX」が、香港文化センターの1階にあったので、朝一番で向かうが、開店は10時から。とりあえず、カウンターの横に張り出してあった空席状況で映画をチェックする。せっかくだから日本で見られそうにない中華圏の映画を中心にピックアップする。
続いて、チムサチョイ・プロムナードを散歩。快晴ではないが、湿気もそれほどなく散歩にはちょうどいい天気である(旅の間、一度も雨に降られなかったのは驚き。香港では初めて)。

city10:00AM 「URBTIX」やっと開店。言葉で伝える自信がなかったので紙に見たいチケットを書いて示す。予想以上に売り切れが多く、見たい映画の半分しか確保できなかった(1本55HK$ 日本よりは安いが釜山映画祭よりは高い)。

10:30AM まずは香港映画の顔、アンディ・ラウ&トニー・レオンの映画から鑑賞スタート! 
チムサチョイの西にある「サイエンス・ミュージアム」で上映される「インファナル・アフェアV」を見るために移動する。予想以上に遠くて、早足でもなかなかたどり着けない。汗かきながら、開映時間ぎりぎりにやっと到着。
一度、公開されている映画なので人もそれほど多くない。香港ではじめてみる映画なのでなんだかワクワク。
いきなりトニー・レオンの出演シーンに「かっこいー!」と、ノックアウトされる。始めは英語の字幕についていけずに戸惑ったが、TとUをしっかり予習しておいたので、すぐに映画のとりこに…。 (映画評はこちら


tony←トニー・レオン等身大?の映画祭宣伝パネル
1:00PM あっという間の2時間。アンディの悲しいほど惨めな姿に涙しながら、会場を後にする。とりあえずホテルに戻って仕切りなおし。街中にあるホテルは休憩に利用できるのがいい。
さすがに空腹がピークになったので、チムサチョイの裏通りにある麺屋で野菜麺を食べる(22HK$)。お腹がすいていたせいか、とってもおいしく感じた。

2:30PM 次の映画まで時間があるので、フェリーに乗って香港島へ渡る。やっぱり地下鉄よりは風情があっていい。昔ながらの香港を感じられる。ところが、フェリーを降りたとたん、近代的ビル群に圧倒される。中環(セントラル)って、昔から、こんなにビルだらけだった?

4:00PM 地下鉄で香港島西の太古へ移動。駅の上に大きなショッピングセンターがあり、その4階にシネコン「UAシティ・プラザ」があった。日本からネット予約したチケットが確保されているか心配だったが、無事取れていてほっとする。「中国ルネッサンス特集」の一作品「Day and Night 日日夜夜」を鑑賞。 (映画評はこちら

6:00PM 映画鑑賞後、太古のショッピングセンターでブラブラ。高級ブランドや、「U2」、「2000」といった香港ブランドの店まで、ひととおりそろっている。地下のスーパーはなんと「ユニー」。日本ではすっかり見かけなくなったが、こんなところで生き延びていたとは。住宅街のスーパーなので、かなり混雑している。香港らしいおもしろ食材はないか、と物色してみたが、日本のものばかりで、惣菜すら日本っぽい。とりあえず、オレンジとマンゴーだけ買って帰る。(太古の近辺には日本人がたくさん住んでいるらしい)
あまりお腹もすかないので、コンビニでビールと惣菜を買って夕飯にしてしまう。

【雑感:街歩きメモ】
◆地下鉄乗るならオクトパスカードが便利。150HK$ははじめ高い気がしたけど、50$は使用後に戻ってくる。いちいちチケット買う手間が省けるし、乗るたびに買うよりオクトパスカードのほうが割引率が高い。
◆エレベーターのマナーは関西式で、左が追い越し側だった。
◆若い人のファッションは日本と同じくカジュアルが中心。女性の髪の色は日本よりも赤毛に染めている人が多かった。
◆携帯電話の依存率は日本と変わらず。地下鉄内でも携帯が通じるので、あちこちで電話していた。
◆地下鉄の駅には、モニターが取り付けられていて、ボーダフォンのCMと日本映画「今、会いに行きます」のCMがひっきりなしに流れていた。日本にいるときよりも、“ORANGE RANGE”を半強制的に聞かされた。

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4月4日

8:30AM 起床。 テレビを見ながらダラダラし、10時にやっと活動開始。歩いて巨大ブランド街「ハーバー・シティ700」へ。まだ、店は開いていなかったので、レストランのたくさんある廣東道へ出る。
ガイドブックで見つけた粥麺小厨へ入ろうと思ったが、隣の店のほうが繁盛していたのでそちらにする(日本語のメニューあり)。
いちばん安いお粥を頼んだら(13HK$)、具が何も入っていなかった。今回は一人旅なので、贅沢な中華料理を食べるのは諦めていた。でも、さすがにもうちょっと、元気のでるようなものを食べたくなった。
朝食後、再び「ハーバー・シティ700」へ戻るが、まだ店は開いていない。香港のブランド店は12時にならないと開かないようだ。

city1 1:30PM チムサチョイのスペース・ミュージアムで「インディーズ・パワー部門」のアルゼンチン映画「Los Muertos」を見る。(映画評はこちら

4:00PM 香港島へ渡り、コーズウェイベイの「タイムズ・スクェア」へ。こちらも巨大ショッピングセンターで、見てまわるのにひと苦労。エスカレーターの作りが不親切なので、移動だけで疲れてしまう。
お洒落な服がたくさんあって目の保養にはなったが、値段もそれなり。結局、買う勇気が出ず。

7:00PM 太古へ移動し、「中国ルネッサンス部門」の「パープル・バタフライ」(チャンツィイー、仲村トオル主演)を鑑賞。(映画評はこちら

【教訓:香港で快適に映画を見るために】
☆香港の映画館はどこも超寒いので要注意!念のために持っていったウールのセーターを、かかさず持参していた。
☆チケットセンターで売り切れだった映画が、劇場の売り場では残っているものがいくつかあった。同じ時間のほかのチケットを買ってしまったことをちょっと後悔する。どうしても見たい映画があったら、売り切れでも諦めず、劇場窓口で当日券を狙ったほうがいいだろう。

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4月5日

9:00AM 手持ちのキャッシュが100HK$をきってしまったのでCitibankへ。ところが、銀行の窓口が閉まっていたので、仕方なくATMで引き出す。
ホテルマンに「今日は銀行は休みなの?」と聞くと、「今日は祝日。でも、明日は普通に開いてる」と教えてくれる。
立地のいい「九龍ホテル」にもっと滞在したかったが、今晩から値段が1000HK$(約1万5千円!)に跳ね上がるので、隣の佐敦駅にある「プルデンシャル・ホテル」へ移動する。
休日のせいか、朝の地下鉄はガラガラだったので、スーツケースも楽に運べた。

11:00AM プルデンシャル・ホテルは、ロビーは小さくてビジネスホテルっぽいが、部屋は広くて綺麗。備品もひとおおり揃っている。まだ朝だというのに部屋に入れてくれた。(4/5:550HK$ ,4/6:1040HK$)
素食続きでおいしいものに飢えていたので、今日のランチはちょっと奮発。佐敦駅からチムサチョイに向かって2、3分ぐらいの山林道にある海鮮料理店「太湖海鮮城」へ行く。
ここはフカヒレスープが有名らしいが、午前中なので飲茶を頼む。
客は子連れの夫婦が一組いるだけ。開いてるのか閉まっているのかわからないぐらい、従業員ものんびりしている。
飲茶のメニューは中国語しかなくて、多少戸惑ったが、漢字から推測できるチャーシュー饅頭、春巻き、水ぎょうざを頼む。かなり待たされたが、どれも出来たてのアツアツで、噛むと肉汁がジュワーっと染み出てくる。久々のおいしいごちそうに大満足(3品頼んで48HK$ 約700円。値段もお手ごろ!)。
やっぱり、おいしいものを食べると元気も出てくる。足が軽くなったので、スペース・ミュージアムへ歩いて移動。

12:30AM 中国映画100年記念特選の一つ「Duet」を鑑賞。(映画評はこちら

3:00PM 続いてサイエンス・ミュージアムへ移動し、R・アルトマン監督のテレビシリーズ「ターナーonターナー」を鑑賞。英語字幕はもちろん、中国語の字幕もないのに驚く。英語をヒアリングできることが前提、という不親切さが元英国領の香港らしい。(映画評はこちら

city3 5:00PM 佐敦にある中国系デパート「裕華國貨」でお土産用の中国茶を買う。ちょっと小腹もすいたので、近くにある牛乳店「義順牛好公司」でアツアツの牛乳プリンを食べる(18.5HK$)。半熟状態のプリンは、昔なつかしい牛乳の味。胃にジワジワしみてくる。地元でも有名店らしく、現地の人で満席。日本語のメニューもあり、おじさんは「熱いの、冷たいの?」と日本語で話しかけてくれた。

6:30PM またまた太古へ移動し、ショッピングセンター内のフードコートで焼きビーフンを食べる。まずくはないけど、おいしくもない。けど、店は家族連れで混雑している。一人で座っていると「席、空いてるか」と、何度か広東語で話しかけられて困ってしまう。こんなところで観光客が一人で食事しないもんねえ、普通は。

8:10PM 「グローバル・ビジョン部門」のタイ映画「サーズ・ウォー」を鑑賞。客は若者が多い。B級ノリのドタバタ・ギャグ映画だったが、若者は大笑いしていた。ちなみにこれも、英語の字幕のみで、中国語字幕なし。(映画評はこちら

10:00PM 10時をまわっても、東京のように人が大勢いるのでまったく怖くない。今回の旅では「知り合いの誰もいない海外に、たった一人でいる」という緊張感は、最後まで沸いてこなかった。

【雑感:ショッピング】
◆DVDは20HK$から150HK$まで、値段に幅があった。日本でまだ公開されていない韓国映画「スカーレット・レター」が100HK$で売っていた。ちなみに「HMV」より「CD Warehouse」のほうが全般的に安かった。
◆「HMV」の売れ筋ランク2位に日本映画「それから」(森田監督、松田優作主演)が入っていたのには驚いた。いい映画だった記憶はあるが、すっかり忘れていた作品だった。こんなところで密かにブームになっていたとは…。
◆日本未公開で、今回の映画祭でリバイバル上映されたレスリー・チェン出演作「ルージュ」を25HK$で購入。安い!(映画評はこちら
◆DFSの化粧品は日本並に高いものがあった(とくにクリニーク)。街中の「ワトソンズ」は、かつてのような割安感はナシ。
◆DFSで売っていた「GUESS」のサングラスはグアムのDFSよりも倍近く高かった。
◆スタバは日本並みに高い。

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4月6日

9:00AM あっという間の最終日。でも、ここ香港では午前中はあまりすることもないので、9時過ぎまで寝てしまう(せっかくだから観光名所でも行けばいいのに。我ながらどうしようもない怠け者だ…)。
昼は豪勢にコーズウェイベイにある「エクセルシオール・ホテル」の広東料理店で飲茶。定番の海老餃子と竹の蒸しご飯、それとココナッツのベイクド・プティングを頼む。サービスも味も、お値段もよかったが、デザートは私にはちょっと甘すぎて、胃にもたれた(1200HK$ 約2000円)。

2:30PM チムサチョイに戻り、サイエンス・ミュージアムでアッバス・キアロスタミ監督のドキュメンタリー「10 to TEN」を鑑賞。予想どおり英語字幕なし。我慢して見ていたが、画面は単調で、キアロスタミ監督が、延々自分の作品について話すだけ。私の英語力ではまったく理解できないし、ただでさえ単調な作りの映画を、淡々とした口調で説明されても、面白くもなんともない。
ということで、1時間もしないうちに、ギブアップしてショッピングへ。
失敗を忘れて、「レッド・ドラゴン」のチャイナカラーのシャツや、時計などを購入し、大満足。やっぱりショッピングはストレス解消になるわ。

5:00PM 最後の映画の前に、最後の腹ごしらえ。廣東道にある老舗「糖朝」で、揚げパン入りの腸粉とゴマ汁粉を頼む。腸粉は正直まずかったが、ゴマ汁粉には満足(量が多かったけど)。

6:30PM クロージング作品「世界」を見るために、香港文化センターへ。さすがにクロージング作品だけあって、すでに長蛇の列。私のチケットは3階席用だったので、上まで階段で上がらされる。3階ロビーで、監督と主演2人を交えたレセプション・パーティーが開かれていたので、ずうずうしく「入っていい?」と聞いてみたが、もちろんNG。
開場まで30分あったので、チムサチョイのプロムナードに行き、香港島の夜景を眺める。少し霞がかかってぼんやりした夜景は、まるでセピア色の古写真のよう。往来するフェリーの動きもゆったりしていて、いい雰囲気。
「世界」上映の前に、監督と主演二人が挨拶する。3階からなので、ほとんど顔も見えなかったけど、やっぱりゲストがいると「映画祭」という華やかな雰囲気を味わえていいものである。(映画評はこちら

10:00PM 映画鑑賞終了。あーあ、終わっちゃったよ。あっという間だったよなあ。ほんとなら、今からバーにでも行きたいところだけど、一人だし、明日は5時起きなので、おとなしくホテルに戻る。

【雑感:TVや映画界のあれこれ】
◆香港は、サッカーは強くないけど、サッカー好きは多いようだ。深夜テレビでは、ヨーロッパの試合中継が充実していたし、コンビニで買い物すると、必ずヨーロッパチームの選手のシールがついてきた。これも英国支配の置き土産、といえるだろう。
韓流ブームはここ香港にもやってきていた。グォン・サンウ君の等身大ポスターや、ウォンビンの新作映画のポスターをあちこちで見かけた。
香港映画界の復興を特集した番組を見た。やはり香港でもハリウッド映画に押され気味で、「Mr.インクレディブル」とトニー・レオンの最新作では、「Mr.インクレディブル」のほうがはるかに興行成績が上らしい。
 そんな映画界の未来を危惧してか、ジャッキー・チェンなどのベテラン勢が出資して、若手映画人育成学校を始めたらしい。たしかに、いつまでもトニー、アンディ、チャウ・シンチーにばかり頼っていてもねえ。香港映画復活!を目指して頑張ってもらいたいものだ。

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4月7日

5:30AM 起床。静まり返ったホテルを6時にチェックアウトし、タクシーでエクスプレスの香港駅まで向かう。運転手が何度も「空港まで200HK$で行くよ」としつこいので、「もう、チケット買ってあるから」とウソをつく。駅まではたったの5分で20HK$。運転手の言いなりにならなくてよかった。
駅で飛行機のチェックインができるし、空いてるし、料金も90HK$だし、評判悪いけどエクスプレスは快適である。
空港では時間があったはずが、残った香港ドルで何を買おうか迷っているうちに、あっという間に時間が過ぎてしまう。慌てておいしいかどうかわからない2000円近くするフカヒレスープを購入。

9:00AM 定刻どおりに飛行機は出発。機内に日本人はほとんどいない。かつて買い物天国だったころは、日本人観光客だらけだったが、今回の旅ではDFS以外ではほとんど日本人と遭遇しなかった。予想はしてたけど、香港は今の日本人にとってはメジャーな観光地ではなくなっているのだろう。
日本人乗客がほとんどいないせいか、機内アナウンスも英語と中国語だけ。

1:00PM 映画「Taxi」(映画評はこちら)を見終わると、すぐに飛行機は着陸態勢へ。何事もなくてひと安心。ところが………。
なんかおかしい。とっく成田上空についてるはずなのに、低空でグルグルと旋回している感じ。何のアナウンスもないまま、到着定刻を過ぎてしまう。
それでも、やっと、無事着陸! しかし………。

2:00PM 「ただ今、羽田空港へ到着しました」 と、英語でアナウンスされる。羽田!?どういうこと??
続いて「成田上空が強風で閉鎖されたため、羽田に着陸しました」とのアナウンスが………。
私は思わず、「車が成田にあるから、成田まで戻らなきゃならないよ。なんだよー」と、隣のおじさん(シンガポール人?)に愚痴ってしまう。
乗客が立ち上がり、出口に向かおうとすると、客室乗務員が慌ててやってきて
「まだ降りられませんので、お座りください」と制する。
何でだろ? 国際線だから、羽田だと準備に時間がかかるからかなあ。
何も詳しいことは教えてくれず、イライラは募るばかり。

30分過ぎても、いっこうに「降りていい」というアナウンスがない。
することないし、友人にイライラメール送ったり、親に「何時に帰れるかわからない」と、愚痴電話したりして、時間をつぶす。

3:00PM 「成田の着陸許可が下りましたので、今から成田に戻ります」
 と、機長からアナウンスがある。
結局、羽田では受け入れてくれないってことなのね。
(これって、外資の航空会社だから?JALだったら、すぐに羽田で降りれたのでは? そのあたりは定かではないけど)
まあ、車も成田だし、戻ってくれるならそれでもいいか、と達観し、本など読んで平静を装う。
が、「また、成田が閉鎖されました」とアナウンスされ、乗客は一斉にため息………。
いつになったらここから出してくれるんだよー。イライライライラ………。
お腹すいてきたし、喉もかわいたのに、何も配ってくれない。もう、食料もないんだろうけど、地上にいるんだから、何とかしてくれないのかなあ。
サービス悪いよなあ。と、周りの人々も言い出した(と思う。まわりは日本人じゃないので、あくまで予想)。

5:00PM ついに成田に向けて離陸! 
成田上空まではあっという間についたんだけど、また旋回。まだ、かなり風が強いようだ。
何度か、着陸を試みてやっと、到着。
機長からも「みなさんおめでとう!拍手!」というアナウンスがあり、イライラから開放されて、みんなで拍手!
緊迫した状況、というわけではないけど、何時に着くのかわからず、飛行機の中で延々待たされるのってストレスがたまるわー。
ここから、私にはまだ、2時間の運転が待っています。イライラして疲れてしまった身体に鞭打ちながら、帰路に着く。

釜山映画祭のときには行きにトラブル(釜山旅日記はこちら)、香港では帰りにトラブル、と何だか巻き込まれやすい体質なのかなあ、私って。
それでも、無事帰れたことに感謝して、また、懲りずに「映画をめぐる旅」を続けていこうと思います。

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